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日本でも...テスラ社の自動運転車で初の「交通事故」

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テスラ社の自動運転車で初の「交通事故」

自動運転中の車が日本でも事故を起こしました。アメリカではUBERによる自動運転の実証実験中に自転車を押す女性を轢いたという死亡事故がセンセーショナルに報道されました。しかし、日本でもすでに死亡事故を起こしていたことが分かりました。報道は驚くほど少なかったのが不思議ですが、事故の詳細を見るとテスラ車の自動運転システムに問題があったと言わざるを得ません。この自動運転システムは「レベル2」相当であり、運転者に責任があるというのが第一義的な見方ではありますが、「運転は車に任せておけば問題ない」という印象を与える売り文句で車両を販売していた以上、メーカーも一定の責任を逃れられないでしょう。

 

●テスラ社の自動運転車で初の「交通事故」 夫を奪われた妻の悲痛な叫び

男性が神奈川県警から受けた説明によれば、まず、道路上にいた彼らに向かって車両が加速して近づき、停車中のバイクを撥ね飛ばした。宙を舞ったバイクは櫻井さんたちにぶつかる。衝撃で路上に転倒した櫻井さんの頭部を、この車両が轢(ひ)き、そのままキャラバンに追突したのだ。

●夫の事故を知ったとき

事故を引き起こしたことで現行犯逮捕され、まもなく横浜地検が「過失運転致死傷罪」で起訴したのは、伊藤展慶被告(49)。彼が運転していたのは、米電気自動車大手・テスラ社の「モデルX」だった。

事故当時仕事中だった、櫻井さんの妻は、義母からの連絡で夫の事故を知った。

「“落ち着いて聞いてちょうだい”と前置きされてから、夫が事故で亡くなったと聞かされました。気が動転した私は、高校2年生の娘に電話をかけて“すぐお父さんの実家に来なさい”とだけ伝えるのが精いっぱい。ただ、実家で事実を知った娘は泣き崩れてしまい……。過呼吸を起こして椅子に座ることもできなかった。思春期に入ってからも娘は夫と仲が良く、夫のバイクの後部座席に乗って出かけることもしばしば。初めて渋谷の109に行った時も夫が同伴していました。それだけにショックも大きく、事故から数日は何も口にできない状態でした」

事故当日の深夜、櫻井さんの妻は神奈川県警の厚木分駐所を訪れている。

「そこで夫と対面しました。体つきですぐに彼だと分かりましたよ。でも、頭蓋骨が砕けて、顔は原形をとどめていませんでした」

突然の事故で大黒柱を失い、女手ひとつで失意の底にある高校生の娘を育てることとなった母親の心中は察するに余りある。

遺族側は民事訴訟も辞さない覚悟だが、事故からまもなく始まった刑事裁判で彼らを待ち受けていたのは、あまりにも予想外の展開だった。

被告人側は、事故の原因が「自動運転自動車」の「暴走」にあると断じ、「無罪」を主張したのである。

●「居眠り」はしていたが…

ご存知の通り、世界中の自動車メーカーやグーグルをはじめとするIT企業は目下、自動運転技術の開発にしのぎを削っている。なかでも、「鉄腕アトム」のようなSF作品に親しんできた日本人が、夢の次世代技術に期待の眼差しを向けるのは自然なことかもしれない。

また、今年4月に東京・東池袋の路上で87歳の男性が運転する車が暴走し、多数の死傷者を出すなど、高齢ドライバーによる痛ましい事故も後を絶たない。こうした悲劇をなくす意味でも、自動運転車の早期導入を望む声は高まるばかりだ。

しかし、冒頭の事故を巡る裁判では、そんな夢の「自動運転車」が、「暴走」の果てに人命を奪ったのではないか、という点が争われているのだ。

問題となった「モデルX」はアメリカの著名な実業家、イーロン・マスク氏が立ち上げたテスラ社製の車で、日本では2016年から販売が開始された。

自動運転の段階としては掲載表における「レベル2」に該当する。ちなみに、レベル3以上は現在、日本の公道では走行が許されていない。

テスラ社のHPではモデルXを〈史上最高の安全性と性能を持ち〉、〈ほとんどの状況下で作動する将来の完全自動運転に対応するハードウェアが搭載されています〉と紹介している。

今回、事故を起こした車両は、自動緊急ブレーキや、正面衝突警告システムに加え、「トラフィックアウェアクルーズコントロール」なる機能が作動する設定となっていた。これは、前方の車両と一定の車間距離を保ち、自動で追従走行する機能を指す。

櫻井さんの遺族によれば、被告人側の主張は概ね次のようなものだった。

・事故当時、被告人が居眠りをしていたことは認める。

・しかし、事故を起こす直前までは、居眠り運転でありながらクルーズコントロール機能によって安全に運転されていた。

・ただ、事故の2秒前にこの機能が故障。前方の障害物を認識しないまま加速する「暴走」状態に陥った。

・自動ブレーキも警告システムも全く作動せず、事故に至っている。

・被告人はアクセルもブレーキも踏んでいない。システムの故障が原因なので、被告人が起きていたとしても事故は回避できなかった。

――したがって、「被告人は無罪」というわけである。

事故の直前に、テスラ車の前を行く車両が車線を変更しており、その際、前方の人影を感知できなかったテスラ車が、自動的に車間距離を詰めようとして加速した可能性もある。さらに、被告人は事故の衝撃で目を覚ましている。つまり、事故当時のモデルXは、図らずも完全に人の手を離れた「自動運転」状態にあり、コンピューターシステムの「暴走」が事故に繋がったこと自体は否定しづらい。

引用元;デイリー新潮 7/22(月)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190722-00572515-shincho-soci&p=2

 


記事にもある通り、現在の自動運転システムは他車との意思疎通を苦手としています。前走車が突然車線変更して、その先が渋滞などで車が停車していれば、追突してしまう可能性があるのです。これはテスラ車に限らず、高度なACCや自動ブレーキを備えるどの車種にも共通しています。前走車の車線変更だけでなく、割り込みへの対応や、事故・工事などでの車線規制による車線変更も自動的にはできません。この課題は将来に渡っても大きな問題となるでしょう。まして、バイクや自転車が縦横無尽に走行する都市部や、歩行者が渋滞中の車を縫って横断するような場所では、自動運転することは絶望的と言えます。

このように、場所を選ぶような自動運転車は、本来的な意味での自動運転車、つまりレベル4相当の運転者を必要としない自律自動運転のコンセプトからは程遠いものです。場所や場面を選ばず、自律自動運転が実現する見込みは全く立っておらず、運転席を無くすような完全なシステムは将来に渡っても不可能であるとみられています。このような状況であるにも関わらず、売り文句としての「自動運転」というイメージを植え付けることは、今後の自動運転技術の開発の足かせとなるでしょう。なぜなら、本件のような不完全な自動運転車による事故は、今後も必ず散発するからです。仮に人間が起こす事故件数よりも(不完全であっても)自動運転車の方が事故件数が少なくなったとしましょう。それでも強い世論の反発が起こることは必至です。当サイトでも繰り返している通り、人間のドライバーの過失によって死亡する場合と、機械の何らかの不具合によって死亡する場合とでは意味合いが全く違うからです。これは、AIやロボットが人間に反逆するようなSF映画がヒットする背景にある、人間の本能的な心理が影響しているのでしょう。不完全な自動運転車、つまり開発・進化の途中における小さな事故が、いちいち社会的な反発を受ければ、自動運転車の開発速度は滞ります。不完全である、つまり人間が主体的に運転する必要がある、という現状をしっかりと運転者に通知し、人間と機械との間のインターフェースを直感的にしていく。そして、あくまで人間の運転が中心であるという思想のもと、扱いやすい操作系統を開発して、ドライバー教育を強化していくことが、遠回りのようでいて結局開発を円滑に進めることにつながるのではないでしょうか。

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