福岡県でAT車による踏み間違い暴走事故が発生しました。病院の駐車場ゲートの精算機で発生した模様です。

79歳運転の車、病院に衝突 ブレーキとアクセル間違え
2日午前10時50分ごろ、「病院に車が突っ込んだ」と110番通報があった。
福岡県警によると、同県久留米市天神町の病院のドアに市内の無職女性(79)運転の乗用車が衝突した。ブレーキとアクセルを間違えたという。病院は休みで、女性にけがはなかった。
 久留米署によると、女性は入院中の家族の見舞いで病院を訪れた。駐車場の料金を機械に入れようとした際、小銭を落としたためドアを開けて拾おうとしたところで、車が動き出した。ブレーキを踏もうとしたがアクセルを踏み、病院のドアに突っ込んだという。(倉富竜太)

朝日新聞デジタル 2020年2月2日

駐車場の精算機での踏み間違い事故というのは、AT車においてしばしば発生します。これは、体を精算機側に伸ばすことによって、足を置く位置が変わってしまい、ブレーキペダルのつもりでアクセルペダルを踏んでしまう、というものです。精算機では、駐車券を紛失したり財布を探したり、このケースのように小銭を落としたりと、小さなイレギュラーが起こりがちです。そして、小さなイレギュラーやミスは、次の大きな事態へとつながっていきます。これが、当サイトで何度も触れている「リカバリーへの焦り」という心理です。この例では、小銭を落とす→拾おうとして足が離れ車が進み始める→リカバリーへの焦り→踏み間違い暴走事故とつながります。

まずは、リカバリーへの焦りという心理現象があることを知ること。そして、このようなことが起こりがちな精算機では、パーキングブレーキを引いてPレンジに入れるなど、手間だとしても安全策を必ず取ることが必要でしょう。