草加市で乗用車が歩行者をはねてそのまま歯科医院に突っ込む事故が発生しました。報道には原因が明かされていませんが、AT車によるアクセルとブレーキの踏み間違い事故だとみられます。

車体にはねた歩行者乗せたまま突っ込む 71歳が運転

 はねた歩行者をボンネットに乗せた状態で突っ込んだということだ。

 車の前半分が建物内に突っ込み、ガラスが散乱した歯科医院。29日午後1時ごろ、埼玉県草加市で1台の車が歯科医院に突っ込んだ。事故直後の現場を撮影した目撃者は…。

 事故直後を撮影した人:「(周囲の人が負傷者に)一生懸命、声を掛けたり、救急車が到着すると『こっちだよ』と誘導したり」

 警察は、車が向かいの商業施設の駐車場から出る時に何んらかの原因で道路を横断して横切り、歯科医院に突っ込んだとみている。

 事故直後を撮影した人:「2人ほど救急車で運ばれるのを見たが、運転手かどうか分からないが、1人は高齢者だった」

 警察によると、運転していたのは71歳の男性。事故を起こした車は歩行者をはね、そのまま歩行者をボンネットの上に乗せたまま歯科医院に突っ込んだという。事故直後に居合わせた女性は…。

 事故直後に居合わせた女性:「(ここに来た時は車が)突っ込んですぐでした」「(Q.その時はどこにいた?)私はここへ…なので1分か2分ずれていたら私、巻き添えになってた」

 警察によると、この事故で運転していた71歳の男性がけがをしたが、命に別状はないという。また、はねられた30代の女性は命に別状はないが、けがの程度は不明だという。歯科医院は昼休みで人はいなかった。警察は事故の詳しい原因を調べている。

引用元;テレ朝news

この事故では、はねた歩行者ボンネット上に乗せたまま歯科医院に突っ込んだということが分かっています。ここから推測できるのは、歩行者をはねた時点では低速だということ。もし既に暴走していたなら、歩行者は弾き飛ばされてしまったはずです。とすると、最初のミスとして歩行者に接触してしまった。ここで「リカバリーへの焦り」が発動。それによってブレーキをいっぱいに踏むというリカバリー動作をとっさに行いますが、ペダル種別を冷静に確認するには至りません。こうして、ボンネットに被害者を乗せたまま、スピードを上げて暴走し、歯科医院の建物で強制的に止まるまで走り続けた、という可能性が高いでしょう。

MT車であれば、リカバリーの焦りが発動しても、ブレーキと同時にクラッチを踏む習慣が実行されるため、大事には至らなかったでしょう。しかし、それ以前に誤って歩行者に接触してしまったり、ペダルの種別を確認できないといった認知能力からすると、MTをうまく操ることはできなかったものと思われます。この意味でも、認知機能・身体機能が低下した場合に、自覚して納得感を持って免許返納へと導くことができる「高齢者用MT専用免許」というのが有用だと考えられます。重大事故を起こすまで運転が上手だと勘違いさせてしまう「踏み間違い防止機能付きAT」よりも多くのメリットがあるのではないでしょうか。