乗客の降車時に潜む危険
兵庫県で幼い命が奪われる事故が発生しました。
踏み間違いではなさそうですが、ややもすると誰にでも起きそうな事故です。下記に新聞から引用します。
母親運転の車にはねられ、1歳の長女が死亡 宝塚
産経新聞 4月14日 22時49分配信
14日午後4時50分ごろ、兵庫県宝塚市安倉中の市道交差点で、近くに住む保育士の女性(36)の乗用車が女性の長女(1)をはね、病院に搬送されたが長女は頭を強く打つなどして死亡した。兵庫県警宝塚署によると、車が駐車するため一時停止した際、後部座席に乗っていた女性の父(72)が長女を先に降ろそうとドアを開けたところ、長女が転落。その際、車がバックし、はねられた。
車にチャイルドシートは設置されていなかったという。
車はたった1キロの速度でも人を殺せるということ
複数のミスによって、母親が我が子を死なせてしまった痛ましい事故です。
おそらく、日常的に幼い子供を乗せて運転していたものと思われます。ベビーカーやたくさんの荷物など、まだ歩けない子供との外出は大変です。親の行動もかなり制限されます。そんなときに車があると、負担も和らぎ、移動の幅も広がって、とても助かることでしょう。
しかし忘れてはならないことがあります。
車は凶器だということ。
車の殺傷能力は、包丁の比ではありません。1トンや2トンといった人知を超えた重さの鉄の塊が、空から降ってくるほどの速さで移動するのです。この力は人ひとりで抗えるものではありません。たった1キロの速度で走る車すら人間の力では止められません。
たとえ車が可愛らしいデザインだとしても、自宅のリビングなみに落ち着くインテリアだとしても同じです。
人を乗り降りさせる際にギアとパーキングブレーキでロックさせなかったとしたら、それはキッチンのヘリに包丁をとりあえず置いておく行為と一緒です。車の周囲に人がいるという状態が一番危険な場面なのですから、子供への愛情を示すならば、より安全側へと振って、乗降時にはエンジンを切っておくべきでしょう。
知識が広まることによって、こういう痛ましい事故が無くなることを望みます。