長崎市で、アクセルとブレーキの踏み間違いによる水路転落事故が発生しました。
高齢のドライバーと同乗者が、ともに救助されたということで最悪の自体は免れましたが、誰にでも起きうる事故として教訓になりうる事例です。

 

車が水路に転落 救助したのは修学旅行生

長崎市で、普通乗用車が水路に転落する事故があった。救助したのは、長野県から修学旅行で来ていた高校生だった。

9日午前11時20分頃、長崎市の長崎出島ワーフ付近で普通乗用車が水路に転落した。車は駐車場のバーを倒し、そのまま直進した後、歩道に乗り上げ、柵を倒して川に落ちたとみられる。

この事故で車を運転していた長崎市内に住む女性(75)が手に軽いケガをした。一緒に乗っていた女性(68)にケガはなかった。

救助した高校生は「最初(車から)人は出ていなかったが、自力で2人出てきたので、浮き輪を投げて降りていって引き寄せた」と話す。

運転していた女性は「急にスピードが出た」と話していて、警察はアクセルとブレーキを踏み間違えた可能性が高いとみて事故の詳しい原因を調べている。

長崎県内ではアクセルとブレーキの踏み間違えによる事故が今年58件発生し、このうち高齢者2人が犠牲となっている。

引用元:日テレNEWS24 2015年12月10日 19時16分

 

この事故は、典型的な「小さなミスから次の大きな事故」へとつながった事例です。
まず、車が駐車場を出るところから始まっています。駐車場のバーを倒したとありますので、おそらく通常の出方ではなく、バーを引っ掛けてしまうなどのミスがあったのものと思われます。

そして、そのミスをきっかけにして、「復帰への焦り」が発生したのでしょう。バーを倒してしまうという、いつもとは違う自体に焦り、「何とかしなければ」という気持ちとともにパニックに陥ります。

このように「復帰への焦り」が出てしまっているときは、復帰するための動作を急いではいけません。なぜなら、このパニック状態にあると、急いで復帰したいという気持ちだけが先行して、操作の正確性を欠いてしまうからです。この事故でも、おそらく「すぐにブレーキを掛けて止まらなきゃ!」という気持ちだけが先行して、踏んでいるぺダルが違うことにすぐ気づけていません。すると止まるための操作をしたのに、車が意に反する動きをするので、さらにパニックに陥ってしまいます。その後は、何とか車を止めようとして、今踏んでいるペダルをより強く踏むのみです。

これが「小さなミスから次の大きな事故」が発生する典型的なメカニズムです。これを防ぐためには、最初の小さなミスの時点で、安全側に振った動作を”急がずに”行うことです。ハンドブレーキを引く。ギアを目視してニュートラルにする。すべてのペダルから足を離す。これらの安全側に振った動作を、焦って行うのではなく深呼吸しながら、ひとつひとつ確認しながら行います。なにかミスをしていても、周りの人の目を気にしてはいけません。余計「復帰への焦り」を生んでしまう可能性があります。

最初の小さなミスというのは、この事例では駐車場のバーを倒したことですが、これだけではありません。例えば、コンビニ駐車場から出る際に下回りをガリッとヒットしてしまった。ガソリンスタンドで、給油口の左右を間違えてしまった。縦列駐車で1回で入れられず、後続車が迫ってきてしまった。こうした小さなミスが、復帰を焦ることによって、次の大きな事故につながってしまうのです。

この長崎の事故事例でも、駐車場のバーを倒しただけであれば、ニュースになるほどの事故ではありませんでした。ところが、最初のミスをきっかけにして、対処を誤ったことで大きな事故につながってしまった訳です。