トップページへ

自動運転バスはベビーカーを乗車拒否するのか?

車の運転のコツ » 09運転ブログ » 自動運転バスはベビーカーを乗車拒否するのか?

自動運転バスはベビーカーを乗車拒否するのか

各地で自動運転の実験として、路線バスやコミュニティバスが試験運行されています。路線バスは基本的に赤字経営であり、過疎地であるほどその傾向は顕著です。それにも関わらず、マイカーがないと基本的な生活が困難な地域ほど、路線バスの赤字幅も大きいため、廃線になってしまいやすいものです。

この矛盾に対しては、自治体の予算で一部を賄うわけですが、限界もあります。これがドライバー不足にも拍車を掛けて、乗客もドライバーもいないから廃線へ、という負のスパイラルに陥っています。免許を返納した高齢者にとっては、買い物にも病院にも行けない、という地域もあります。

そこで期待されているのが、自動運転バスです。無人で路線を巡回できれば、大幅にコストは削減出来るでしょう。また無人で物資を届ける物流も担えるかも知れません。

しかし、物事はそう簡単ではないようです。下記の記事をお読みください。

 

双子用ベビーカーの女性、市営バスが乗車拒否か 名古屋

ベビーカーに双子を乗せた女性が名古屋市営バスの運転手から乗車を拒否されたとの声が寄せられ、市交通局は7日、不適切な対応がなかったかどうか、事実関係について調査を始めた。

乗車を拒否されたと話しているのは、1歳の双子の女児がいる名古屋市の女性(34)。

女性によると、10月下旬に横型のベビーカーに双子を乗せてバスに乗ろうとしたが、運転手から「ベビーカーを中まで運べますか」と聞かれた。双子を抱いてベビーカーを運ぶのは難しいため、常備されている車いす用スロープを使いたいと求めたが、運転手は応答しなかったという。女性は乗車をあきらめ、所用先の区役所まで片道約40分を歩いた。

市交通局によると、2013年10月から、大型バスでは横型の双子用ベビーカーに子どもを乗せたままでの乗車を認めている。中・小型バスではベビーカーから子どもを降ろして、折りたたんで乗るように求めている。また、ベビーカーでの乗降の際は乗務員も協力するとしている。交通局は寄せられた情報から運転手やバスを特定し、不適切な対応がなかったかどうかを調べる。(堀川勝元、保坂知晃)
引用元;朝日新聞デジタル

 


この事案は自動運転に関するものではありませんが、将来の自動運転の夢にとって大きな壁となるものです。バスのドライバーは運転だけをしている訳ではありません。車内の乗客の安全(座席、立ち乗り客)、乗降時の周囲の交通との安全、乗降に問題を抱える乗客への介助、料金のチェックや両替、カードの発行、無賃乗客への対応、傘など備品販売、停留所・接続路線などの案内、車両や機械トラブル時の対応などです。

とくに懸念されるのはコミュニケーション部分です。路線バスは電車などほかの交通に比べて不案内な場合が多く、地域を良く知る地元の人以外は、係員に聞かないと分からないということが良くあります。ナビゲーションサインの概念が乏しい日本の交通インフラでは、そうした乗客への情報不足を、ドライバーのマンパワーに頼ってきており、それがドライバーの負担を増やしてきました。自動運転によって運転操作のみを無人化したところで、こうした不案内が解決する訳でもなく、乗客をより困らせることになるでしょう。

無人カーによる物資配送のようなアイデアも、操作系のインターフェイスが期待薄です。免許の返納が進んだような高齢者層と、IT系のインターフェイスとは、どうも相性が悪いようです。銀行のATMやスーパーの無人レジ、スマートフォンのサポートをする携帯キャリアショップを見れば、それが垣間見られます。操作の難しさに戸惑う高齢者が頻繁に見受けられます。これは、インターフェイスを設計する側が、高齢者目線で設計する機会が少ないからかも知れません。

いずれにしろ、自動運転バスの実験は運用における課題が多過ぎて、パフォーマンス色が強いものだと言わざるを得ません。

このページ『自動運転バスはベビーカーを乗車拒否するのか?』をメールで送る

« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ