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単純ミスで2000万円の損害に

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車にはいろいろな「操作系」があります。ハンドルやペダル類といった走行に必要な操作系だけではなく、エアコンやカーナビ、ワイパー、シート調節やトランク開閉など様々な動作を指示するための操作系に満ち溢れています。自動車メーカーがこれらの操作系を設える上では、人間の直感に寄り添うことが殊更に大切で、その「分かりやすさ」の設計を怠ると、うっかりミスを引き起こします。そして、車におけるうっかりミスは、時に重大な結果をもたらします。乗用車ではなく消防艇の事案ですが、次のニュース記事をご覧ください。

 

消防艇給油口に誤って水…署員全員で修理費弁済

 

堺市消防局は16日、西消防署臨海分署に配備されている消防艇「茅海(ぼうかい)」の給油口に署員が誤って水を入れ、エンジンを故障させたと発表した。

手洗い用の水を入れる給水口と間違えたという。「単純ミスで市民の理解を得られない」として、修理費約2260万円について、西消防署員約110人全員での弁済を検討するという。

発表によると、2月5日の始業前点検で、40歳代の男性消防士長が誤って水道ホースを給油口につなぎ、エンジンをかけたまま水約800リットルを注入。約15分後にエンジンが停止してミスに気付いた。

給水口は約1メートル離れ、蓋の色は青で、赤の給油口と目視で識別できるようになっていた。指さし確認をすることになっているが、消防士長は怠ったという。

引用元;読売新聞 2018年3月16日 20時29分

 


この事象では、幸いにも他人を死傷させることはありませんでしたが、損害金額からして結果は重大だと言えるでしょう。この例では、人為的ミスをした消防士長が責任を問われる流れになっていますが、実際には設計の不備こそが問いただされるべきです。プロである消防職員が間違えたということは、「分かりやすさ」の設計が甘かったと言わざるを得ません。消防艇は、緊急時に操作される前提のものですので、なおさらです。

この例では、ミスを防止するための設計は、「ふたの色を異なるものにする」というものでした。これでは、ミスを物理的に防止することは不可能で、指差し確認といったオペレーションに頼るしかありません。例えば、水のノズルと燃料のノズルを別の形状にして、それぞれの専用口にしか入らない形にするなどの対策が求められます。せめてピクトグラム(水や燃料の図柄)をノズルと注ぎ口に符号するように描くなど、直感に間違えない仕組みが必要です。

電動パーキングブレーキのボタン

乗用車の例で言えば、近年は自動車メーカーが電動化を推し進めるにあたって、この「分かりやすさ」の設計がないがしろにされるケースが増えています。その最も卑近な例が、AT車の踏み間違い事故だと言えるでしょう。この「分かりやすさ」を軽視した設計による、運転者のミスが引き起こす事故が、今後はさらに増えていくことが予想されます。

 

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