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運転ブログ

テスラ社の自動運転車で初の「交通事故」

自動運転中の車が日本でも事故を起こしました。アメリカではUBERによる自動運転の実証実験中に自転車を押す女性を轢いたという死亡事故がセンセーショナルに報道されました。しかし、日本でもすでに死亡事故を起こしていたことが分かりました。報道は驚くほど少なかったのが不思議ですが、事故の詳細を見るとテスラ車の自動運転システムに問題があったと言わざるを得ません。この自動運転システムは「レベル2」相当であり、運転者に責任があるというのが第一義的な見方ではありますが、「運転は車に任せておけば問題ない」という印象を与える売り文句で車両を販売していた以上、メーカーも一定の責任を逃れられないでしょう。

 

●テスラ社の自動運転車で初の「交通事故」 夫を奪われた妻の悲痛な叫び

男性が神奈川県警から受けた説明によれば、まず、道路上にいた彼らに向かって車両が加速して近づき、停車中のバイクを撥ね飛ばした。宙を舞ったバイクは櫻井さんたちにぶつかる。衝撃で路上に転倒した櫻井さんの頭部を、この車両が轢(ひ)き、そのままキャラバンに追突したのだ。

●夫の事故を知ったとき

事故を引き起こしたことで現行犯逮捕され、まもなく横浜地検が「過失運転致死傷罪」で起訴したのは、伊藤展慶被告(49)。彼が運転していたのは、米電気自動車大手・テスラ社の「モデルX」だった。

事故当時仕事中だった、櫻井さんの妻は、義母からの連絡で夫の事故を知った。

「“落ち着いて聞いてちょうだい”と前置きされてから、夫が事故で亡くなったと聞かされました。気が動転した私は、高校2年生の娘に電話をかけて“すぐお父さんの実家に来なさい”とだけ伝えるのが精いっぱい。ただ、実家で事実を知った娘は泣き崩れてしまい……。過呼吸を起こして椅子に座ることもできなかった。思春期に入ってからも娘は夫と仲が良く、夫のバイクの後部座席に乗って出かけることもしばしば。初めて渋谷の109に行った時も夫が同伴していました。それだけにショックも大きく、事故から数日は何も口にできない状態でした」

事故当日の深夜、櫻井さんの妻は神奈川県警の厚木分駐所を訪れている。

「そこで夫と対面しました。体つきですぐに彼だと分かりましたよ。でも、頭蓋骨が砕けて、顔は原形をとどめていませんでした」

突然の事故で大黒柱を失い、女手ひとつで失意の底にある高校生の娘を育てることとなった母親の心中は察するに余りある。

遺族側は民事訴訟も辞さない覚悟だが、事故からまもなく始まった刑事裁判で彼らを待ち受けていたのは、あまりにも予想外の展開だった。

被告人側は、事故の原因が「自動運転自動車」の「暴走」にあると断じ、「無罪」を主張したのである。

●「居眠り」はしていたが…

ご存知の通り、世界中の自動車メーカーやグーグルをはじめとするIT企業は目下、自動運転技術の開発にしのぎを削っている。なかでも、「鉄腕アトム」のようなSF作品に親しんできた日本人が、夢の次世代技術に期待の眼差しを向けるのは自然なことかもしれない。

また、今年4月に東京・東池袋の路上で87歳の男性が運転する車が暴走し、多数の死傷者を出すなど、高齢ドライバーによる痛ましい事故も後を絶たない。こうした悲劇をなくす意味でも、自動運転車の早期導入を望む声は高まるばかりだ。

しかし、冒頭の事故を巡る裁判では、そんな夢の「自動運転車」が、「暴走」の果てに人命を奪ったのではないか、という点が争われているのだ。

問題となった「モデルX」はアメリカの著名な実業家、イーロン・マスク氏が立ち上げたテスラ社製の車で、日本では2016年から販売が開始された。

自動運転の段階としては掲載表における「レベル2」に該当する。ちなみに、レベル3以上は現在、日本の公道では走行が許されていない。

テスラ社のHPではモデルXを〈史上最高の安全性と性能を持ち〉、〈ほとんどの状況下で作動する将来の完全自動運転に対応するハードウェアが搭載されています〉と紹介している。

今回、事故を起こした車両は、自動緊急ブレーキや、正面衝突警告システムに加え、「トラフィックアウェアクルーズコントロール」なる機能が作動する設定となっていた。これは、前方の車両と一定の車間距離を保ち、自動で追従走行する機能を指す。

櫻井さんの遺族によれば、被告人側の主張は概ね次のようなものだった。

・事故当時、被告人が居眠りをしていたことは認める。

・しかし、事故を起こす直前までは、居眠り運転でありながらクルーズコントロール機能によって安全に運転されていた。

・ただ、事故の2秒前にこの機能が故障。前方の障害物を認識しないまま加速する「暴走」状態に陥った。

・自動ブレーキも警告システムも全く作動せず、事故に至っている。

・被告人はアクセルもブレーキも踏んでいない。システムの故障が原因なので、被告人が起きていたとしても事故は回避できなかった。

――したがって、「被告人は無罪」というわけである。

事故の直前に、テスラ車の前を行く車両が車線を変更しており、その際、前方の人影を感知できなかったテスラ車が、自動的に車間距離を詰めようとして加速した可能性もある。さらに、被告人は事故の衝撃で目を覚ましている。つまり、事故当時のモデルXは、図らずも完全に人の手を離れた「自動運転」状態にあり、コンピューターシステムの「暴走」が事故に繋がったこと自体は否定しづらい。

引用元;デイリー新潮 7/22(月)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190722-00572515-shincho-soci&p=2

 


記事にもある通り、現在の自動運転システムは他車との意思疎通を苦手としています。前走車が突然車線変更して、その先が渋滞などで車が停車していれば、追突してしまう可能性があるのです。これはテスラ車に限らず、高度なACCや自動ブレーキを備えるどの車種にも共通しています。前走車の車線変更だけでなく、割り込みへの対応や、事故・工事などでの車線規制による車線変更も自動的にはできません。この課題は将来に渡っても大きな問題となるでしょう。まして、バイクや自転車が縦横無尽に走行する都市部や、歩行者が渋滞中の車を縫って横断するような場所では、自動運転することは絶望的と言えます。

このように、場所を選ぶような自動運転車は、本来的な意味での自動運転車、つまりレベル4相当の運転者を必要としない自律自動運転のコンセプトからは程遠いものです。場所や場面を選ばず、自律自動運転が実現する見込みは全く立っておらず、運転席を無くすような完全なシステムは将来に渡っても不可能であるとみられています。このような状況であるにも関わらず、売り文句としての「自動運転」というイメージを植え付けることは、今後の自動運転技術の開発の足かせとなるでしょう。なぜなら、本件のような不完全な自動運転車による事故は、今後も必ず散発するからです。仮に人間が起こす事故件数よりも(不完全であっても)自動運転車の方が事故件数が少なくなったとしましょう。それでも強い世論の反発が起こることは必至です。当サイトでも繰り返している通り、人間のドライバーの過失によって死亡する場合と、機械の何らかの不具合によって死亡する場合とでは意味合いが全く違うからです。これは、AIやロボットが人間に反逆するようなSF映画がヒットする背景にある、人間の本能的な心理が影響しているのでしょう。不完全な自動運転車、つまり開発・進化の途中における小さな事故が、いちいち社会的な反発を受ければ、自動運転車の開発速度は滞ります。不完全である、つまり人間が主体的に運転する必要がある、という現状をしっかりと運転者に通知し、人間と機械との間のインターフェースを直感的にしていく。そして、あくまで人間の運転が中心であるという思想のもと、扱いやすい操作系統を開発して、ドライバー教育を強化していくことが、遠回りのようでいて結局開発を円滑に進めることにつながるのではないでしょうか。

電車のATOと自動車の自動運転

2019年に横浜シーサイドラインで発生した逆走事故は、業界関係者にも衝撃を与えている模様です。現在、自動車に限らず、物流・輸送に関わるすべてのモビリティを自律化させようという動きが見られます。この背景には当然AIの発展があります。AIは今後進化することこそあれ、退化することは考えにくい。であれば、ドライバー・運転士不足にあえぐモビリティの現場では、自律走行を開発したほうが合理的である。これが現在の流れの根底にある考え方でしょう。

しかし、今回の事故はこうした流れに重い一石を投じるものとなりました。なぜなら、原因が衝撃的に単純なものだったからです。方向性の切り替え、人間の運転でいえばギアを間違えたという程度のものであり、AIが絡むような複雑なものでは全くなかったのです。車両側ATOの断線によるものなのか、電気系統の不具合なのか最終報告はまだ報道されていませんが、いずれにしろ無人運転で30年以上の無事故を続けてきた路線であっても、現実として単純な事故を起こし、しかもノーブレーキで車止めに突っ込み、怪我人を多数出してしまったのです。この事実は、あまりにも重いと言わざるを得ません。今回の事故と、今後の自動車の自動運転との関連を記したネット記事を下記に引用します。

 

シーサイドラインの逆走事故はATOの不具合によるものか 自動車の自動運転のへの警告にもなりうるのでは?

6月1日に発生した横浜シーサイドライン新杉田駅の事故には驚きました。私は一度も利用したことがなく、今年中に乗ってみようと思っていたのですが、起点の新杉田駅のみは磯子区、他は終点の金沢八景駅を含めて金沢区を通ります。1989年7月5日に開業(どうでもいいことですが、年を除いて私の誕生日に開業したこととなります)、1994年にATOによる自動運転が開始され、無事故が続いたそうです。しかし、大惨事となりました。

私は、ATOまたはATCの老朽化によるものだろうかとも思いました。しかし、違うようです。2日の20時5分付で毎日新聞社のサイトに掲載された「運行会社『逆走の想定なかった』 自動停止の仕組みなし シーサイドライン逆走」(https://mainichi.jp/articles/20190602/k00/00m/040/157000c)によると、出発直前のATOの交信記録には異常がなく、逆走の想定すらなかった、つまり、逆走した場合の自動停止装置がなかったといいます。そうなるとATOのシステム自体の問題とも考えられます。これは、他の新交通システムはもとより、自動車の自動運転についても緊急の検討を要請することにつながるでしょう。

一方、朝日新聞社のサイトに2日の20時56分付で掲載された「車両側のシステムに問題か 逆走したシーサイドライン」(https://digital.asahi.com/articles/ASM625K4ZM62UTIL00Z.html)という記事は「駅側が出発の合図を出した直後に逆走しており、合図を受ける車両側のシステムに問題があった可能性がある」としており、「全体の制御システムではなく、車両内のシステムで問題が起きたと考えるのが自然だ。車両側では方向転換をしたと認識する一方、動力装置にはその情報が伝わらず、前進するつもりで逆走した可能性がある。前進方向には安全対策が張り巡らされているが、こうした逆走は通常想定されていないため、保安装置も働かなかったとみられる」とする工学院大学の髙木亮教授のコメントを載せています。

ただ、まだ原因が究明されている訳ではありません。ATOというシステム、あるいは無人自動運転というシステムそのものについて再点検を行う必要があるでしょう。単純に車両側の問題とも言えないのではないかと思えるのです。

とくに、自動運転の問題は、それが有人運転か無人運転かを問わず、鉄道以上に自動車のほうこそ重大でしょう。ただでさえ、高齢者などによる逆走などの事故はMT車ではなく、AT車によるものが多いのです。アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えなどというものは、AT車だから起こしやすいのです。このようなことは、MT車を動かしたことがある人ならすぐにわかる経験的な知識に属します。MT車のほうが事故を起こしにくいとも言えるでしょう。何でも機械に頼ってしまうことは危険です。

そして、鉄道ということであれば、JR東海が建設しているリニア新幹線に、以上の話は妥当するでしょう。

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シーサイドラインのように、原則として無人運転の場合、遠隔監視が行われています(有人運転であってもCTCなどがありますが)。有人運転であれば、咄嗟の判断によるブレーキ操作も可能ですが、無人となると難しいかもしれません。数年前、私は名古屋市の藤が丘駅から豊田市の八草駅までの愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)に乗りましたが、この路線の場合は藤が丘駅〜はなみずき通駅の区間などで乗務員が車内にいます。また、新交通システムであっても西武山口線のようにATOを採用していない路線(ワンマン運転、ATS)もあります。私は山口線にも乗ったことがありますが、AGTであるのに車内信号がなく、運転士は線路脇にある信号機に従っています。こういう路線のほうが事故を起こしにくいと言えるかもしれません。

少し考えてみると、有人運転か無人運転かを問わず、ATOが採用されている鉄道路線は多くなっています。私が利用したことのある路線をあげてみても、次のようになります(東京メトロ日比谷線のように、一部の電車のみによって行われた試験運転を除きます。また、私が利用した時には未採用であった路線も入れています)。

通常は無人運転:ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線、東京都交通局日暮里・舎人ライナー、大阪市高速電気軌道南港ポートタウン線、神戸新交通ポートアイランド線、神戸新交通六甲アイランド線ライナー、愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)。

有人運転:札幌市営地下鉄全線(南北線、東西線および東豊線)、埼玉高速鉄道線、首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス、東京メトロ丸ノ内線・千代田線・有楽町線・副都心線・南北線、都営三田線、都営大江戸線、多摩都市モノレール、横浜市営地下鉄全線(ブルーライン、グリーンライン)、名古屋市営地下鉄東山線・桜通線、京都市営地下鉄東西線、大阪市高速電気軌道千日前線・長堀鶴見緑地線、神戸市営地下鉄全線(西神・山手線、海岸線)、北九州高速鉄道小倉線(北九州モノレール。但し、私が大分大学在職中に利用した時にはATOによる運転でしたが、現在はATOをやめてATCによる有人運転です)、福岡市営地下鉄全線(空港線、箱崎線および七隈線)。

こうしてあげてみると、無人運転については横浜シーサイドラインおよび舞浜リゾートラインディズニーリゾートライン(ケーブルカーのように、運転士は乗務せず、車掌のみが乗務するそうです。ディズニーランドに行ったことがないのでよくわかりません)を除く全ての路線を利用していますし、有人運転については仙台市営地下鉄以外の全路線を利用していました。

そればかりでなく、本務校の板橋校舎に向かうために都営三田線を利用しますし、東松山校舎などへ向かうために副都心線・有楽町線を利用します。非常勤の関係、都内の様々な所での資料収集などのために東京メトロ南北線や丸ノ内線、多摩都市モノレールも利用します。2004年から2012年まで集中講義を担当していたので福岡市営地下鉄箱崎線および七隈線を利用していました。思いの外、ATO採用路線をよく利用していた訳です。

そして、さらに少しばかり考えてみると、ここにあげた路線の全部とは言えなくとも、大部分の路線で、駅にホームドアが設置されています。言うまでもなく、ホームドアと電車の扉の位置を合わせるためです。また、私の知る限りでは千代田線、有楽町線(和光市駅〜小竹向原駅を除く)、神戸市営地下鉄西神・山手線を除けばワンマン運転が行われています。運転士の負担軽減のためのATOと言えるようです。

もっとも、ATOを採用する路線であっても、運転士の訓練は欠かせないようです。ハンドル訓練などと言いますが、運転士の技能低下を防ぐため、また緊急時に備えるために、行われています。

このことは、鉄道よりもはるかに安全性が低い自動車にこそ妥当する話ではないでしょうか。いくら操作が楽になるからといって、車庫入れを初めとして、自動車の運転技能を低下させることは許されないはずです。自動運転機能は補助手段である、というくらいの位置づけでなければ、道路上の交通安全を保てるとは思えません。
引用元;2019年06月03日 01時36分30秒 | 社会・経済
https://blog.goo.ne.jp/derkleineplatz8595/e/69d00694b3e63a73c55afdb7e218995c

 

 

今回の事故で、自動運転の世界がやってくるという夢は、かなり遠のいたと言えるでしょう。上記の記事からも分かるように、車が自律して動くのが主であり、それが故障したときに人間のドライバーがバックアップをする、という形はかなり無理があります。

そうではなく、あくまで人間のドライバーが主であり、運転操作を誤ったり、居眠り・飲酒・健康状態の急激な悪化といった場面で、車が自動的に安全な場所で停止するなどのバックアップ手段になるのが正しい方向性です。それであれば、法律面や保険、ドライバー教育も含めて、現在の環境そのままでテクノロジーを採用することができます。

しかし、残念ながら現在の開発の方向性はドライバー無しの自律運転にこだわっているメーカーが多いため、バックアップとしてのテクノロジーにはなり得ません。そもそも、テクノロジーが踏み間違い事故や、ふらつき運転を誘発している現状があります。

マツダなど、一部のメーカーでは人間中心のテクノロジーという思想を開発の中心に据えています。このシーサイドラインの事故が、正しい方向への開発が進む契機となることを願います。

 

他の記事へ【電動化による弊害について】

電動パーキングブレーキのリコール

電動パーキングブレーキ(EPB)に関する不具合で、リコールが届け出られました。ホンダの売れ筋であるN-BOXですが、対象の車種は一部グレードである「スラッシュ」のみに電動パーキングブレーキが設定されているため、台数は限られている模様です。

 

ホンダは6月20日、軽乗用車『N-BOXスラッシュ』の電動パーキングブレーキに不具合があるとして、国土交通省にリコールを届け出た。対象となるのは2014年12月8日〜2018年12月14日に製造された4万3419台。

 

今回、電動パーキングブレーキアクチュエータ内部ギヤ潤滑用のグリス塗布量およびグリス溜まり部容積の設定が不適切であったことが判明。上り坂での走行や停車を繰り返すと、溜まり部に溜まったグリスのオイル成分がモータ内部に侵入し、モータ内の摩耗粉と混ざり、導電性のある異物が生成されることがある。そのため、そのままの状態で使用すると、異物がモータターミナルに付着し、モータ回路がショート。警告灯が点灯するとともに駐車ブレーキが作動しなくなる、または、解除できなくなるおそれがある。

改善措置として、全車両、左右電動パーキングブレーキアクチュエータを対策品と交換する。

不具合は50件発生、事故は起きていない。市場からの情報によりリコールを届け出た。

2019年6月20日(木)17時21分
https://response.jp/article/2019/06/20/323656.html

 


この現象は、グリスの移動によって発生するということで、旧来の手動パーキングブレーキでもそれ自体は発生する可能性はあります。しかし、手動であれば、パーキングブレーキを作動させること自体は手動で可能でしょう。この事例では、電動モーターで動作させる仕組みであるため、モーターが動作しなくなり、結果としてパーキングブレーキが機能しなくなるというものだそうです。

電動パーキングブレーキは力もいらず便利ではありますが、電装系というのは結露や断線(ショート)などによって動作しなくなる場合があります。パーキングブレーキのように、運転操作にとって重要な要素に関して、機械的な仕組みも並存させる必要があるのではないでしょうか。

AT車の踏み間違いでも見られることですが、電動化することで利便性は上がったものの、ミスや故障などの緊急時に機械的なバックアップが設けられていないことに、設計思想の問題点が現れています。例えばMT車であれば、機械的なクラッチペダルがあり、電気供給が切れようがエンジンが暴走しようが、ペダルを踏めば動力を即座に遮断できます。利便性とコストカットを追求するあまり、安全性への配慮がおろそかになっていないでしょうか。

 

 

関連記事へ【電動化による弊害について】

大津市で園児が死傷した右直事故の原因

幼児が死亡する痛ましい事故が続発する中、大津市での事故が社会問題化しました。この事故は信号のある丁字路で発生し、横断歩道の信号が青になるのを待っていた園児の集団に、右直事故で軌道を外れた軽自動車が突っ込み、二人の児童を死亡させたという事故です。

信号は双方とも青であり、直進車である軽自動車が迫っているにも関わらず右折を続行した乗用車に過失のほとんどがあることは確実です。では、なぜこの右直事故は起こってしまったのでしょうか。右折した乗用車の女性は「前をよく見ずに右折してしまった」という旨の供述をしているとのことです。これは、他の一般のドライバーにも起こり得ることなのでしょうか?それともこの女性が極度に特殊な条件に置かれていたのでしょうか?報道を元に詳しく見てみましょう。


まず、直進車の側から見ると、見通しも良い信号のある交差点であり、注意すべきはまず信号、そして対向する右折車、次いで前走車や後続車、歩道にいる歩行者といったところでしょう。右折車はいましたが、この時点では徐行する要件は見当たりません。

一方で対向する右折車です。この交差点では、「右折矢印」と「青信号」の2パターンで右折ができます。右折矢印の時には、右折車のみが進行することができ、隣の車線の直進車も、対向する車も進行することはできません。右折矢印が出ている間は、右折することができます。一方で青信号の時は、対向車に注意を払い、対向車が来ない場合に限って右折進行することができます。そして、報道によると、右折矢印の時間が短く、一度に数台しか右折できい状態だそうです。

以上のことから、次のようなことが考えられます。
つまり、右折待ちの女性は、停車中に漫然としていて、前車が走り出したとたん、「右折矢印になった」と勘違いして前走車に続いて進行した可能性があるということです。

右折矢印の場合は、右折車以外は赤信号ですので基本的には対向車の様子を注意深く観察する必要はありません。しかも、右折矢印の点灯時間が短いとなれば、前走車に続いて、信号が変わる前のこのタイミングで右折してしまいたいという心理も働くでしょう。そして、信号を目視確認することを怠ってしまった。こうした条件が重なれば、どんなドライバーでも、同種の事故を起こしてしまう可能性はあります。特に信号待ちの際、信号が変わったのを確認するよりも先に、周囲の車が動いたかどうかで、自分も発進する癖がついているドライバーは要注意です。

この種の事故を起こさないためには、何よりも「ブレーキペダルから足を離す前に、信号機を確認する」ということを徹底することです。周囲の動きにつられるということは、誰にでも起こります。特に知り合い同士などで2台以上で連なって走る場合などは、無条件に前の車に追随してしまいがちです。自車の進行を決めるのは、あくまでもドライバーである自分自身だということを意識して、主体性を持って判断していくことが大切です。

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いわゆる「煽り運転」が社会問題になっています。煽り運転が危険なものであることは誰もが理解していますが、それでも一向になくなる気配がありません。これは、どういうことなのでしょうか。まずは、下記の記事をご紹介します。

 

あおり運転とは、車間距離を詰める、幅寄せ、蛇行運転、前に回り込んでの急ブレーキ、クラクションでの威嚇、必要のないハイビームやパッシングなどの運転のことです。

「煽る(あおる)」とは、「風を起こして火の勢いを強める」とか「風が物をばたつかせる」などの意味ですが、そこから「他人を刺激してある行動に駆り立てたりする」という意味にもなります(大辞林)。

ゆっくり走っている車を速く走らせようとしたり、相手の感情を掻き立てるように仕向ける運転が、あおり運転です。

警察は次のように言っています。

「警察ではあおり運転等に対してあらゆる法令を駆使して、厳正な捜査を徹底するとともに、積極的な交通指導取締りを推進しています。
また、あおり運転等を行った者に対しては、~運転免許の停止等の行政処分を厳正に行っています」(警察庁:危険!あおり運転等はやめましょう)。

しかし、取り締まりや罰則を厳しくするだけではなく、なぜ人はあおり運転をするのか、その心理を知ることで危険な運転を減らしていきたいと思います。

■人はなぜあおり運転をするのか
車の運転には、イライラ、ストレス、怒りがつきものです。もしも周囲に何もなくて、思いのままにアクセルを踏めれば、車はかなりのスピードで走ります。
しかし実際は、そうは行きません。するとドライバーはイラつき、自分の行動が妨害されたと怒りを感じます。

車の運転は、怒りに溢れています。イギリスの研究によれば、交通事故の85パーセントは怒りの結果です。

怒りの感情を行動に表せば、攻撃です。運転では、あおり運転にもなります。歩いている時には、私たちは怒りを感じても簡単には攻撃はしませんが、車に乗ると攻撃的になる人もいます。

自動車を運転してい時には、ドライバーはみんな鉄の鎧を着て、守られている感じがします。またお互いに顔も見えず、名前もわからない、匿名性が高い状況です。
匿名性は、攻撃行動を増加させます。さらに、長く続くご近所づきあいなどとは違い、道路上では、ほんの一瞬の短い人間関係になります。これも、攻撃行動がしやすくなる原因の一つです。

対面場面では、相手の表情が見えます。相手の表情が曇れば、謝罪や笑顔で、なんとか取り繕うとするでしょう。
しかし、自動車に乗っていると相手の顔が見えないために、気がつかないうちに相手を不安にさせたり、不愉快にさせることがあり、時には感情も行動もエスカレートしやすいのです。

自動車の運転席は、本来重さ1トンの鉄の塊を時速100キロで運転している責任重大な場所です。ところが、車の中の密閉空間が、感情表現の場になってしまうことがあります。
音楽を聞いたり、おしゃべりを楽しみながら、爽やかにドライブするならいいでしょう。しかし、イライラや怒りの発散場所にしてはいけません。

引用元;危険運転の心理
https://news.yahoo.co.jp/byline/usuimafumi/20181209-00107107/

 

●煽り運転を撲滅するのに有効な社会的取り組み

・煽り運転は、事故の確率を高めることを周知する

ドライバー同士のトラブルにつながるのはもちろんですが、それ以前に、適正な車間距離を保たずに走行すること自体が事故の危険性を著しく高めます。

煽り運転をしている最中は事故になった時のことなど考えずに盲目的に前走車だけを捉えているものと思われます。しかし、ひとたび事故が発生すれば、事故処理の多種事務作業が発生し、民事の損害賠償責任、行政処分の反則金と違反点数を負うことになります。安全な車間距離を開けている場合に比べて、煽っている側が追突するリスクは著しく高くなり、その場合基本的には10対0の民事責任を負うことになります。

・急いだ運転との到着時間の差を周知する
煽り運転をするきっかけとしては、前走車が遅い、自車の前に割り込んだなどが直接的な引き金となるでしょう。そしてその背景には、少しでも自分の車が他の車よりも速く、早く到着したいという心理があるのではないでしょうか。しかし、ひとたび車を出発させれば、目的地に到着する時間というのはほぼ決まっています。渋滞などによって多少の偏差はあるものの、確率の期待値によって到着時間の見込みは決まっています。従って、前走車を煽ってみたり、車線変更を繰り返してみたり、黄色信号で加速したりする運転は無意味です。少しでも周囲の車を出し抜くことで信号何個分か先に進むことができた経験などをもって「急いで運転すれば早く着く」と感じている人も多いかも知れません。しかし、それは幻想でしかありません。錯覚なのです。詳しくは教材「追い抜きなし!時間に間に合う運転術」をご覧ください。急いでいる時にドライバーができることたったの2つです。早く出発すること。そして、道を間違えないことです。特に、煽り運転は、この目的においては何の意味もありません。

・フルブレーキの体験会の実施
普通の教習所を卒業したドライバーにとって、フルブレーキングの体験をした方は少ないのではないでしょうか。現在の車にはABSという電子制御技術が使われていて、力いっぱいブレーキを踏めば、最大の制動力が出せるようになっています。しかし、実際にABSを効かせてフルブレーキングを経験した方がどれくらいいるでしょうか?特に、煽り運転をした方の中で、ABSを効かせたフルブレーキングをした経験がある方は著しく少ないものと思われます。

JAFなどが実施する体験プログラムで、ABSを効かせたブレーキングをする機会はあります。しかし、こうしたイベント自体、機会が限られる上、十分な速度からのフルブレーキングではないことがほとんどです。良くて40kmからのブレーキング。ほとんどは、スペースの関係などで30km以下の速度からのブレーキングになってしまいます。しかし、実際に煽り運転が行われているような現場では、50〜60もしくはそれ以上の速度で車間距離ギリギリで走るケースを目にします。この速度域では、条件の良い夏場の晴れの日えさえも、急に前走車が止まったら、車種にもよりますが停止するまで最低でも50mは必要になります。ましてや気温や天候の条件が悪い時やタイヤの点検を怠っていれば、100m近くも止まれないことも十分にありえます。このことを体験していれば、前走車との車間距離を5mや3mといった異常な距離に詰めることはないはずです。いくら攻撃的な性格なドライバーであっても、自身への身の危険性が著しく高いことを体験的に知っていれば行動も変わるでしょう。

以上のように、煽り運転は、いかに「割に合わない」ものかを事実と体験をベースに周知すれば、煽り運転は激減するのではないでしょうか。

自動運転時代はユーチューバーが事故る!?

現在、オーバーヒートなどの故障は減ったのに、JAFへのパンクの救援依頼は増えているといいます。自動車の性能・信頼性が上がっているのに、タイヤのトラブルが増えているのはどういうことでしょうか?

また、近年AT車のアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が頻繁に報道されています。かつてMT車が主流だった時から比較すると、運転の負担はかなり軽減されているにも関わらず、結果はより重大になりました。かつてのMT車でミスといえばエンスト。ところが、AT車でミスと言えば暴走して建物へ突っ込む事故なのです。

こうした、「進化したはずなのに、結果は退化しているのでは?」という疑念は『リスク・ホメオスタシス理論』というものである程度説明がつきます。長文ですが、下記に引用します。

 

●リスク・ホメオスタシス理論
(引用注;生物学における)ホメオスタシスの基本的メカニズムは「負のフィードバック」機構である。体温にせよ、血圧にせよ、体液中の塩分、糖分、各種ミネラル成分の濃度にせよ、それぞれ体内にセンサーがあって、適正な値を外れると自動的に値を元に戻すための対応策が発動される。
これは、エアコンの室温調整になぞらえれば理解しやすいだろう(中略)。

 

このホメオスタシスのメカニズムがリスクにも当てはまるのではと考えたのがジェラルド・ワイルドである。ワイルドは一九八二年に「リスク・アナリシス」誌にリスク・ホメオスタシス理論を発表し、大きなセンセーションを巻き起こした。

ワイルドの主張の中で、とくに重要な点は以下の二つである。
(1)どのような活動であれ、人々がその活動から得られるであろうと期待する利益と引き換えに、自身の健康、安全、その他の価値を損ねるリスクの主観的推定値をある水準まで受容する。
(2)人々は健康・安全対策の施行に反応して行動を変えるが、その対策によって人々が自発的に引き受けるリスク量を変えたいと思わせることができない限り、公道の危険性は変化しない。

つまり、リスクをとることは利益につながるので、人々は事故や病気のリスクをある程度受け入れている。その「程度」がリスク目標水準である。安全対策で事故が減った場合、人々はリスクが低下したと感じ、リスクを目標水準まで引き上げようとする。なぜならベネフィットが大きくなるからである。したがって、リスク目標水準を変えるような対策でない限り、いかなる安全対策も、短期的には成功するかもしれないが、長期的には事故率は元の水準に戻ってしまうと予測する。

(中略) 技術だけでは事故は減らない
ミュンヘンのABS実験から三〇年たったいま、電子姿勢制御システム、先進クルーズ・コントロール、衝突軽減ブレーキ、衝突回避ブレーキ、車線逸脱警報装置、居眠り検知装置、夜間視力増強装置(ナイトヴィジョン)、インテリジェント速度制御など様々な安全装置が開発された。しかし、これらのシステムを使うのは人間である。人間がリスクを減らしたいと望まない限り、行動はリスキーな方向に変化してベネフィットをとりにいくだろう。(中略)いまの安全水準で十分と思っている人、自分は事故を起こさなと根拠もなく信じている人、もっと速く走りたい、少しでも目的地に着きたいと思いながら運転している人、運転しながら電話をしたり、テレビを見たり、メールを打ったり、カーナビを操作したりする人たちにとって、安全装置は安全性向上ではなく、自分たちの行いたい行動の目的に利用できる便利な装置に過ぎないのである。

安全装置を安全装置として使ってもらうためには、安全への動機づけを高める教育や働きかけ、装置のユーザ・インターフェースの工夫などが不可欠である。さらに、「一台のクルマとそれを操縦する一人のドライバー」という枠内で安全を図ることの限界に気づき、広く交通環境の中での機械・設備・人間(複数の交通参加者)・組織の相互作用の視点で安全性向上を目指す視点が必要である。

 


以上のように、安全性というものは、新たな安全技術だけで担保できる訳ではありません。教育など社会的な合意に基づく取り組みがないと、まったく受け入れられないと言っても良いでしょう。自動ブレーキを試すために、ディーラー営業マンの指示のもと事故が発生したというケースもありました。これも「自動運転」という言葉のイメージだけが独り歩きして、社会の受け皿ができていないために発生してしまった事故と言ってよいでしょう。


現在は、0歳代~10代の若年者における死亡原因の多くが交通事故だと誰もが知っています。道路上が危ないことを知っているので、交通教育を幼いころから行います。しかし、自動運転の時代では、こうした教育への不要論が出る公算が大きいと言えます。理論上は事故が起きないとされていますし、場合によっては無人車も走ることになるからです。その結果として、数は少ないでしょうが自動車との事故、自動化されない自転車などの交通との事故が増えてしまうといった懸念があります。

この理論から言えば、完全な自動運転が実現した交通社会であっても、現在のユーチューバーのような方が、どれだけ事故を防げるのかという実験を公道で行おうとする動きも出てくるでしょう。つまり、まったくリスクを無くす、最小化するという目的においては、新技術だけが解決策ではないということが言えるでしょう。むしろ、社会的な取り組みの重要性の方が増してくるように思えます。

shakondv03.jpgのサムネール画像

東京都内において、死亡事故は区部で足立区・江戸川区、市部で町田市が多く発生しています(2018年集計※)。

自転車で多い事故は、自転車同士の出会い頭の事故、つまりブランドになっている交差点などでの衝突です。特にお互いに速度が出やすい電動自転車やスポーツ自転車は、交差点での充分な減速が必須です。

歩行中の死亡事故では、横断違反での衝突が多く発生しています。信号無視や横断禁止場所での横断などです。他には酩酊徘徊や飛び出しなどが原因となっています。歩行中は、「過度に飲酒しない」「横断歩道と信号は必ず守る」という2点だけを押さえておけば、かなり事故に遭う確率を減らすことができます。

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AIの弱点

自動運転にはAIの活用が肝となっていますが、逆にAIだからこその弱点というのも論じられています。
「知能」という名前から、万能感を漂わせていますが、実情は下記の記事にある通り、通常のコンピュータプログラムの延長上にあるものです。
そのAIに運転の全てを頼ることができるのかどうか。これには多くの疑問がつきまといます。長文ですが、記事を引用します。

AIの弱点に振り回される
  これ(引用注;2018年アリゾナで発生した自動運転実験車による死亡事故の原因)は現在のAI(人工知能)の持っている典型的な弱点である。現在のAIというのは「人工(アーティフィシャル)」の「知能(インテリジェント)」とは名ばかりでビッグデータと呼ばれる膨大な情報を統計的に処理して、人間に似た判断へと誤差を縮めていく、つまり統計マシーンに過ぎない。

このAIについては、ディープラーニング技術といって、いかにも「ディープな」思考ができているようなイメージが広まっているが、実際にコンピュータが行なっているのは、ただただ巨大なデータを処理する中で、浮かび上がる特徴的な傾向を集めていく、そうした作業を繰り返しているだけだ。もちろん、その作業自体は多層化されて高度化されている。だが、マシンとして「人間と同じロジック」で判断する能力には至っていない。

その判断のアルゴリズムを作るには、コンピュータが人間の判断を学ぶということがよく行われる。この「人間の判断の学習」だが、実は意外な方法で行われている。近年、ウェブ上で物を買ったり、本人確認をするような場合に、入力しているのは「ロボットではありません」ということを確認させられることがある。

これは「リキャプチャ(reCAPTCHA)」というウェブ上のサービスで、ユーザーは「妙に歪んだ文字」を読まされて「ロボットでないことを証明するために間違えないように読まなくちゃ」とプレッシャーを感じながら入力しているわけだが、このサービスにはウラがある。システムの側では「人間が認識するスペリングの読み方」という「正解」は持っているようで持っていない。反対に、一人一人のユーザーが、妙に歪んだ文字を「読み解いてスペルを入力する」ことで、システムの側が「そうなんだ。人間はそういう風に認識するんだ」という膨大な統計データを集めているのである。ある意味では、誤答の持っている揺れの傾向を調べているのである。

このリキャプチャを開発したのはカーネギーメロン大学だが、その後、その部門をグーグルが買収して現在はグーグルの子会社になっている。そしてグーグル買収前は「OCR(光学式文字読み取り装置)の認識のために人間の判断をマネする」ための活動が主だったのが、今は違ってきている。というのは、グーグルになって以降は、画像を見せて「この中で道路標識はどれですか?」とか「車はどれですか?」、あるいは「商店はどれですか?」などと尋ねてくることが多くなった。

これも種明かしをすると、「不正解者をロボットとみなしてエラーにする」機能もあるのだが、同時に本音として「人間がどんな判断をするのか」を必死になって「ビッグデータ」になるまで収集しているのである。言うまでもなく、標識とクルマの認識は自動運転車向けであり、商店の判別は、ストリートビューを撮影した後に、広告営業をかける対象を絞り込むためだ。そのためにAIに「どんなビジュアルのパターンだと、民家ではなく商店なのか」という判断を学習させているのである。
引用元;自動運転「戦場」ルポ 冷泉彰彦

 


上記の記事でも述べられている通り、AIは統計マシーンであると言えます。膨大なデータを、特定のカテゴライズ処理を経て、確率を計算し、目の前の物体がどのカテゴリーに属する可能性が高いのかを判断する訳です。つまり、結果としての過去の数字を積み重ねることによって、確率的に予測を立てるというスタイルです。そこには、人間のように「なぜそうなるのか」「その結果何が起こりそうか」といった意味づけという概念はありません。

例えば、アリゾナ州の事故のエリアでは、広い道を(信号もないのに)横断しようとする歩行者がもともと多いそうです。AIは、何度も走行学習したり、危険度合いの情報を含むマップデータを読み込んだりして、「ここは無理に横断する歩行者が多発する地点だ」と認識することは可能だったはずです(事故発生の時点ではそこまでしていません)。しかし、なぜこのエリアに無理な横断をする歩行者が多いのか。その結果、どんなことが付随して発生しそうか、といったことまでは、AIは感知しません。

実際には、事故が発生したエリアは、道路の片側に住宅街、反対側には大型シネマを含むショッピングセンターがあるそうです。ショッピングを終えた人が、横断歩道のある交差点まで歩くには遠いため、帰宅のために広い道路を横断する歩行者が後を絶たないそうです。ということは、近所の住人は、車ではなく徒歩や自転車で買い物をすることも多いため、荷物を抱えたまま道路を横断することが予想されます。被害にあった女性も、荷物を運ぶために自転車で出掛けて、大荷物のために自転車を押して歩いたのかも知れません。

このように、意味づけを元に予測する人間と、「無理な横断多発地点」という統計情報だけに基づいて判断するAIとで、運転スタイルが異なるのは当然です。しかし、人間は自分の運転スタイルと異なる場合、恐怖を感じることが知られています。

こうしたAIの性質を、人間的な行動に近づけることが将来的に難しいのであれば、いっそ窓などを全て無くして、外の景色見せないことで、運転スタイルをブラックボックス化した方が受け入れられやすいのかも知れません。事実、車内に運転手がいなくてもロープウェイやジェットコースターなどは、その動きを誰もが受け入れています。自分でも運転できる乗り物に、違った運転スタイルで同乗させるというのは、案外敷居が高いのかも知れません。

こうしたことから、当面はAIの弱点の克服と、判断の仕方を人間の直感に近づけるというのが、当面の目標になるのではないでしょうか。

AIディープラーニングの限界

AIを駆使した自動運転の実験や、限定的に商用利用する試みが広がっています。特にITの先進地区、シリコンバレーを抱えるアメリカでは、先進的な実験が次々と行われているようです。

そんな中、2018年にアリゾナ州で発生した自動運転実験車による衝突死亡事故について状況をまとめた記事が入ってきました。この、人類が初めて経験した、自動操縦による車が人を轢いてしまったという事故の原因が分かってきたようです。そこには、AIのジレンマを垣間見ることができます。下記の引用記事をご覧ください。

 

(アリゾナの事故を受けて)
これに対して、事故から約2ヶ月後の2018年5月7日になって、雑誌『フォーチュン(電子版)』が関係者を取材して得た情報として伝え、さらに連邦交通局が公表した事故調査の結果として公表されたところでは、自動運転システムとしては「対象となる物体」は認識していたそうである。少なくとも、ライダーが無効化されていたり、カメラが認識しなかったといのではないようだ。では、どうしてブレーキの指示が出なかったのかというと、システムが「停止する必要なし」という判断を下し続けたからだという。

 

自動運転車はカメラによる映像情報、レーダーの情報、そしてライダーによる空間スキャン、そして至近距離においては超音波のエコー情報などを「つねに収集し続け」ている。その情報つまり何らかの画像を分析して「当面、自車が進行する方向に障害物がない」ことを確認しながら走り続けてる。音響センサーによる外部の異常音検知もこれに加わる。

その際の判断だが、人間のように理詰めの判断を直感的に瞬時に下すようにはできていない。たとえばシステムは「止まれ」の標識は認識するが、その標識が歪んだり変形している場合に、人間ならばその物体の位置や質感などを感じながら「標識は標識だ」と瞬時に理解する。だが、システムの場合は、傾いたり一部が欠けている標識を「同じ止まれの標識」だと認識するためには、それこそ何十万件という画像処理を経験する中で獲得したアルゴリズム(論理の流れ)によって判断するしかないから、そのレベルに達していなければ「何かを検知」しても、それが「認識不可能(不明な物体)だが危険性はない」と判断した場合は、そのまま進むこともありうる。なぜかというと、「よく分からない」と考えるたびにシステムが停車命令を出していたら乗り心地が悪くなるし、高速の場合だと追突事故の原因にもなりかねないからだ。

報道によれば、今回の事故はシステムが「不明な対象物体」として、停止命令を出さなかったところに問題があるのだという。「風で舞い上がった新聞紙」とか「舞い落ちる落ち葉」といったカテゴリーに落とされていた可能性がある。
引用元;自動運転戦場ルポ

 


今回の事故は、センサーがきちんと人(と自転車)を捉えていたにも関わらず、そのまま速度を落とさずに直進を続けても良いと判断してしまったことに原因がある模様です。判断を下したコンピュータ、つまりAIに問題があったということです。記事では「不明な対象物体」と表現していますが、つまり、AIがディープラーニングをした段階ではデータが不十分である物体です。これに対する認識と、その対処方法に問題があったと考えられます。

学習不足というのはAIだけではなく、人間にももちろん起こり得ます。何かがあるように見えるが、それが何だかまでは分からない。夜間ライトが2つ見えるが、対向する自動車なのか、並走するバイク2台なのか、はたまた自転車なのか、はっきり分からない。道路上にダンボールに見える何かが落ちているようだが、それが何なのか、箱だけなのか中身があるのか、はっきり分からない。このような場面で、人間のドライバーならば、少しだけ速度を落として周囲の車の状況を確認したり、夜間ならライトを上向きにして状況を確認しようとするでしょう。その結果、ダンボール片や新聞紙などであれば、「なーんだ」とつぶやいてそのまま走行していきますし、機材などの落下物であれば、車線変更したりして避けるでしょう。

今回の事故では、このように「分からなければ少し減速する」「何かがありそうだということを周囲にアピールする」「ライトを上向きにする」「(必要なら)軽くクラクションを鳴らす」といった、人間であればごく自然な動きを、ひとつも行わなかったというのが、もっとも怖い点です。それどころか、まったく減速せず、回避するハンドルを切ることもなく、自転車を押す女性を真正面に捉えたまま走り過ぎてしまった訳です。これが、機械が暴走したときの怖さです。自動運転の実験車は、法定速度を守るように設定されますから、決して飛ばしていた訳ではありません。そこから僅かでも減速していれば、衝撃は大幅に少なくなっていたことが想像されます。

もしセンサーが捉えたものが何なのか分からなければ、早めに減速する。後続車にも「何かある」と思わせるように、ブレーキランプを光らせながら、僅かに減速し、問題ないと分かった時点で速度を回復する。近づいてもなお対象物が何なのか分からなければ、安全に(決して急ブレーキではなく)減速していき、最終的には余白を残して停止する。このように、人間にとって自然な動きにすることで、学習不足のもの、未知のものに遭遇しても信頼できるAIになるはずです。以前グーグルの無人運転実験車両が、何度も後方を追突されていましたが、上記のような自然な減速ではなく、急ブレーキを多用していたために追突されたと思われます。周囲の流れに配慮しつつ、よく分からない状況が前方にあれば徐々に減速する。このように、人間的な動きを忠実に追求していくことが、人間のドライバーと混在しながら自動運転車を普及させていく道筋になるのではないでしょうか。

自動運転車のAIが暴走する危険性

開発が進んでいる自動運転技術。そのキモとなるのは、人工知能、いわゆるAIです。従来のコンピュータによるプログラムは、決められた通りにしか動作しないとすると、AIは自ら学習したことに基づいて独自に判断を下すことができます。これだけ聞くと、人間にとても近く、運転だけでなく色々な分野で人間に取って代わる時代も近いのではないかと考えてしまいます。しかし、実態はそうではなく、看過できない問題点をいくつか孕んでいるようです。下記の記事をご覧ください。

 

●自動運転車はなぜ事故を起こすのか…人間は「命に関わるAI」を使いこなせない?

 

―人工知能が人間を支配する2045年問題など、巷(ちまた)では現実感のないAI脅威論が語られることが多いですが、“人間の生死に関わる問題=AIが人間を殺す日”はすでに私たちの足元まで迫ってきていると…。そんな中で今後、AIはどんな方向へと進み、それは人類とどう関わっていくのでしょう?
小林 AIの開発競争はますます過熱し、今後、主流になっていくのが「ニューラルネット(ディープラーニング)」です。これは簡単にいえば脳の仕組みを模倣し、人間がいちいちルールを教え込まなくても、自ら学んで賢くなる機械学習能力を備えた自律型のAI技術のこと。
例えば「自ら標的を定めて突っ込んでいくミサイル」も「病気の発症予測をする医療用AI」も「完全自動運転車」も、この技術が不可欠とも言われます。が、このニューラルネットは内部の情報伝達ルートが複雑すぎて、AIの研究開発に携わる技術者でさえ、その動作メカニズムや思考回路を把握しきれなくなる“ブラックボックス化”の問題が懸念されています。
ブラックボックス化は今後、例えば診断や治療にAIを導入する病院が出てきたとして「この患者は○○という難病に罹(かか)っていて、治療には○○という新薬が有効」とAIが判断しても、その理由や根拠が担当医にもエンジニアにもわからないという事態に繋がります。
また、ニューラルネットを搭載したAI囲碁ソフトが対局中に突如、狂ったような手を連発して自滅することがありますが、そのソフトを開発したエンジニアは「なぜシステムが暴走したのか私たちにも原因はわからない」と言います。これも内部メカニズムを把握できないからです。
現代のAIは、確かに驚くほど高い精度で正解を導き出すことができます。でも、だからといって“ブラックボックス化したAI”を無条件で受け入れ、私たちの生死に関わる重大な判断を委ねることが、果たして賢い選択といえるのかどうか…。
この辺りで一度立ち止まり、人間を不幸にしないAIとの付き合い方を冷静に考えるべき時にきていると思います。
(後略)
引用元;エキサイトニュース

 


記事にあるように、大きな問題点となりそうなのが、判断に至るプロセスのブラックボックス化です。この記事では、医療や囲碁ソフトなどが例示されています。他にも、マイクロソフト社が提供していたネット上のバーチャルキャラクターが、モラル上問題のあるメッセージを連発して一時休止に追い込まれた例も同様です。どのような学習内容が、問題行動につながったのかが、開発者本人にも分からない訳です。

AIが思わぬ判断を下すようになった場合、非常にコントロールが難しいものだと思われます。通常のプログラムのデバックと異なり、学習プロセスは膨大であり、逐一遡っていくのは現実的ではありません。また好ましい学習をするように、部分的に方向付けをしていくのも難しいでしょう。つまり、人間の手が掛からない「自律」へ向かわせると、「管理不能」に向かっていくというジレンマがある訳です。人間の意図を汲み取って管理しやすいようにするには、自律度合いを下げる形になり、自動化、ロボット化から遠ざかってしまいます。

さらに自動運転のプロジェクトでは、別の問題も見えてきます。学習という面に限れば、なるべく多くの車両に様々なケースに遭遇させて、膨大な道路上の「ふるまい」を学習させたいところです。一方で、そうした学習を統合してひとつの優れた学習済みAIを作るのは困難をきわめるでしょう。個々の車両が遭遇したケースは場所も日時も天気も路面も、車両サイズや排気量、タイヤ摩耗度などまちまちであり、一律に同じケースとして統合できるものではありません。個々のケースを人間が検証しながら学習させようにも、多くのデータがブラックボックスと化していれば、膨大な人的資源が必要となり無人化の方向性とは矛盾します。かといって、個々の車両だけに適用される、その車両にオンリーワンのAIということに留めると、走行距離が少ない車両は学習深度が低く、また車両によって判断が異なってしまい実際の路上での「ふるまい」が変わってしまうという問題があります。

マイクロソフトのAIキャラクターのように、SNSにメッセージを発信するだけなら、問題点があればサービス休止をすれば良いでしょう。しかし、車の運転をAIに任せるとなると、万一好ましくない判断をしてしまった場合は、即人命に関わることになります。事故が発生する度にリコールしているようでは、社会的な信頼を得ることはできないでしょう。このあたりが、自動運転車の開発に当たって、非常に難しいところではないでしょうか。

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