車生活
今回はいつになく活気に欠けているように思いました。
従来は東西3ホールに加えて、アリーナや外のスペースにも展示されていて、歩き回るだけで大変だったのですが、今回はさっと見回れば半日でも全て見られそうなスペースです。海外メーカーは3社だけでしたし、二輪メーカーも少なかったのが残念です。
国内自動車メーカー各社が前面に打ち出していたのは、エコ技術です。プラグインハイブリッド(電気でも走れるハイブリッドカー)や、充電のみで走行できるEV(電気自動車)、水素で走れるハイドロゲン・カーもありました。写真のように充電スタンドのモデルも立っていました。果たして街中にこれが林立することになるのでしょうか。
人の少なさと、エコ技術が目立った今回のモーターショーですが、私は少し危機感を覚えてしまいました。先に行われたフランクフルトモータショーも、上海モーターショーも、そこそこ盛況であったと聞きます。確かに今回の東京モーターショーは、不景気の影響がかなりあるため、メーカーの参加が集まらず、結果、人が少なく感じるのでしょう。でも、自動車メーカーの姿勢にも人の少なさの原因があるように感じて仕方がなかったのです。
日本の技術は世界に誇れるものですし、国としても減税や補助金でエコを奨励しています。確かに新しい技術は出てきていますが、見ていてもあまり楽しさがない。効率性とか安さ、「エコしてますよ」という優等生のような感覚ばかり演出しているようで、思わず引き付けられるような展示は少ないように思いました。
パンフレットを見ると、こんな生活になりますよ、というアピール。家で充電してお買い物、映画を見たとはその場で充電、100円で100kmも走りますよ、といった具合です。確かに便利だなとか、助かるなとは思うのですが、憧れとかカッコ良さは抱きません。もう少し、憧れを抱かせるような「趣味性」「オシャレ感、カッコ良さ」「走りの楽しさ」があっても良いのではないでしょうか。以前TVで小中高校生の間では、車に憧れを抱かなくなっているという調査を見ました。車が実用一辺倒のものになってしまえば、ただ安ければそれで良いという移動の道具になってしまいます。自動車メーカーが実用性を売りにしている限り、若者の車離れは止まらないのではないでしょうか。
そんな中、今回のモーターショーでひときわ人だかりでき、大人も子供も釘付けになっているスペースが2つありました。ひとつは、トヨタブース内の「FT86コンセプト」。昔流行ったAE86レビン・トレノの後継車という位置づけで、軽量なFRスポーツカーとして今後発売される車です。頭文字Dという、中高生に人気の漫画でも主人公がAE86に乗っている設定ということもあって、AE86は若者にも知られた存在のようです。その現代版の後継者ということで、注目されています。もうひとつは、玩具メーカーのトミカのブースです。展示はミニカーで、各メーカーごとに小さなブースを作って展示したり、実際にミニカーを走らせるコースを設けたりして、大盛況です。オリジナルのミニカーをオーダーメードで作れるというものをやっていて、子供たちに混じって大人もミニカーに釘付けでした。このように車は本来、趣味性があって楽しいものです。商用車は確かに実用重視で仕方ありませんが、乗用車は趣味性を失わないようにして欲しいと思います。
ヨーロッパのメーカーは、歴史が長いだけあって、そのことを良く理解しています。所有する喜び、走らせる喜びを満足させるような車をショーモデルとして持ってきています。「将来は楽しい車を出しますよ」という自動車メーカーからの宣言です。日本のメーカーも国内販売が不振で、頼みのアメリカでも販売台数が減ってきているとあって元気がありませんが、マンガなどのサブカルチャーやブームをうまく利用して、夢のある車を作り続けられるよう期待したいと思います。
・家庭の太陽電池で発電したものを利用して走行するというアイデアです。これなら火力発電や原子力発電に頼りませんし、送電コストも掛かりません。自宅での発電自給率がもし100%になれば、間接的な「ソーラーカー」になりますね!
・元祖エコカーのプリウスは、プラグインハイブリッドを展示していました。
・かなり会場が縮小してしまったにも関らず、空きスペースが目立つ状況でした。子供たちが描いた車の絵を展示している一角が、異常に広く感じられました。逆に空きスペースをうまく活用していたのが、カーオブザイヤーの歴史コーナーです。歴代のカーオブザイヤーを受賞した車が展示されていました。街中で普通に見かける車が展示されているのも珍しい光景でした。
・ミッションの仕組みが分かる模型が展示されていました。マニュアル車に乗っている方は、自分の車のギアが「こうやって動いているんだ」ということが分かる機会です。
・人気があった「FT86」のブース。よく見ると3ペダルで、クラッチペダルが見えます。MT車を応援するShift-UP Clubとしては、新世代のMT車を歓迎します!
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