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このページは『MT仕様が増える新車市場とその理由』の紹介をしています。

AT、DCT、CVTにないMTの魅力


▼対象
MT車

MT仕様が増える新車市場とその理由

MT仕様が増える新車市場とその理由

MT車は続々と増加しています。各自動車メーカーがこぞって新型車にMT車を設定しているのです。特に目立つのは、記事にあるようにトヨタ、マツダ、スズキです。他のメーカーが、一部のスポーツカーだけにMTを設定しているのに比べて、これらのメーカーは大衆的な車にもMTを設定しているのが特徴です。少し長い記事ですが、すべて引用してご紹介します。

 

MT車は廃止方向なの!? 減少でもマツダ・スズキに多数設定 トヨタは採用増のワケ

 

MT車減少といわれるものの、いまでもMT車を多く設定するワケとは

新車販売において減少傾向にあるMT車ですが、マツダとスズキでは現在でも比較的多くのMT車をラインナップしています。その背景にはどんな想いがあるのでしょうか。

MT仕様が設定されているコンパクトSUVの「C-HR」。最近のトヨタでは、iMT(インテリジェントMT)と名付けられた機構が採用されている。

クルマのトランスミッションには、大きく分けてマニュアルトランスミッション(MT)とオートマチックトランスミッション(AT)があります。

近年では無段階変速機であるCVTや、ダブルクラッチトランスミッション(DCT)なども増えており、機構的にはそれぞれ異なった特徴がありますが、ドライバー視点でいえば、AT限定免許で運転できるかできないかの2種類しかありません。

ATのほうが後に開発されたということもあって、MTがクルマの基本だという意見も少なくありませんが、日本自動車販売協会連合会(自販連)の統計によると、日本の乗用車販売(軽自動車と輸入車を除く)におけるトランスミッションの構成比は、2016年の時点で98.4%がAT車となっているなど、AT車がMT車を圧倒しているというのが現状です。

こうした現状もあり、新車でMT仕様が設定されているモデルは少なくなりました。例えば、スバルでは、2018年のフルモデルチェンジで「フォレスター」からMT仕様がなくなったことで、MT仕様を持つ現行モデルが「BRZ」のみとなりました。

そのBRZも現行モデルの販売が終了しているため、「サンバー」などのOEM車を除くとスバルが自社開発したMT車を購入できない状態になっています。

日産やホンダについても、一部スポーツモデルや商用車を除いて、MT仕様を選べるモデルはほとんどありません。

トヨタでは「ヤリス」や「カローラシリーズ」、「C-HR」にMT仕様を設定していますが、それでもラインナップ全体から見るとごく一部のモデルに限定されているといえます。

そんななか、マツダとスズキは、乗用車のほとんどにMT仕様を積極的に残しています。例えばマツダの場合、SUVの「CX-3」「CX-30」「CX-5」、セダンやハッチバックの「マツダ2」「マツダ3」「マツダ6」、スポーツカーの「ロードスター」などと、OEM提供を受けるモデルを除くほぼすべてのモデルでMT仕様を設定しています。

スズキでも、「ジムニー/ジムニーシエラ」、「スイフト/スイフトスポーツ」、「アルト/アルトワークス」、「ワゴンR」など、主力モデルのほとんどでMT仕様を設定。

MT車を積極的に採用する理由として、マツダもスズキも「お客様のニーズに合わせた」と説明します。

マツダは「マツダでは『走る歓び』を大切にしています。走りが好きな人の多くに、MT車を好む方の割合が高いことから、そうしたニーズに対応するため、グローバルで展開するモデルには基本的に設定しています」と話します。

実際に、マツダでは「Be a driver.」をタグライン(企業の想いやメッセージを表したもの)として、ブランドの訴求を図ってきました。

ロードスターのようなスポーツカーはもちろん、それ以外のモデルでも「走る歓び」を表現する手段として、MT仕様を設定しているのでしょう。

一方のスズキも、「スイフトスポーツ」のようなスポーツモデルではMTを選択するユーザーの割合が高いようです。

マツダと異なる点は、スズキの場合、廉価モデルとしてMTを選択するユーザーが一定数いることでしょう。

あるいは、高齢者などでMTしか運転する機会がなかったユーザーも顧客として抱えていることも、MT仕様を残している理由といえます。

スズキでは「地方の生活の足」として機能することを最優先としていることから、操る喜びというよりも、「MTでなくてはならない」ユーザーへのニーズを満たすことを企業の責任と捉えているのだと思われます。


MTを残す理由は「操る歓びを感じてほしい」だけじゃない?

カローラにMTが設定されたことについて、開発者は「『自分でクルマを操る』というところを感じていただきたいと考え、その思いを伝えたかったので、MT仕様を残した」と話しています。

このように、MT車の最大のメリットとして、「操る歓び」が強調されることが少なくありません。

MTでは自分で操っている感覚を楽しむ人も多い

さらには、このAT全盛の時代において、あえてMT車を設定することは、スポーツカー文化を継承することであるとして、美談としてとらえられることもあります。

もちろん、カローラの開発者がいうような面もあることでしょう。しかし、そういったごく少数のマニアのためだけにMT仕様を設定しているのでしょうか。

とくに、最近では販売するラインナップの「選択と集中」が進んでおり、合理的にラインナップを整理する傾向が高まっています。

そのため、一部のマニアに向けてMT車を設定している余裕はないようにも思えます。MT車を設定するビジネス上のメリットはほかにもあるのでしょうか。

自動車業界の関係者は次のように話します。

「実は日本は世界的に見てAT比率が高い国といえます。そのため、日本国内にだけ向けてMT車を設定していてはとてもビジネスになりません。

一方、マツダが主戦場としている欧州では、いまだに新車販売の半数以上がMT車といわれています。

そのため、欧州でクルマを販売するためにはMT車を設定する必要がありますが、製造業の大原則として、生産量が多ければ多いほど1台あたりのコストを下げられることから、日本向けのMTと合わせて生産しているといえます。

日本専売モデルとしてスタートしたCX-8にはMTが設定されていないことから見ても、マツダのMT仕様が欧州をメインとしていることは明らかです。

スズキについても、モデルにもよりますが、海外でも展開しているモデルは、マツダと同様の事情と思われます。

ハスラーなどの国内向けモデルにMT仕様がある理由は、数少ない需要を総取りするためでしょう。

反対に、北米はAT優勢の市場となっているため、スバルのように北米と日本を主戦場としているメーカーでは、一部の『インプレッサ』や『クロストレック(日本名XV)』などにMTを採用しているものの、ATが優先されています。。

また、とくに日本では『アイサイト』の需要が高く、現時点ではアイサイトとMTが共存できないことから、MT仕様が撤廃されたといわれています」

※ ※ ※

マツダやスズキがMT車を設定し続ける背景には、海外、特に欧州市場での販売比率の高さが影響しているようです。

しかし、今後自動車の電動化が進めば進むほど欧州でもMTは減少していくことが予想されます。

スーパーカーや欧州のスポーツカーでは、2ペダルを採用するモデルも続々と登場しているほか、スポーツカー自体の電動化も進んでいます。

そうしたときに、各メーカーがどのようにして「操る歓び」をアピールしてくるのか、注目です。
引用元;くるまのニュース

 


記事の考察では、MT車増加について、メーカーのスポーツイメージの維持、そして海外市場の需要という2点を主な理由として挙げています。確かに、世界全体を見渡した場合、日本や米国と違って、大半の国のマジョリティはMT車です。これは当面変わることはないでしょう。EV(電気自動車)が普及するからトランスミッションそのものが無くなる、という向きもありますが、こうした流れはごく一部の国に限られるはずです。なぜなら電動化の肝である電気を、安定供給できる国は世界の中でほんの一部の国に限られるからです。むしろ人口を多く抱える地域での移動手段は、今後も保存性が高く便利なガソリンや軽油を燃料とする内燃機関が使われ続けます。そして、そんな中でMTというトランスミッションは合理的な理由があるのです。いわゆる「安い」「軽い」「壊れにくい」という部分は、過酷な環境の国でこそそのメリットが発揮されます。2ペダル車のメリットである「操作がラク」という点を、MT車の上記の3点が大きく上回る訳です。

冒頭に挙げた、トヨタ、マツダ、スズキといったメーカーは、日本や米国一辺倒の販路ではなく、世界全体を見据えています。このため、MT車の車種が増えるのは必然と言えます。また上記の「安い」「軽い」「壊れにくい」というMTのメリットは、今後もジリジリとそのアドバンテージを推し進めていくことでしょう。エコという観点で見た場合に、ロスが最も少なく、修理コストが安く、耐久性の高い、さらに高燃費(カタログ燃費ではなく実燃費)というメリットが、時代の沿うものだからです。唯一、2ペダル車に譲る点の「習得のしやすさ」については、いまや教習所のみに頼らず、SNS世代の情報共有によってカバーできるはずです。いまだに最良のトランスミッションであるMTを、見直すべき時がきているように思います。

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