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運転支援システムを巡る訴訟

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運転支援システムを巡る訴訟

安全運転を支援するために搭載が進んでいる先進安全装備ですが、誤作動したり機能しなかったりした場合は当然、危険にさらされる可能性があります。そのような想定されるケースに先だって、米国ではテスラ社がそのユーザーから集団訴訟を受けていました。そのことを伝える記事が入ってきましたので、下記にご紹介します。

 

米電気自動車(EV)大手テスラ<TSLA.O>は、同社の「モデルS」と「モデルX」の運転支援機能「オートパイロット」が基本的に使用できず、明らかに危険だとして、購入者らに訴えられていた集団訴訟で原告側と和解した。

 

カリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所に24日遅く提出された文書で明らかになった。和解案は判事の承認を受ける必要がある。

原告側は追加で5000ドルを払い、自動緊急ブレーキや車両の横からの衝突に対する警告などの機能をオートパイロットに追加したが、これらの機能は「全く操作不可能だった」と主張。

テスラがウェブサイト上で、ハイウェイを「より安全に」走行できる機能がついていると、誤った情報を伝えた、と指摘していた。

合意案によると、2016─17年にオートパイロットのアップグレードで追加料金を払った原告にはそれぞれ20─280ドルの補償金が支払われる。

テスラは和解基金に500万ドル以上を注入することに合意し、そこから弁護士費用も支払われるという。

今回の訴訟は、テスラの運転支援機能システムが裁判で取り上げられる唯一の案件だったため、自動車業界や法曹界から注目を集めていた。

テスラは和解にあたり、顧客にしっかりと対応すると表明。運転支援機能の起動までに「当社の想定よりも長い時間待たなければならなかった」顧客への補償に応じたとした。

和解案の補償対象は米国の顧客だけだが、テスラは世界中の顧客に同様に補償を行う方針を示している。

和解案は、運転支援機能の起動の遅れが主題となり、安全性を巡る原告の主張には触れなかった。

原告団の代理人はコメントの求めに応じていない。

[ニューヨーク 25日 ロイター]
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180528-00000018-reut-bus_all

 

 

上記記事の通り、和解が成立したということで、そのシステムの問題点や動きなど細かい部分は明らかにされていません。

当記事で明かされている『運転支援機能の起動までに「当社の想定よりも長い時間待たなければならなかった」』という部分から推察すると、コンピューターのハードウェアもしくはソフトウェアの起動動作が、実際の運転シーンに合わないような速度であったということでしょう。これは、車に何らかのコンピューター制御を加える上では当然想定されることで、信頼性の確保には特に注意しなければならない部分であったはずです。

しかし、こうした制御はコンピューターによって統合制御すればするほど、信頼性の確保が難しくなるというジレンマがあります。複雑性が増すほど、エラーの発生率が上がりますし、すべてを統合すると1か所の不具合ですべてが影響を受ける恐れがあります。国内の例ですが、電子制御パーキングの不具合でも、電動スイッチ部分の不良が発生しただけで、車両が走行不能に陥ってしまったケースもあります。

近年進んでいる、将来の自動運転を見据えた先進安全装備は、コンピューターを中心とした電子制御でシステムを統合する方向にあります。上記の通り、複雑化・統合化は進んでいきますので、こうした不具合は今後もたびたび発生するでしょう。そして、そのたびにリコールや場合によってはユーザーによる訴訟という事態に発展するかも知れません。本件は、日本でのシェアがまだまだ低いテスラ社のものではありますが、今後は日本車でも起こりうる事象です。

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