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日産サクラは脱炭素の切り札か?

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日産の軽自動車初となる電気自動車(BEV)のサクラが受注好調ののようです。先行していた歴史がある三菱との協業となりますが、日産の販売・サービス網による展開です。したがって、国内では初めてとなる普及価格帯でのBEVとなり、どのようにユーザーに評価されるのかが注目されます。

手が届きやすい軽自動車とはいえ、BEVの特徴として、自宅に車両向け充電設備がないと厳しいのが現状です。

確かに、ガソリンスタンドには大きく及ばないものの、ディーラーや高速道路のPA・SA、商業施設の駐車場などに急速充電設備が整ってきてはいます。しかし、これらは、あくまでも電欠の危機に瀕した際の、緊急救済的な意味合いのものです。自宅に充電設備がないのに、外出先での急速充電設備のみを使って運用するというのは現実的ではありません。

現時点でも、急速充電設備は便利な場所ほど混雑しますし、1台でも充電しているなら数十分はその機械を占有します。そして、充電がすぐ終わったらその車のオーナーが速やかに車を移動させる保証はありません。特に商業施設などでは運用がなかなか難しいようです。

また、そもそも急速充電中心では、バッテリーそのものの寿命に悪影響を及ぼすことが懸念されています。日産でも次のように呼び掛けています。


「必要以上の頻繁な充電を避けることで、リチウムイオンバッテリーを長持ちさせることができる。できるだけ急速充電を控え、できる限り普通充電を使用することを推奨する」(日産広報) https://www.itmedia.co.jp/business/spv/2209/02/news161.html


そして、ライフスタイルにもよりますが、多くの方は夜間に6時間前後の普通充電を行って翌日に車で出掛けるという形になるでしょう。自動車メーカーが、航続距離の長い車を作ろうとするほど、バッテリーを大型化させる必要があるため、充電時間も長く掛かることになります。

そして、車が大型になるほどBEVは非効率になります。大きな車体を運ぶために大きなバッテリーを積み、バッテリーそのものも重いため、バッテリーを運ぶためのバッテリーが必要になる、というように無駄が多くなります。

BEVの最適解は本来、小型コミューターであり、原付バイクに屋根がついた程度のシティコミューターにこそバッテリー+モーターがベストマッチすると考えられています。この視点からすると、軽自動車すら過剰ではあるのですが、現在でも狙った通りに普及しきれないテスラや日産リーフなどのBEVよりは成功を納める可能性はあります。

マクロ的には、脱炭素にはほど遠い、発電時のCO2排出やガソリンよりも大きな送電ロス、自然放電、火災時の難消化性と大量のCO2、廃棄時の有毒性など問題が山積しています。

BEVが普及したとして、これらをモニターする体制が整っているようには見えませんし、メディアも(個々の事例や事故は別として)統合的に報道しません。要するに、EVにした結果、脱炭素に本当に効果があったのかどうかをビフォー&アフターで比較検討するつもりはないのです。とにかく、世論がEV歓迎になってくれさえすればよい。そのような空気を敏感に感じ取って静観している人は多いでしょう。この意味でも、サクラの売れ行きと、その後の使い勝手を含めたオーナーの反応などの推移はひとつの注目点となっていきそうです。

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