教習所に通う方、運転の苦手な方向けに練習の仕方とコツを伝授します

運転ブログ

自動運転バスはベビーカーを乗車拒否するのか

各地で自動運転の実験として、路線バスやコミュニティバスが試験運行されています。路線バスは基本的に赤字経営であり、過疎地であるほどその傾向は顕著です。それにも関わらず、マイカーがないと基本的な生活が困難な地域ほど、路線バスの赤字幅も大きいため、廃線になってしまいやすいものです。

この矛盾に対しては、自治体の予算で一部を賄うわけですが、限界もあります。これがドライバー不足にも拍車を掛けて、乗客もドライバーもいないから廃線へ、という負のスパイラルに陥っています。免許を返納した高齢者にとっては、買い物にも病院にも行けない、という地域もあります。

そこで期待されているのが、自動運転バスです。無人で路線を巡回できれば、大幅にコストは削減出来るでしょう。また無人で物資を届ける物流も担えるかも知れません。

しかし、物事はそう簡単ではないようです。下記の記事をお読みください。

 

双子用ベビーカーの女性、市営バスが乗車拒否か 名古屋

ベビーカーに双子を乗せた女性が名古屋市営バスの運転手から乗車を拒否されたとの声が寄せられ、市交通局は7日、不適切な対応がなかったかどうか、事実関係について調査を始めた。

乗車を拒否されたと話しているのは、1歳の双子の女児がいる名古屋市の女性(34)。

女性によると、10月下旬に横型のベビーカーに双子を乗せてバスに乗ろうとしたが、運転手から「ベビーカーを中まで運べますか」と聞かれた。双子を抱いてベビーカーを運ぶのは難しいため、常備されている車いす用スロープを使いたいと求めたが、運転手は応答しなかったという。女性は乗車をあきらめ、所用先の区役所まで片道約40分を歩いた。

市交通局によると、2013年10月から、大型バスでは横型の双子用ベビーカーに子どもを乗せたままでの乗車を認めている。中・小型バスではベビーカーから子どもを降ろして、折りたたんで乗るように求めている。また、ベビーカーでの乗降の際は乗務員も協力するとしている。交通局は寄せられた情報から運転手やバスを特定し、不適切な対応がなかったかどうかを調べる。(堀川勝元、保坂知晃)
引用元;朝日新聞デジタル

 


この事案は自動運転に関するものではありませんが、将来の自動運転の夢にとって大きな壁となるものです。バスのドライバーは運転だけをしている訳ではありません。車内の乗客の安全(座席、立ち乗り客)、乗降時の周囲の交通との安全、乗降に問題を抱える乗客への介助、料金のチェックや両替、カードの発行、無賃乗客への対応、傘など備品販売、停留所・接続路線などの案内、車両や機械トラブル時の対応などです。

とくに懸念されるのはコミュニケーション部分です。路線バスは電車などほかの交通に比べて不案内な場合が多く、地域を良く知る地元の人以外は、係員に聞かないと分からないということが良くあります。ナビゲーションサインの概念が乏しい日本の交通インフラでは、そうした乗客への情報不足を、ドライバーのマンパワーに頼ってきており、それがドライバーの負担を増やしてきました。自動運転によって運転操作のみを無人化したところで、こうした不案内が解決する訳でもなく、乗客をより困らせることになるでしょう。

無人カーによる物資配送のようなアイデアも、操作系のインターフェイスが期待薄です。免許の返納が進んだような高齢者層と、IT系のインターフェイスとは、どうも相性が悪いようです。銀行のATMやスーパーの無人レジ、スマートフォンのサポートをする携帯キャリアショップを見れば、それが垣間見られます。操作の難しさに戸惑う高齢者が頻繁に見受けられます。これは、インターフェイスを設計する側が、高齢者目線で設計する機会が少ないからかも知れません。

いずれにしろ、自動運転バスの実験は運用における課題が多過ぎて、パフォーマンス色が強いものだと言わざるを得ません。

Uberの自律自動運転実験車による事故の原因

机上の計算はリアルワールドでは通用しないことが分かりました。
単に、「現段階の技術では難しいだけであって、近い将来は解決できる」という類のものでは全くありません。もっと根深く、根本的なところで、完全な自動運転は無理なようです。

 

死亡事故を起こしたUberの自律走行車は、「車道を渡る歩行者」を想定していなかった:調査報告から明らかに

アリゾナ州で昨年、道路を横断していた女性をUberの自律走行車がはねて死亡させた事故。そのテスト車両に搭載されていたソフトウェアは、横断歩道以外の車道を渡る歩行者を発見できるようには設計されていなかった──。そんな事実が、当局による事故調査の一環として公開された文書から明らかになった。

今回の新情報は、この事故に関して過去に公開された大量の文書から明らかになった情報のなかで、最も悪質なものである。だが、それ以外にも新しい文書からは、Uberの自律走行車の技術では人間の実際の動き方を考慮できていなかったことが、さまざまな点から示されている。

この文書は、Uberの自律走行車が起こした事故に関する20カ月の調査に関連して、国家運輸安全委員会(NTSB)が11月5日(米国時間)に公開した。NTSBは航空機や大型トラックなどの事故を主に調査する政府の独立安全委員会である。NTSBは事故に関する最終報告書を2週間後に公表する予定だ。

数百ページからなる40部以上の文書には、2018年3月18日に発生した事故の詳細がつぶさに記されている。

この事故では、イレーン・ハーズバーグという49歳の女性がアリゾナ州テンピで暗闇のなか道路を横断していたところ、44歳のラファエラ・ヴァスケスが運転席に乗っていたUberの試験車両にはねられて死亡した。事故当時、この試験車両の運転状況とソフトウェアの状態を監視していたのは、この運転手ひとりだった。事故の1週間後に公表された映像には、衝突間際のヴァスケスが動揺しながら対応する様子が記録されている。

社内の「安全文化」にも問題
新しい文書では、専門家が呼ぶところの「安全文化」という観点から見て、Uberの社内体制に明らかな過失がいくつかあったことが指摘されている。例えば、自律走行車による試験プログラムには運行の安全を管理する部署が存在せず、安全管理者もいなかった。

なかでも目に付いたのが、ソフトウェア関連の問題だ。Uberのシステムは、横断歩道以外の車道を渡る歩行者を発見したり、それに対処したりできるようになっていなかったのである。

また、Uberのエンジニアは誤作動によるアラートの発生を恐れたのか、衝突の危険性を検知してから車両が反応するまでに1秒のタイムラグを設定していた。さらにUberは、ボルボ製の自律走行車に組み込まれていたボルボの衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)のシステムを無効にしていた。

のちにボルボは、自動ブレーキを有効にしていれば、女性に衝突した際には相当に減速していたか、衝突そのものを回避できていた可能性もあると結論づけている。ちなみに複数の専門家は、車両側の自動ブレーキシステムを無効にしたUberの判断は、技術的には理にかなっていると指摘している。同じような機能をもつふたつのソフトウェアを同時に動作させ、車両に“指示”させるのは安全性に問題があるからだ。

車両が女性を発見した時点では、停車するためには十分な時間が残されていた。ところが、車両は時速70kmで彼女に衝突し、23m先まではね飛ばした。こうした事態が起きた理由は、ブレーキのソフトウェアの問題でおおかた説明がつく。

女性の存在を自律走行車が最初に認識したのは、衝突の5.6秒前である。だが、そのとき車両は彼女のことを「自動車」であると誤って認識していた。続いて認識は「その他」に変わったが、再び「自動車」に戻り、「その他」「自転車」「その他」を経て、最終的に「自転車」に落ち着いた。

女性が歩いていたことを車両が認識できなかった理由は、単純だが腹立たしいものだった。Uberは車両に対して、横断歩道以外の車道で歩行者を探すようには指示していなかったのだ。「システムの設計は横断歩道以外の車道を渡る歩行者を考慮していなかった」と、NTSBの「Vehicle Automation Report」には書かれている。

車両は検知した“謎の物体”が何であるのかを推測しようとするたびに、その物体(すなわち横断していた女性)の向かう先を予測する処理を最初からやり直していた。そしてシステムは衝突の1.2秒前になってようやく、車両が女性に衝突すること、ハンドルを切っても回避できないこと、そして急ブレーキをかける必要があることを認識したのである。

その結果、Uberが「動作の抑制(action suppression)」と呼ぶ機能が動作した。システムは「発見した危険の性質」を検証するために1秒間、ブレーキをかけずに待機する結果となったのである。

この1秒間に、運転席に「安全オペレーター」として座っていた男性は“最後の砦”として車両の制御を取り戻し、自分でブレーキを踏むことができたはずだ。しかし、そのとき彼は道路に視線を向けていなかった。車両が衝突0.2秒前に警告音を出して初めて、彼はステアリングを握り、自動運転システムを解除したのである。女性に衝突してから1秒近くたって、ようやくオペレーターはブレーキを踏み込んだ。

チームの組織体制を変更
Uberの広報担当者は、同社が「2018年の事故を遺憾に感じている」としたうえで、自動運転技術部門のAdvanced Technologies Groupが安全プログラムを改善したと強調している。Uberが事故調査の一環としてNTSBに提出した文書によると、同社は事故後20カ月の間に安全運転教育を改善し、各車両に安全オペレーター2名を乗車させるようになったという(Uberは自律走行車の試験をピッツバーグで実施しているが、この11月からダラスでも開始する予定だ)。

さらにUberは安全チームの組織体制を変更し、従業員が匿名で安全上の問題を報告できる仕組みを設けた。「NTSBによる徹底的な調査を深く尊重します」と、同社の広報担当者は語っている。

今回の事故の要因は、もうひとつある。現場付近の道路の構造だ。女性が自転車を押して渡った車道の付近には、一見すると歩行者用につくられたかのように見える通路があった。しかし実際には、最寄りの横断歩道からは110mも離れていた。

NTSBは11月19日、ワシントンD.C.で事故に関する会合を開く予定だ。この会合では調査官が事故に関する包括的な報告書を公表し、何が起き、どのような過失や問題点があったのかを詳しく明かすことになる。また事故調査官は、自律走行車の技術を牽引しているUberなどの企業と規制当局に対し、同じような衝突事故を防ぐ方策について勧告することになる。

事故で亡くなった女性にとっては、一連の動きは遅すぎたことだろう。なお、遺族は事故から11日後にUberと和解している。
引用元 WIRD

 

予測されていた通りの懸念事項が現実となり、それでも開発を進めることこが明言せれています。つまり、IT業界の開発手法である、まずリリースして、不具合はユーザーから吸い上げた上で後から修正を掛ければいい、ということがこれから繰り返されます。自動運転でいう不具合は、死亡事故です。さらには、記事にある通り、自動運転システムにとって、人間も自転車も、等しく「物体」であるということ。命を持つものの重みづけは、かなりセンシティブな議論を経ないと、機能として実装することは難しいでしょう。

従って、当面は、誰もが無人機に殺されるリスクを承諾しない限りは、自動運転車を開発出来ないということ。これは社会的に受け入れられるかどうかは、かなり厳しい予測になると言わざるを得ません。性急に自動運転システムの実現を追い求めるほど、その拙速感から自動運転の普及が遠のいてしまう。このような流れが近年見られます。

リアルワールドで起こり得る事態を、正確に予測して対処する。しかも、人間の本能に沿った動きをすること。これを実現することは、技術者が予想していたよりも、はるかに難しい課題なのかも知れません。

自動運転開発で「低速」のトヨタ、テスラ事故後は競合も失速

自動運転車の開発競争には黄色信号が灯っています。当サイトでも再三示してきた懸念が現実化してきてしまいました。

●焦点:自動運転開発で「低速」のトヨタ、テスラ事故後は競合も失速

[東京 28日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は来年、高級車ブランド「レクサス」初の電気自動車(EV)を発売する。高速道路で自動運転できる「レベル2」以上の技術を搭載する計画だ。自動運転車の商品化では競合他社に後れをとってきたかにみえたトヨタは着実に歩を進めているが、一方でその技術の複雑さは、先行する日産自動車<7201.T>などで開発目標時期の後ずれを余儀なくさせている。

<レベル4には「少し時間かかる」>

「来年、高速道路の入口から出口、合流も含めて『レベル2』以上の自動運転ができる商品を出す」――。トヨタの友山茂樹副社長は23日、記者団にこう述べた。レクサスEVの発売に加え、夏には、東京都内の公道で人の操作が不要な自動運転技術「レベル4」搭載車の試乗も一般向けに実施する。

ただ、この試乗はマイカー以外の各種交通サービスを統合するMaaS(Mobility as a service)分野を想定したデモ。友山副社長は、一般の消費者が「レベル4」の車を買えるまでには「少し時間がかかるだろう」とみている。

もっとも、競合も開発の目標時期を後ずれさせている。商品化でトップを走る米テスラのEVによる死亡事故で技術の複雑さが露呈し、事故後、多くのメーカーや各国政府が、AI(人工知能)や自動運転車に対し、より長期的な視野に立って慎重に進める姿勢に転換した。

友山副社長は、多くの車メーカーやベンチャー企業が「タイムラインを現在見直している」と指摘。トヨタとしては「もともと『レベル4』の自動運転車の商品化は時間がかかるのではと考えていた。それは戦略に織り込み済み。特に今、開発や投資のあり方、タイムラインを見直すことはない」と話した。

トヨタは2020年をめどに高速道路で、20年代前半に一般道で、それぞれ自動運転の実用化を目指して開発を進めている。21年には米ウーバー・テクノロジーズと組んで、「レベル4」の自動運転車をライドシェアサービスに導入する計画だ。

<日産「20年までに一般道で」の目標断念>

自動運転は0から5までのレベルに分けられる。「レベル1」(加減速どちらかを支援)と「レベル2」(加減速の両方を支援)は、システムがハンドルを操作するが「運転支援」という位置づけだ。自動運転にあたるのは「レベル3」以上で、レベル2と3の間には、事故発生時などの責任主体が人かシステムかという違いがある。

「レベル3」は特定の環境下ではシステムがすべて操作するが、緊急時には人が操作するという条件付き自動化。「レベル4」は緊急時もシステムが対応する高度な運転自動化となる。「レベル5」は場所を問わずシステムがすべて操作する完全自動運転だ。

日産自動車は、自動駐車や高速道路での手放し運転が可能な「レベル2」以上の車を発売済み。ただ、20年までに一般道で自動運転できる車を発売するという当初の目標の実現は断念した。より高度な「レベル3」の開発には、少なくとも20年代後半までかかる――。同社の総合研究所で先端技術開発担当のエキスパートリーダー、上田哲郎氏は今月、記者団にこう話した。

米ゼネラル・モーターズの自動運転部門クルーズも今年初め、車両試験がさらに必要になったとして、今年を目標にしていた商用車への展開を遅らせると発表した。情報筋によると、物体が動いているかどうかを車が認識することが困難といった課題があるという。

トヨタグループのサプライヤー最大手デンソー<6902.T>も、理想の自動運転の実用化にはまだ数年かかるとみている。

自動運転技術の開発拠点「グローバル・R&D・トーキョー」を総括する執行職の隈部肇氏は「一般道で普通に運転されている車と混在するような環境(に対応させること)が難しい」と指摘、「周りは予期しない動きをする。ドライバーも予期しないカットインをされると対応に遅れが生じたりする。不確実な要素が多い」と語る。

日本では今年5月、一定条件下での「レベル3」実用化に向けた法整備は完了したが、「法規制がクリアできればすぐに自動運転車を出せるという技術レベルには、まだ来ていない」(隈部氏)。日本が準拠している国際ルールでも、レベル3はまだ認められていない。

<シンガポールも自動運転車の受け入れ急がず>

慎重姿勢なのはメーカーだけではない。自動運転車の実用化を後押ししてきたシンガポール政府も同様だ。同国のコー・ブンワン運輸相は先週、「最初の自動運転車受け入れ国になろうと急いでいるわけではない」と述べ、「自動運転車の技術の大規模な採用を楽しみにはしているが、近い将来そうなるとは思っていない」と語った。

運輸相のこうした見解は、シンガポールを一流のインフラを持つ無人自動運転車の実証地域と評価していた業界の専門家らを驚かせた。豪メルボルンのスウィンバーン大学フセイン・ディア教授(未来の都市型モビリティ専攻)は「シンガポールがそう言うのなら、他の政府も追随するだろう」と話した。

テスラのイーロン・マスク氏最高経営責任者(CEO)は先週、年末までに「完全に機能する完全自動運転」を可能にするソフトウエアをリリースできると投資家に語った。ただ、車は依然、人に「監督」される必要があるとも指摘。来年末までに、テスラが「(人が)注意を払う必要がないほど十分に信頼できる」自動運転ソフトをリリースすることに期待を示しつつも、「管轄によって、規制当局の受け入れ姿勢は異なる」とも付け加えた。

(取材協力:田実直美、白水紀彦、Aradhana Aravindan and John Geddie in Singapore 編集:平田紀之、田中志保)

引用元;ロイター 2019年10月28日 10:29

 

 

当サイトで度々指摘している通り、自動運転の課題は、自然界を完全に制御する際の課題とほぼ同じです。

自然界は、複雑系でありカオスでありフラクタルであるとされています。「予想外」のことを完全にゼロにすることはできないということです。これは、精度100%の天気予報が無理であることや、言語間の完全な自動翻訳が無理であることと、根本的な原因は同じです。しかし、自動運転車が、これらと全く違う点は「予想外の事態が即、人命に関わる」という点です。つまり、事故を減らす可能性はあるものの、事故をゼロにする可能性は乏しいという点です。事故をゼロにする可能性があるとしたら、天気予報や自動翻訳が精度100%になる時期と同じ頃でしょう。つまり、人間のドライバーでも、自動運転車でも、事故を完全にゼロにはできない訳です。

人間のドライバーよりも事故率が低下すればそれでいい、とする識者もいます。しかし、完全に無人の機械に轢かれるのと、人間のドライバーの過失によって轢かれるのでは、客観的には同じかも知れませんが、主観的には明確に違います。人間相手には類推によって同情や理解することも起こり得ますが、機械相手には起こり得ないでしょう。これが根底にある限り、有事の際は法律的に紛糾することは避けられないはずです。

こうしたことから、自動運転車を普及させること延期する、様子をみるといった態度の地域は賢明な判断をしていると言えるのかも知れません。特に、飛行機の自動パイロットと異なり、自動車は運転車の数も膨大で訓練レベルの敷居も低いものです。つまり、機械の側で多くをカバーしなければいけないということです。IT業界からのプレッシャーからか、近年の自動運転志向は性急に過ぎる印象があります。もっと冷静に考えるべき時期に来ているのではないでしょうか。

 

自動運転バレーパーキング、自動呼び寄せ機能で事故

無人で車が走る機能をテスラ社が実用化しました。正確には、駐車場などにおいて、所有者が待っている場所まで無人で車を呼び寄せることができる、いわゆる「呼び寄せ機能」です。

この機能は、テスラ・モデル3の車載ソフトウェアのバージョンアップの一環として有償で提供されたものです。この展開のしかたもIT企業のそれです。やや拙速に感じることの多いテスラ社の商業展開ですが、その結果はどうなのでしょうか。米国紙の記事をご紹介します。

 

●テスラ自動運転車の「呼び寄せ機能」で事故、ツイッターで相次ぎ報告

 

米電気自動車(EV)大手テスラが最近、テスラ車に実装し始めた話題の「呼び寄せ機能」が、うまく機能していないようだと、新機能が原因と思われる事故に遭ったユーザーたちが報告している。

テスラは9月26日に車載ソフトの新バージョン(10.0)の配信を開始。アップデート内容には、ネットフリックスやスポティファイ・プレミアムといったエンタメ機能の強化、評判のいいレストランや近くの観光名所を見つけるのに役立つナビゲーション機能なども含まれている。また5000ドルの完全自動運転オプションを購入済みのオーナーなら、GPSで車を自分がいるところに自動運転で愛車を呼び寄せる「スマート・サモン」モードが使える。

エンタメ機能は今のところ順調に機能しているようだが、この新たな自動運転機能はそうでもないらしい。9月28日と29日の週末、ツイッター上にはテスラを所有するドライバーたちによる投稿が相次いだ。このスマート・サモン機能を使ったことで車が破損したという報告や、複雑な保険申請手続きについてアドバイスを求める声、すぐ近くに停めてあるなら呼び出さずに歩いて車のところに行くようにという警告などだ。

★事故はドライバーの責任?
スマート・サモン機能を使った時の動画をツイッターに投稿したデービッド・グアハルドによると、彼の所有するモデル3は駐車スペースから出てくるところまでは順調だったが、ほぼ同時に駐車場の向かい側の列から出てきた黒のレクサスの存在に気づかなかったようだ。その結果、2台の車は衝突し、真新しいモデル3のバンパーが凹んでしまった。

衝突事故の責任は誰にあるのか。ツイッターのユーザーたちの間で議論が起きている。

「誰の責任だと思う?」とグアハルドはツイッターに書き込み、保険申請の際に「この動画を見せるべきだろうか」と問いかけた。

これに対して@PolybiusChampは、「レクサスの破損については、あなたに責任がある。未完成の技術を使って実験をしていたのだから」と返答した。そうなのか?

ロディー・ハサンのモデル3も、駐車場から出るときに、道路を走ってきたSUVと危うく衝突しそうになった。

「@elonmusk(イーロン・マスク)、僕のスマート・サモンの実験は失敗だったよ」とハサンは投稿した。

ブレーク・ドッジ
引用元;ニューズウィーク日本版

 


これらの事故を報告した投稿メッセージや、動画もネット上で公開されています。実際に見てみましたが、まだまだ拙い機能だという印象です。歩行者も他車もいない広い敷地内でドライバーが立つところまで呼び寄せた様子を撮影したユーザーの動画では、およそ3〜4kmの速度でフラフラとハンドルを切りながら生垣をギリギリで避けるように進み、道路上の5cmほどの段差の前で急停止。1〜2kmの速度で再発進してようやくドライバーの元に車体を斜めにして停車、といった具合です。

テスラ社は、この機能を使うドライバーは「車の動作に責任を持ち、常に周囲を監視しなければならない」と説明しています。

従来の自動車メーカーであれば、このレベルでの機能をリリースすることはないでしょうし、こうしたソフトウェア・アップデートの形でのリリースの仕方もしないでしょう。PCやスマホなどとは違い、車載ソフトウェアの不具合は、即物損事故につながりますし、最悪は人命を奪うことになります。実際テスラ社は死亡事故を起こしています。人間の過失による事故死と、機械の設計ミスによる死亡は大きく意味合いが違うはずですが、テスラ社は米国の法律をうまく活用しているのでしょうか。また、このリリースの仕方からは、人命重視の哲学を感じ取ることは難しいものです。

トヨタをはじめとして、日本のメーカーにおいては拙速と言えるような展開は控え、ユーザーや自転車・歩行者にも寄り添った開発に徹して欲しいと思います。

事故を回避するための準備

無人で車が走る機能をテスラ社が実用化しました。正確には、駐車場などにおいて、所有者が待っている場所まで無人で車を呼び寄せることができる、いわゆる「呼び寄せ機能」です。スマート・サモンと呼ばれるこの機能。ホテルなどでスタッフが駐車と車庫出しを代行してくれる、バレーパーキングのサービスを無人化するような将来像に近づくイメージを持ったものと考えられるでしょう。

この機能は、テスラ・モデル3の車載ソフトウェアのバージョンアップの一環として有償で提供されたものです。この展開のしかたは、いかにもIT企業のそれです。やや拙速に感じることの多いテスラ社の商業展開ですが、その結果はどうなのでしょうか。米国紙の記事をご紹介します。

 

●テスラ自動運転車の「呼び寄せ機能」で事故、ツイッターで相次ぎ報告

 

米電気自動車(EV)大手テスラが最近、テスラ車に実装し始めた話題の「呼び寄せ機能」が、うまく機能していないようだと、新機能が原因と思われる事故に遭ったユーザーたちが報告している。

テスラは9月26日に車載ソフトの新バージョン(10.0)の配信を開始。アップデート内容には、ネットフリックスやスポティファイ・プレミアムといったエンタメ機能の強化、評判のいいレストランや近くの観光名所を見つけるのに役立つナビゲーション機能なども含まれている。また5000ドルの完全自動運転オプションを購入済みのオーナーなら、GPSで車を自分がいるところに自動運転で愛車を呼び寄せる「スマート・サモン」モードが使える。

エンタメ機能は今のところ順調に機能しているようだが、この新たな自動運転機能はそうでもないらしい。9月28日と29日の週末、ツイッター上にはテスラを所有するドライバーたちによる投稿が相次いだ。このスマート・サモン機能を使ったことで車が破損したという報告や、複雑な保険申請手続きについてアドバイスを求める声、すぐ近くに停めてあるなら呼び出さずに歩いて車のところに行くようにという警告などだ。

★事故はドライバーの責任?
スマート・サモン機能を使った時の動画をツイッターに投稿したデービッド・グアハルドによると、彼の所有するモデル3は駐車スペースから出てくるところまでは順調だったが、ほぼ同時に駐車場の向かい側の列から出てきた黒のレクサスの存在に気づかなかったようだ。その結果、2台の車は衝突し、真新しいモデル3のバンパーが凹んでしまった。

衝突事故の責任は誰にあるのか。ツイッターのユーザーたちの間で議論が起きている。

「誰の責任だと思う?」とグアハルドはツイッターに書き込み、保険申請の際に「この動画を見せるべきだろうか」と問いかけた。

これに対して@PolybiusChampは、「レクサスの破損については、あなたに責任がある。未完成の技術を使って実験をしていたのだから」と返答した。そうなのか?

ロディー・ハサンのモデル3も、駐車場から出るときに、道路を走ってきたSUVと危うく衝突しそうになった。

「@elonmusk(イーロン・マスク)、僕のスマート・サモンの実験は失敗だったよ」とハサンは投稿した。

ブレーク・ドッジ
引用元;ニューズウィーク日本版

 


これらの事故を報告した投稿メッセージや、動画もネット上で公開されています。実際に見てみましたが、まだまだ拙い機能だという印象です。歩行者も他の車もいない広い敷地内で、ドライバーが立つところまで呼び寄せた様子を撮影したユーザーの動画では、およそ3〜4kmの速度でフラフラとハンドルを切りながら生垣をギリギリで避けるように進み、道路上の5cmほどの段差の前で急停止。1〜2kmの速度で再発進してようやくドライバーの元に車体を斜めにして停車、といった具合です。

テスラ社は、この機能を使うドライバーは「車の動作に責任を持ち、常に周囲を監視しなければならない」と説明しています。

従来の自動車メーカーであれば、このレベルでの機能をリリースすることはないでしょうし、こうしたソフトウェア・アップデートの形でのリリースの仕方もしないでしょう。PCやスマホなどとは違い、車載ソフトウェアの不具合は、即物損事故につながりますし、最悪は人身事故で人命を奪うことになります。実際テスラ社は死亡事故を起こしています。人間の過失による事故死と、機械の設計ミスによる死亡は大きく意味合いが違うはずですが、これを認識してあえてそうしているのかどうか。テスラ社は米国の法律をうまく活用しているのでしょうか。また、このリリースの仕方からは、人命重視の哲学を感じ取ることは難しいものです。

トヨタをはじめとして、日本のメーカーにおいては拙速と言えるような展開は控え、ユーザーや自転車・歩行者にも寄り添った開発に徹して欲しいと思います。

自動運転車の事故

自動運転関連の技術は各社が現在開発に注力しているところです。レベル1〜3の自動運転技術を搭載した市販車は既に公道を走っています。そして、自動運転車による事故も年を追って発生しています。ここでは、主なものだけ引用します。


米国での重大事故例

 

2016年9月米カリフォルニア州、グーグル、路肩の砂袋を障害物として検知していったん停止、進路を変更し発進したところバスと衝突した。双方とも低速のため負傷者なし。

2016年5月米フロリダ州、テスラ、部分自動運転中。信号のない交差点で白いトレーラーを認識できず衝突。速度が出たまま衝突と思われドライバー死亡。

2018年3月米アリゾナ州、ウーバー、自動運転中。夜間に自転車を押し歩きで道路を横断していた歩行者を認識できず時速60km程度で衝突し歩行者死亡。搭乗中の添乗員は無傷。

2018年3月米カリフォルニア州、テスラ、部分的な自動運転中。高速道路の分離帯に直接衝突。ドライバー死亡。直前にシステムから人間制御を要求したが従わず。

 

 

上記はすべて、自動運転のテストで先行するアメリカでの事例ですが、日本でもすでに事故は発生しています。

自動運転車の事故の特徴は、もし人間のドライバーが運転していたならば、起きなかったタイプのものが多いということです。上記に挙げた事例でも、もし人間が運転していれば何事もなく走行を続けていたでしょうし、運転席(※)に乗っていた人が前方を注視してハンドルやペダルを操作していれば防げたに違いない類のものです。しかし、自動運転ということで運転を放棄(もしくはテスト走行のための事務処理)していたがために発生してしまった事故ばかりです。

※運転席のない完全自動運転車も開発を検討されています

こうした事故は、自動運転車の開発を遅らせます。なぜなら新たな危険を生んでいるとしか見えない車に対しては、保守的な人ほど怖さを感じるからです。自動運転などに頼らず、人間が運転すればいいだけなのですから。

人間がクリアできる状況は、すべてクリアできる。これが自動運転車が自動運転車として存在するために課せられた最低限の機能ではないでしょうか?期待されているのは、この最低限のラインから一歩進んで、人間では回避できない危険を自動で回避してくれる水準です。多くの自動車メーカーは、2020年〜2025年を目処に完全な自動運転を実現すると強弁していますが、事故の事例およびその種類を見ると、期待する水準に達するには、あまりに遠い道のりであるようです。

アクセルとブレーキの踏み間違い‭事故など、高齢者の運転による重大事故が社会問題になっています。高齢者の運転が危険になりがちな理由は、主に3つの要素が関係していると考えられます。まず、下記のニュース記事をご紹介します。


高齢ドライバー調査で驚きの実態判明「危険を危険と分かっていない」人が多数

 高齢ドライバーによる交通事故の多発を受けて、東京都は緊急対策として「東京都高齢者安全運転支援装置設置促進事業補助金」制度を開始した。

 都内在住の70歳以上の運転免許保有者が対象で、取扱事業者(自動車メーカー・カー用品店)の特定店舗で、ペダル踏み間違いによる急加速を抑制する装置を1割負担で購入・設置できる(1台につき10万円まで)。

 7月31日から開始された同制度について、選挙調査を行う株式会社グリーン・シップが、認知度の自主調査を行った(調査日8月6日。都内在住で70歳以上の自動車保有者。およびその世帯を対象。男女計758人)。

 同社の田中明子社長は「非常に良い制度で、どんどん利用していただきたいが、本当に浸透しているのか調査してみた」と話す。制度に対する認知度は全体の62・9%が「知っている」と答えた。制度の対象となる70代以上も6割以上が認知していた。逆に40代以下では6割以上が認知していなかった。
「運転中に(ブレーキとアクセルを)踏み間違えてヒヤリとした経験があるか」という設問に「ある」と回答したのは、40代以下で33・3%。70代で8・1%。80歳以上は13・5%だった。

 田中社長は「若い人ほど危険を素直に危険と認識していて、高齢者は危険を危険だと実感していないという結果だと思います」と指摘する。車に最初から自動ブレーキ機能が付いていたのは17・2%。補助金を利用して付けたのは2・5%。補助金を利用せずに付けたのは2・6%。何も付いていないのが残りの77・7%という結果だった。

 調査日が制度開始1週間後だからかもしれないが「何もついていない」と回答した人に「補助金の利用意向」を聞くと、70代は57・2%。80歳以上は45・1%がその意向があるという結果だった。

「認知度はまずまずだが、対策をしようという高齢者は少ない」との課題が見えた。

引用元;東スポWeb 2019年8月28日

自分の運転を危険だと感じないとするのは、認知の歪みが関わっている可能性がああります。なぜなら、次に指摘する通り、高齢になると身体的な機能の衰えが誰でも発生するため、危険性は多かれ少なかれ高まってしまいます。それを正しく認識できないのは、認知機能の片寄りの現れだと考えられます。

高齢になると、よく考えられる認知・判断の誤りから運転ミスをするだけではありません。その他にも重大な2つの要素があります。1つ目は、目の機能の衰えです。これは視力の問題だけではありません。動体視力や瞬間視、有効視野などの、いわゆる目ヂカラが衰えてきます。こうなると運転に徐々に支障をきたし、判断ミスを起こしやすくなります。最終的には重大事故へとつながりかねません。ところが、免許の更新では視力とせいぜい深視力しか問題にされません。2つ目は、目と身体の挙応動作の衰えです。目から入力された視覚情報を元に体を動かす訳ですが、これが協調しにくくなってくるわけです。さらに、運動能力事態も低下している訳ですから、余計に運転は厳しくなります。

老化に抗うことはできませんが、トレーニングによって状態を保つことはできます。当サイトでも運転と目の環形について、ご紹介していきます。

テスラ社の自動運転車で初の「交通事故」

自動運転中の車が日本でも事故を起こしました。アメリカではUBERによる自動運転の実証実験中に自転車を押す女性を轢いたという死亡事故がセンセーショナルに報道されました。しかし、日本でもすでに死亡事故を起こしていたことが分かりました。報道は驚くほど少なかったのが不思議ですが、事故の詳細を見るとテスラ車の自動運転システムに問題があったと言わざるを得ません。この自動運転システムは「レベル2」相当であり、運転者に責任があるというのが第一義的な見方ではありますが、「運転は車に任せておけば問題ない」という印象を与える売り文句で車両を販売していた以上、メーカーも一定の責任を逃れられないでしょう。

 

●テスラ社の自動運転車で初の「交通事故」 夫を奪われた妻の悲痛な叫び

男性が神奈川県警から受けた説明によれば、まず、道路上にいた彼らに向かって車両が加速して近づき、停車中のバイクを撥ね飛ばした。宙を舞ったバイクは櫻井さんたちにぶつかる。衝撃で路上に転倒した櫻井さんの頭部を、この車両が轢(ひ)き、そのままキャラバンに追突したのだ。

●夫の事故を知ったとき

事故を引き起こしたことで現行犯逮捕され、まもなく横浜地検が「過失運転致死傷罪」で起訴したのは、伊藤展慶被告(49)。彼が運転していたのは、米電気自動車大手・テスラ社の「モデルX」だった。

事故当時仕事中だった、櫻井さんの妻は、義母からの連絡で夫の事故を知った。

「“落ち着いて聞いてちょうだい”と前置きされてから、夫が事故で亡くなったと聞かされました。気が動転した私は、高校2年生の娘に電話をかけて“すぐお父さんの実家に来なさい”とだけ伝えるのが精いっぱい。ただ、実家で事実を知った娘は泣き崩れてしまい……。過呼吸を起こして椅子に座ることもできなかった。思春期に入ってからも娘は夫と仲が良く、夫のバイクの後部座席に乗って出かけることもしばしば。初めて渋谷の109に行った時も夫が同伴していました。それだけにショックも大きく、事故から数日は何も口にできない状態でした」

事故当日の深夜、櫻井さんの妻は神奈川県警の厚木分駐所を訪れている。

「そこで夫と対面しました。体つきですぐに彼だと分かりましたよ。でも、頭蓋骨が砕けて、顔は原形をとどめていませんでした」

突然の事故で大黒柱を失い、女手ひとつで失意の底にある高校生の娘を育てることとなった母親の心中は察するに余りある。

遺族側は民事訴訟も辞さない覚悟だが、事故からまもなく始まった刑事裁判で彼らを待ち受けていたのは、あまりにも予想外の展開だった。

被告人側は、事故の原因が「自動運転自動車」の「暴走」にあると断じ、「無罪」を主張したのである。

●「居眠り」はしていたが…

ご存知の通り、世界中の自動車メーカーやグーグルをはじめとするIT企業は目下、自動運転技術の開発にしのぎを削っている。なかでも、「鉄腕アトム」のようなSF作品に親しんできた日本人が、夢の次世代技術に期待の眼差しを向けるのは自然なことかもしれない。

また、今年4月に東京・東池袋の路上で87歳の男性が運転する車が暴走し、多数の死傷者を出すなど、高齢ドライバーによる痛ましい事故も後を絶たない。こうした悲劇をなくす意味でも、自動運転車の早期導入を望む声は高まるばかりだ。

しかし、冒頭の事故を巡る裁判では、そんな夢の「自動運転車」が、「暴走」の果てに人命を奪ったのではないか、という点が争われているのだ。

問題となった「モデルX」はアメリカの著名な実業家、イーロン・マスク氏が立ち上げたテスラ社製の車で、日本では2016年から販売が開始された。

自動運転の段階としては掲載表における「レベル2」に該当する。ちなみに、レベル3以上は現在、日本の公道では走行が許されていない。

テスラ社のHPではモデルXを〈史上最高の安全性と性能を持ち〉、〈ほとんどの状況下で作動する将来の完全自動運転に対応するハードウェアが搭載されています〉と紹介している。

今回、事故を起こした車両は、自動緊急ブレーキや、正面衝突警告システムに加え、「トラフィックアウェアクルーズコントロール」なる機能が作動する設定となっていた。これは、前方の車両と一定の車間距離を保ち、自動で追従走行する機能を指す。

櫻井さんの遺族によれば、被告人側の主張は概ね次のようなものだった。

・事故当時、被告人が居眠りをしていたことは認める。

・しかし、事故を起こす直前までは、居眠り運転でありながらクルーズコントロール機能によって安全に運転されていた。

・ただ、事故の2秒前にこの機能が故障。前方の障害物を認識しないまま加速する「暴走」状態に陥った。

・自動ブレーキも警告システムも全く作動せず、事故に至っている。

・被告人はアクセルもブレーキも踏んでいない。システムの故障が原因なので、被告人が起きていたとしても事故は回避できなかった。

――したがって、「被告人は無罪」というわけである。

事故の直前に、テスラ車の前を行く車両が車線を変更しており、その際、前方の人影を感知できなかったテスラ車が、自動的に車間距離を詰めようとして加速した可能性もある。さらに、被告人は事故の衝撃で目を覚ましている。つまり、事故当時のモデルXは、図らずも完全に人の手を離れた「自動運転」状態にあり、コンピューターシステムの「暴走」が事故に繋がったこと自体は否定しづらい。

引用元;デイリー新潮 7/22(月)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190722-00572515-shincho-soci&p=2

 


記事にもある通り、現在の自動運転システムは他車との意思疎通を苦手としています。前走車が突然車線変更して、その先が渋滞などで車が停車していれば、追突してしまう可能性があるのです。これはテスラ車に限らず、高度なACCや自動ブレーキを備えるどの車種にも共通しています。前走車の車線変更だけでなく、割り込みへの対応や、事故・工事などでの車線規制による車線変更も自動的にはできません。この課題は将来に渡っても大きな問題となるでしょう。まして、バイクや自転車が縦横無尽に走行する都市部や、歩行者が渋滞中の車を縫って横断するような場所では、自動運転することは絶望的と言えます。

このように、場所を選ぶような自動運転車は、本来的な意味での自動運転車、つまりレベル4相当の運転者を必要としない自律自動運転のコンセプトからは程遠いものです。場所や場面を選ばず、自律自動運転が実現する見込みは全く立っておらず、運転席を無くすような完全なシステムは将来に渡っても不可能であるとみられています。このような状況であるにも関わらず、売り文句としての「自動運転」というイメージを植え付けることは、今後の自動運転技術の開発の足かせとなるでしょう。なぜなら、本件のような不完全な自動運転車による事故は、今後も必ず散発するからです。仮に人間が起こす事故件数よりも(不完全であっても)自動運転車の方が事故件数が少なくなったとしましょう。それでも強い世論の反発が起こることは必至です。当サイトでも繰り返している通り、人間のドライバーの過失によって死亡する場合と、機械の何らかの不具合によって死亡する場合とでは意味合いが全く違うからです。これは、AIやロボットが人間に反逆するようなSF映画がヒットする背景にある、人間の本能的な心理が影響しているのでしょう。不完全な自動運転車、つまり開発・進化の途中における小さな事故が、いちいち社会的な反発を受ければ、自動運転車の開発速度は滞ります。不完全である、つまり人間が主体的に運転する必要がある、という現状をしっかりと運転者に通知し、人間と機械との間のインターフェースを直感的にしていく。そして、あくまで人間の運転が中心であるという思想のもと、扱いやすい操作系統を開発して、ドライバー教育を強化していくことが、遠回りのようでいて結局開発を円滑に進めることにつながるのではないでしょうか。

電車のATOと自動車の自動運転

2019年に横浜シーサイドラインで発生した逆走事故は、業界関係者にも衝撃を与えている模様です。現在、自動車に限らず、物流・輸送に関わるすべてのモビリティを自律化させようという動きが見られます。この背景には当然AIの発展があります。AIは今後進化することこそあれ、退化することは考えにくい。であれば、ドライバー・運転士不足にあえぐモビリティの現場では、自律走行を開発したほうが合理的である。これが現在の流れの根底にある考え方でしょう。

しかし、今回の事故はこうした流れに重い一石を投じるものとなりました。なぜなら、原因が衝撃的に単純なものだったからです。方向性の切り替え、人間の運転でいえばギアを間違えたという程度のものであり、AIが絡むような複雑なものでは全くなかったのです。車両側ATOの断線によるものなのか、電気系統の不具合なのか最終報告はまだ報道されていませんが、いずれにしろ無人運転で30年以上の無事故を続けてきた路線であっても、現実として単純な事故を起こし、しかもノーブレーキで車止めに突っ込み、怪我人を多数出してしまったのです。この事実は、あまりにも重いと言わざるを得ません。今回の事故と、今後の自動車の自動運転との関連を記したネット記事を下記に引用します。

 

シーサイドラインの逆走事故はATOの不具合によるものか 自動車の自動運転のへの警告にもなりうるのでは?

6月1日に発生した横浜シーサイドライン新杉田駅の事故には驚きました。私は一度も利用したことがなく、今年中に乗ってみようと思っていたのですが、起点の新杉田駅のみは磯子区、他は終点の金沢八景駅を含めて金沢区を通ります。1989年7月5日に開業(どうでもいいことですが、年を除いて私の誕生日に開業したこととなります)、1994年にATOによる自動運転が開始され、無事故が続いたそうです。しかし、大惨事となりました。

私は、ATOまたはATCの老朽化によるものだろうかとも思いました。しかし、違うようです。2日の20時5分付で毎日新聞社のサイトに掲載された「運行会社『逆走の想定なかった』 自動停止の仕組みなし シーサイドライン逆走」(https://mainichi.jp/articles/20190602/k00/00m/040/157000c)によると、出発直前のATOの交信記録には異常がなく、逆走の想定すらなかった、つまり、逆走した場合の自動停止装置がなかったといいます。そうなるとATOのシステム自体の問題とも考えられます。これは、他の新交通システムはもとより、自動車の自動運転についても緊急の検討を要請することにつながるでしょう。

一方、朝日新聞社のサイトに2日の20時56分付で掲載された「車両側のシステムに問題か 逆走したシーサイドライン」(https://digital.asahi.com/articles/ASM625K4ZM62UTIL00Z.html)という記事は「駅側が出発の合図を出した直後に逆走しており、合図を受ける車両側のシステムに問題があった可能性がある」としており、「全体の制御システムではなく、車両内のシステムで問題が起きたと考えるのが自然だ。車両側では方向転換をしたと認識する一方、動力装置にはその情報が伝わらず、前進するつもりで逆走した可能性がある。前進方向には安全対策が張り巡らされているが、こうした逆走は通常想定されていないため、保安装置も働かなかったとみられる」とする工学院大学の髙木亮教授のコメントを載せています。

ただ、まだ原因が究明されている訳ではありません。ATOというシステム、あるいは無人自動運転というシステムそのものについて再点検を行う必要があるでしょう。単純に車両側の問題とも言えないのではないかと思えるのです。

とくに、自動運転の問題は、それが有人運転か無人運転かを問わず、鉄道以上に自動車のほうこそ重大でしょう。ただでさえ、高齢者などによる逆走などの事故はMT車ではなく、AT車によるものが多いのです。アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えなどというものは、AT車だから起こしやすいのです。このようなことは、MT車を動かしたことがある人ならすぐにわかる経験的な知識に属します。MT車のほうが事故を起こしにくいとも言えるでしょう。何でも機械に頼ってしまうことは危険です。

そして、鉄道ということであれば、JR東海が建設しているリニア新幹線に、以上の話は妥当するでしょう。

★★★★★★★★★★

シーサイドラインのように、原則として無人運転の場合、遠隔監視が行われています(有人運転であってもCTCなどがありますが)。有人運転であれば、咄嗟の判断によるブレーキ操作も可能ですが、無人となると難しいかもしれません。数年前、私は名古屋市の藤が丘駅から豊田市の八草駅までの愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)に乗りましたが、この路線の場合は藤が丘駅〜はなみずき通駅の区間などで乗務員が車内にいます。また、新交通システムであっても西武山口線のようにATOを採用していない路線(ワンマン運転、ATS)もあります。私は山口線にも乗ったことがありますが、AGTであるのに車内信号がなく、運転士は線路脇にある信号機に従っています。こういう路線のほうが事故を起こしにくいと言えるかもしれません。

少し考えてみると、有人運転か無人運転かを問わず、ATOが採用されている鉄道路線は多くなっています。私が利用したことのある路線をあげてみても、次のようになります(東京メトロ日比谷線のように、一部の電車のみによって行われた試験運転を除きます。また、私が利用した時には未採用であった路線も入れています)。

通常は無人運転:ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線、東京都交通局日暮里・舎人ライナー、大阪市高速電気軌道南港ポートタウン線、神戸新交通ポートアイランド線、神戸新交通六甲アイランド線ライナー、愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)。

有人運転:札幌市営地下鉄全線(南北線、東西線および東豊線)、埼玉高速鉄道線、首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス、東京メトロ丸ノ内線・千代田線・有楽町線・副都心線・南北線、都営三田線、都営大江戸線、多摩都市モノレール、横浜市営地下鉄全線(ブルーライン、グリーンライン)、名古屋市営地下鉄東山線・桜通線、京都市営地下鉄東西線、大阪市高速電気軌道千日前線・長堀鶴見緑地線、神戸市営地下鉄全線(西神・山手線、海岸線)、北九州高速鉄道小倉線(北九州モノレール。但し、私が大分大学在職中に利用した時にはATOによる運転でしたが、現在はATOをやめてATCによる有人運転です)、福岡市営地下鉄全線(空港線、箱崎線および七隈線)。

こうしてあげてみると、無人運転については横浜シーサイドラインおよび舞浜リゾートラインディズニーリゾートライン(ケーブルカーのように、運転士は乗務せず、車掌のみが乗務するそうです。ディズニーランドに行ったことがないのでよくわかりません)を除く全ての路線を利用していますし、有人運転については仙台市営地下鉄以外の全路線を利用していました。

そればかりでなく、本務校の板橋校舎に向かうために都営三田線を利用しますし、東松山校舎などへ向かうために副都心線・有楽町線を利用します。非常勤の関係、都内の様々な所での資料収集などのために東京メトロ南北線や丸ノ内線、多摩都市モノレールも利用します。2004年から2012年まで集中講義を担当していたので福岡市営地下鉄箱崎線および七隈線を利用していました。思いの外、ATO採用路線をよく利用していた訳です。

そして、さらに少しばかり考えてみると、ここにあげた路線の全部とは言えなくとも、大部分の路線で、駅にホームドアが設置されています。言うまでもなく、ホームドアと電車の扉の位置を合わせるためです。また、私の知る限りでは千代田線、有楽町線(和光市駅〜小竹向原駅を除く)、神戸市営地下鉄西神・山手線を除けばワンマン運転が行われています。運転士の負担軽減のためのATOと言えるようです。

もっとも、ATOを採用する路線であっても、運転士の訓練は欠かせないようです。ハンドル訓練などと言いますが、運転士の技能低下を防ぐため、また緊急時に備えるために、行われています。

このことは、鉄道よりもはるかに安全性が低い自動車にこそ妥当する話ではないでしょうか。いくら操作が楽になるからといって、車庫入れを初めとして、自動車の運転技能を低下させることは許されないはずです。自動運転機能は補助手段である、というくらいの位置づけでなければ、道路上の交通安全を保てるとは思えません。
引用元;2019年06月03日 01時36分30秒 | 社会・経済
https://blog.goo.ne.jp/derkleineplatz8595/e/69d00694b3e63a73c55afdb7e218995c

 

 

今回の事故で、自動運転の世界がやってくるという夢は、かなり遠のいたと言えるでしょう。上記の記事からも分かるように、車が自律して動くのが主であり、それが故障したときに人間のドライバーがバックアップをする、という形はかなり無理があります。

そうではなく、あくまで人間のドライバーが主であり、運転操作を誤ったり、居眠り・飲酒・健康状態の急激な悪化といった場面で、車が自動的に安全な場所で停止するなどのバックアップ手段になるのが正しい方向性です。それであれば、法律面や保険、ドライバー教育も含めて、現在の環境そのままでテクノロジーを採用することができます。

しかし、残念ながら現在の開発の方向性はドライバー無しの自律運転にこだわっているメーカーが多いため、バックアップとしてのテクノロジーにはなり得ません。そもそも、テクノロジーが踏み間違い事故や、ふらつき運転を誘発している現状があります。

マツダなど、一部のメーカーでは人間中心のテクノロジーという思想を開発の中心に据えています。このシーサイドラインの事故が、正しい方向への開発が進む契機となることを願います。

 

他の記事へ【電動化による弊害について】

電動パーキングブレーキのリコール

電動パーキングブレーキ(EPB)に関する不具合で、リコールが届け出られました。ホンダの売れ筋であるN-BOXですが、対象の車種は一部グレードである「スラッシュ」のみに電動パーキングブレーキが設定されているため、台数は限られている模様です。

 

ホンダは6月20日、軽乗用車『N-BOXスラッシュ』の電動パーキングブレーキに不具合があるとして、国土交通省にリコールを届け出た。対象となるのは2014年12月8日〜2018年12月14日に製造された4万3419台。

 

今回、電動パーキングブレーキアクチュエータ内部ギヤ潤滑用のグリス塗布量およびグリス溜まり部容積の設定が不適切であったことが判明。上り坂での走行や停車を繰り返すと、溜まり部に溜まったグリスのオイル成分がモータ内部に侵入し、モータ内の摩耗粉と混ざり、導電性のある異物が生成されることがある。そのため、そのままの状態で使用すると、異物がモータターミナルに付着し、モータ回路がショート。警告灯が点灯するとともに駐車ブレーキが作動しなくなる、または、解除できなくなるおそれがある。

改善措置として、全車両、左右電動パーキングブレーキアクチュエータを対策品と交換する。

不具合は50件発生、事故は起きていない。市場からの情報によりリコールを届け出た。

2019年6月20日(木)17時21分
https://response.jp/article/2019/06/20/323656.html

 


この現象は、グリスの移動によって発生するということで、旧来の手動パーキングブレーキでもそれ自体は発生する可能性はあります。しかし、手動であれば、パーキングブレーキを作動させること自体は手動で可能でしょう。この事例では、電動モーターで動作させる仕組みであるため、モーターが動作しなくなり、結果としてパーキングブレーキが機能しなくなるというものだそうです。

電動パーキングブレーキは力もいらず便利ではありますが、電装系というのは結露や断線(ショート)などによって動作しなくなる場合があります。パーキングブレーキのように、運転操作にとって重要な要素に関して、機械的な仕組みも並存させる必要があるのではないでしょうか。

AT車の踏み間違いでも見られることですが、電動化することで利便性は上がったものの、ミスや故障などの緊急時に機械的なバックアップが設けられていないことに、設計思想の問題点が現れています。例えばMT車であれば、機械的なクラッチペダルがあり、電気供給が切れようがエンジンが暴走しようが、ペダルを踏めば動力を即座に遮断できます。利便性とコストカットを追求するあまり、安全性への配慮がおろそかになっていないでしょうか。

 

 

関連記事へ【電動化による弊害について】

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