ディーラーの店舗に客の車が突っ込んだ模様です。警察によると原因はアクセルとブレーキの踏み間違い事故であるようです。

4日午後0時30分頃、大津市衣川の滋賀日産自動車堅田店に、京都市の無職女性(61)が運転する電気自動車(EV)が突っ込み、ショーウィンドー(高さ約5メートル)などを壊して停車した。けが人はいなかった。
 滋賀県警大津北署の発表によると、女性は店舗駐車場に前進してとめようとしたところ、店舗に突入したという。女性は「覚えていない」と説明しているが、同署は女性がアクセルを踏み間違えたとみて調べている。
 散乱したガラスを片付けていた男性店員(37)は「雷が落ちたかのような音が鳴り響き、何が起こったのかと驚いた」と話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200504-00050117-yom-soci

今回はアクセルとブレーキの踏み間違い事故の形態としては、ありふれたものです。AT車はよく店舗に突っ込んでしまいます。この事故で特徴的なのはEVであることです。よくプリウスミサイルなどと称されるように、プリウスが踏み間違い事故の槍玉にあげられがちですが、この事故と共通する点として、「音」が挙げられます。プリウスのようなHVも今回のEVも、モーター駆動車がエンジン音がありません。従来のエンジンの回転音に比べると、モーターの駆動音はかすかに聞こえる程度です。まして高齢者にとっては聞こえにくいはずです。さらに、エンジンのように、回転、つまり出力が高まると同時にエンジン音がうるさくなってくる、という変化もありません。つまり、暴走の危険性を直感的に感じることが難しいのがEVなのです。よく路地を歩いていて、ふと後ろを振り返ると目の前にプリウスが迫っていて驚いた、という経験を持つ方は多いはずです。この危険性の延長上にこの事故はあります。運転者にとっても、音がないことは危険なのです。EVレースの最高峰であるE1などでも、時速100kmを大幅に超えるコーナーでも、聞こえてくるのはタイヤの摩擦音ばかりです。人間の直感としては、危険なものほど、大きな音を出すものだ、というのがあります。バイクよりも車、車よりもダンプの方が直感的に危険だと感じる音が発せられます。ところが、モーター駆動になると、この直感に反する結果になります。いわばスナイパーのような危険性を持つ訳です。この特性は高齢ドライバーにとっては厳しいものであり、プリウスが踏み間違い事故を多発させている一因ではないかとみられます。