岐阜市で76歳の男性が病院を訪れた際に、アクセルとブレーキを踏み間違えて事故を起こしました。踏み間違い事故につきものである「リカバリーへの焦り」が発生した典型例です。

岐阜市で、軽乗用車が病院の壁に衝突したあと、住宅に突っ込みました。運転していた男性や住人にケガはありませんでした。

 17日午前11時過ぎ、岐阜市西野町の病院から「患者さんの車が病院の壁に衝突し、さらに民家に突っ込んだ」と警察に通報がありました。

 事故を起こしたのは岐阜市の無職の男性(76)で、治療のため病院の駐車場に軽乗用車をバックで止めようとした際に足がブレーキとアクセルの間に挟まれ、外壁に衝突しました。

 さらに、慌てて前進しようとしてアクセルを踏み過ぎ、道路反対側の住宅の入り口に突っ込んだということです。

 当時、家の住人は外出していて不在で、運転していた男性もケガはありませんでした。警察は事故の詳しい状況を調べています。


東海テレビ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190517-00022358-tokaiv-soci

この事故で通常のアクセル・ブレーキ踏み間違い事故と異なるのは、アクセルペダルとブレーキペダルの間に足が挟まったということです。通常であれば成人男性の足が挟まるようなスペースは、ペダルとペダルの間にはありませんが、どちらかのペダルをある程度踏んだ状態であったり、足が捻くれてしまった状態であれば、挟まってしまう可能性はあります。
このような時、MT車であればクラッチペダルを踏めばそれ以上の加速はしません。しかし、AT車であれば、普段は滅多に行わない「N」レンジに入れないと動力切断はできず、しかもNレンジに入ったかどうかは、メーター内の小さな表示を見ないといけません。つまり、事実上は、いざという時のペダル以外での動力切断ができないのがAT車なのです。

さらにこの事故では、バック時に病院の壁に接触してしまったことをきっかけに、さらなる事故を起こしています。これは当サイトで「リカバリーの焦り」と呼んでいる心理状態が元になっています。この時点でエンジンをオフにして、車から降りれば単独の事故で済んでいました。しかし、「リカバリーしなくては」という強い焦りが発生すると、誤った操作を「急」のつく動作で行ってしまいがちなのです。記事にも「慌てて前進しようとしてアクセルを踏み過ぎ」たと書かれています。多くの踏み間違い事故では、RレンジのつもりがDレンジ(またはその逆)という小さなミスがきっかけとなって「リカバリーへの焦り」が発生。これをきっかけにして、アクセルペダルを奥まで踏み込む「踏み間違い事故」へとつながっていきます。