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機械メーターからディスプレイモニターへ

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車のメーターは従来、機械式のシンプルなものでした。針が数字を指し示すだけの、基本的には温度計や湿度計と同じような簡素なメカニズムだと言えます。シンプルであるがゆえに、故障しにくく、修理がしやすいというメリットがありました。一方で、近年登場してきた電子的デバイスであるディスプレイモニター式のメーターが登場したことによって、表示できる内容が格段に増えました。

従来は、速度計や回転計、燃料計、水温系といった、走行に最低限必要な情報を示すだけであり、その情報デザインの仕方も、どれだけ見やすく出来るかというテーマに限られていました。しかし、ディスプレイモニター式のメーターであれば、燃費計や空気圧情報、メンテナンス情報、走行時間情報、オートクルーズ情報、危険回避情報、方位情報、ナビゲーションなど、あらゆる種類の情報をメーターパネルに表示することができます。なおかつ、コンピュータのモニターと同様のディスプレイであるため、デザインは完全に自由です。従来の速度計やタコメーターを模したデザインにすることももちろん可能ですし、完全に従来とは違うメーターにすることも可能です。また、ソフトウェア制御がであるがゆえに、後からデザインを変更するといったことも可能になります。

このように、非常にメリットが大きいディスプレイ表示のメーターですが、欠点がない訳ではありません。この方式の場合、すべての情報を1つのディスプレイに表示させているため、ディスプレイ表示に関わる故障が発生すると、一切の情報が見られなくなります。車内でなおかつ手で触れない場所にあるため、故障の可能性は低いパーツではありますが、絶対に故障しないという保証はありません。万が一故障しても、HUDなど別系統で表示させるバックアップ手段が取られている車を選びましょう。このように情報の統合が進めば進むほど、集約された部品が故障したときのリスクが大きくなります。

また、表示することができるコンテンツが増えた分、ディスプレイには収まりきらないことが増えている点も問題です。これを解決するには、一目で必要な情報が確認できる工夫がなされた情報デザインと、目視せずにページ切替ができる操作系が求められます。しかし、現状では高級車でも次第点に届かない車が大半となっています。運転中に、メーター部分などに目をそらすことは非常に危険であることを自動車メーカーは認識しているはずです。しかし現状は、こうした電子的なパーツをIT系サプライヤーが担当しているからか、情報の整理がきちんとできていません。

例えば、半自動運転を実現しているベンツEクラスなどでも、半自動運転(ディストロニック・プラス)をオンにしているのか、オフにしているのかは、メーター上の極小のアイコンに示されているだけです。これは他社の車種でも同様で、高速道路で巡行中に意識レベルが一瞬低くなってしまった直後などは、とても危険です。前走車が迫ってきたときに、自動でブレーキが掛かるのか、自分でブレーキを踏まなくてはいけないのかが、明確に分からないからです。

また、パーキングブレーキのオートホールド機能が付いている車も、ディスプレイ上に小さなアイコンが表示されるだけで、オートホールドがオンなのオフなのか、現在は停止保持しているのかどうかを、僅かな表示変化だけを頼りに判別しなければいけません。オートホールドが、オンかオフかでは、ブレーキから足を離した時の車の挙動が変わりますので、重大な差です。現状のメーター表示は、まるで間違い探しゲームのように分かりにくいもので、走行に必要な重要情報がまるで整理されていません。自宅のリビングで見るモニターならば、このような情報デザインでも十分かも知れませんが、運転中にコンマ何秒といった瞬視に頼ることになるメーターは、きちんと情報が整理されていないといけません。IT系のサプライヤーに任せきりにするのではなく、もっと自動車メーカーの安全設計担当者が介入して車づくりを行うべきではないでしょうか。

 

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