防府市牟礼柳のセブンイレブンに乗用車が突っ込む事故が発生しました。
店内にいた2名の被害者が怪我を負うという事故で、加害者はアクセルとブレーキを踏み間違えたとしているそうです。
ニュース記事をご覧ください。
山口県防府市のコンビニで踏み間違い事故
31日午後2時40分ごろ、山口県防府市牟礼柳のコンビニ「セブン-イレブン防府牟礼店」に軽乗用車が突っ込み、
店内にいて衝突された女性客(58)が左の太ももを骨折する重傷を負った。女性店員(19)も脇腹を打撲。運転していた防府市の無職男性(70)にけがはなかった。防府署によると、男性は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と説明しており、同署は、店舗前に駐車しようとして運転を誤ったとみている。
車は前方からガラスドアを突き破って、車体全体が店内に入り、レジカウンターにぶつかって止まった。
引用元:http://www.sankei.com/west/news/160131/wst1601310088-n1.html
高齢の男性ドライバーが起こした踏み間違い事故ですが、コンビニ駐車場で発生した典型的なケースです。
AT車では、踏み間違いが起こると暴走してしまうという機械的な特性があるのはもちろんですが、踏み間違いを生む下地があるのでしょう。
踏み間違いは、当サイトで再三指摘している通り、認知の歪みによるものがほとんどです。そして、AT車の特徴である「イージードライブ」の負の面が露わになっている一例が、こうした踏み間違い事故です。
AT車を動かすこと自体は非常にカンタンで、誰にでも出来ます。ただペダルを踏み込むだけの操作ですから、発進するだけなら子供にも出来るでしょう。老若男女問わずだれでも運転できるこのユニバーサル性が、時として仇になります。
つまり、漫然運転を生む訳です。MTよりも操作が簡単なAT車では、左手・左足を使わないのはもちろん、エンストやシフトミスといった「失敗」が起こり得ません。このため、一見「余裕のあるAT車の方が、安全確認に集中できる」と思われがちです。ところが、人間の意識はそのように出来ていません。脳の機能としては、余裕が出るとむしろ「サボる」ようになることが分かっています。つまり、漫然運転へとつながるのです。
ミスが身近にあるMT車では、常に一定の意識レベルを運転に向けないとうまく走れませんので、必然的に安全確認の回数も高まります。
本件の事故が示唆するように、コンビニへは気軽に行くものです。人によっては部屋着やジャージでそのまま出かけるような意識の場所です。AT車であれば、まさに下駄替わりとしての、何の危険性も感じさせない気楽な気持ちでコンビニへと乗り付けるはずです。ここに落とし穴が潜んでるのです。