典型例でも被害は甚大

北海道でアクセルとブレーキの踏み間違い事故が発生しました。
ちょうど衣料品店の店内を走り抜けるようにして暴走し、4人が軽傷を負ったようです。

 

車が突っ込み店内を15メートル走る 4人けが

8月1日 21時36分

1日午後、北海道室蘭市の商業施設で、乗用車がショーウインドーを突き破って店内を15メートル走り、買い物客など4人が軽いけがをしました。警察によりますと、運転していた女性は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話しているということで、警察が詳しいいきさつを調べています。

1日午後2時半ごろ、室蘭市中島本町の商業施設で、乗用車が衣料品店「アベイルモルエ中島店」のショーウインドーを破って店内に突っ込みました。車は店内を15メートル走り、衣料品やレジなどをめちゃめちゃに壊して止まりました。
警察によりますと、車を運転していた60代の女性が足などに痛みを訴えているほか、買い物をしていた30代から40代の女性3人が店の商品などに当たってけがをしましたが、いずれも軽傷だということです。
警察によりますと、運転手の女性は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」などと話しているということで、警察が詳しいいきさつを調べています。
現場は車の通行の多い国道に面した商業施設の一角で、一時、周囲は騒然としました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150801/k10010175351000.html

 

自動ブレーキも危うい

ニュースでは実際の現場の直後の映像が掲載されており、また店内には客が複数いたため、ネット上にもその状況が拡散されました。店内のレジや商品、什器などが粉々に散乱した様子の衝撃から、話題になった事故です。

ただ、事故の概要としては、店舗に駐車しようとして、アクセルとブレーキを踏み間違えたという、踏み間違い事故の典型例です。

実験でも明らかになっている通り、ドライバーは、意図したイメージとは違う動きを車が見せた場合、ごく単純な動作しかできません。この事故でも、おそらく止まらない車にパニックを起こしたドライバーは、そのまま足を硬直させるようにペダルを踏み続けたのだと思います。それがアクセルペダルだと気づかないまま、一生懸命、意識の中では止めようとしていたはずです。

この手の事故に対して最近の技術である「自動ブレーキ」が有効だと考えている方もいるようですが、おそらく万全ではないでしょう。

カメラやミリ波レーダーで前方を検知する訳ですが、店舗は前面がガラス張りとなっていることも多く、システムの信頼性には疑問が残ります。また、そもそもバックにはシステムがありませんので、バック走行での踏み間違いには無力でしょう。

やはり、AT車が現行のままである限りは、もっと抜本的な対策を取る必要があるように思います。