85歳の男性が運転するAT車が踏み間違い事故を引き起こしました。駐車場ではなく路上とのことで、被害者は歩行者3人だということです。

東京・品川区で、85歳の男性が運転する車が暴走し、歩行者3人が軽傷を負った。
23日午後7時前、品川区大崎の路上で、85歳の男性が運転する車が、およそ70メートルにわたり暴走して歩行者に接触し、男性3人が軽傷を負った。
運転していた男性は、「歩行者と接触し、びっくりしてアクセルとブレーキを踏み間違えた」と話している。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190424-00010004-houdoukvq-soci


運転していた男性は、「歩行者と接触し、びっくりしてアクセルとブレーキを踏み間違えた」と話している。

アクセルとブレーキの踏み間違い事故の特徴は、小さなミスをきっかけとして、「リカバリーへの焦り」が発生し、より大きな暴走事故を引き起こすというものです。そして、最初のきっかけとなる小さなミスは、ギアの入れ間違いが大半を占めます。つまり、前進ギアにしたつもりが、後進ギアだったというもの。もちろんその逆もあります。このため、駐車場で最も多く発生する訳です。

今回の事故の場合は、路上とのことで珍しく思えます。しかし、最初の小さな事象は「歩行者との接触」であり、ここでリカバリーへの焦りが発動。その結果、3人に怪我を負わせる暴走に発展しました。

リカバリーへの焦りは誰にでも起こることであり、ほとんどのケースで「その場にキッチリ停車しよう」という動作が焦りによって、いま足元にあるペダルをそのままギュッと踏むという動作になります。AT車の場合は、ブレーキペダルしか停車させる術がありませんので、アクセルと気づかずにそのまま踏み切ってしまえば、シフトアップしながらの大暴走へとつながります。一方でMT車であれば、ブレーキペダルを踏みながらクラッチペダルを踏み、人によってはギアをニュートラルにするでしょう。これらの動きは日常的なものです。確かにAT車にもニュートラルのギアポジションはあります。しかし、これは日常的な操作ではありませんので、焦りを伴う緊急時に操作することはまったく望めません。

このように、リカバリーへの焦りは誰にでも起こることですが、AT車はそうしたミスへの対応(フェイルセーフの設計)に劣っていると言えます。このため、こうしたAT車によるペダル踏み間違い事故が頻発する訳です。そして、バスやトラックなどの大型車にもAT化の波が来ていますので、これからさらに頻発して死傷者が多く出るようになることは確実です。

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