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電動自転車が歩道を走ると 暴走ママチャリ

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電動自転車が歩道を走ると 暴走ママチャリ

クルマで市街地を走行すると見かける自転車の数が、近年目に見えて増加しています。自転車そのものの進化もありますが、それ以上に社会的な変化により、その台数が急増しているようです。まず、東日本大震災を契機に、帰宅難民の問題が浮上し、都市部の人の間で自転車人気が高まりました。2018年頃からは全国の幹線道路に自転車ナビレーンが敷かれ、さらに2020年の新型コロナ感染症の影響で自転車通勤に切り替える人がいっそう増えました。時を同じくしてウーバーイーツなどの自転車による配送も一般化し、街によって従来のママチャリとも相まって混沌とした自転車天国のような状況になっています。

ロードバイクやクロスバイクといった、速度の出やすいスポーツタイプの自転車に乗る人は道路の左側の自転車ナビレーンを走る傾向があり、一部の人のマナー違反など細かい問題点はあるものの、概ね軽車両としての走行をしています。問題なのは、充電式のバッテリーを備えた、モーターアシスト付自転車、いわゆる電動自転車です。一部スポーツタイプもありますが、多くはママチャリタイプで、乗る人も主婦層が大半を占めています。そのため、歩道を走る人も多いのですが、スポーツタイプ並みに速度が出るため、危険な場面が全国で見られるようになっています。具体例として、下記の記事をご紹介します。

 

●「なんで避けないの」歩道走るママチャリ、通行人と接触し激怒…悪いのはどっち?

「歩道で避けるべきは自転車じゃないのか!」。電動ママチャリにぶつけられた挙句、いちゃもんをつけられたという相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の男性が歩道を歩いていると、子どもを乗せた母親の運転する電動自転車が正面から走ってきました。道幅は歩行者がやっとすれ違えるほどの狭さ。自転車は歩道中央付近を歩く男性に構わずまっすぐ進み、男性の右ヒジと女性の右腕付近が接触しました。


女性は激高し、500メートルにわたって男性を追いかけてきて「おまえがわざと避けずにぶつかってきたんだ」と110番通報しました。

駆けつけた警察官らは、通報した女性の話を聞いたうえで、男性に「自転車を認知しているのに、避けないのは暴行罪にあたる」と伝えてきました。男性が「道路交通法上は自転車が停止すべきですよ」と自身の正当性を主張しても、聞き入れてもらえなかったそうです。


結局のところ、双方おとがめなしとして解散となりましたが、納得のいかない男性は今でも「歩道で避けるべきなのは自転車のほうだろ!」と考えています。

歩道ですれ違った歩行者と自転車、どちらに避ける義務があるのでしょう。警察官の言うように、避けない歩行者は暴行罪に問われる可能性があるのでしょうか。前島申長弁護士に聞きました。

●歩道では自転車が止まるか避けるべき

ーー歩道で歩行者と自転車がすれ違って接触があった場合、どちらに回避義務があるのでしょうか

自転車は軽車両であり、車両の一種にあたります。また、道路交通法では、車体の大きさ及び構造が政令で定める基準に適合する自転車を普通自転車と定義しています(道交法63条の3)。

街中でよく見かける電動ママチャリは、一般的には普通自転車に該当すると考えられます。道交法によると、自転車は、歩道と車道の区別のある道路では、車道を通行する必要があります。

ただし、普通自転車に関しては、車道又は道路の状況に照らして当該自転車の通行の安全を確保するために当該自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合には歩道の通行が可能となります(道路交通法63条の4、1項)。

もっとも、かかる場合においても自転車は、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、また自転車の進行が歩行者の通行を妨げることになる場合は、一時停止しなければなりません(同条2項)。

本件におきましても女性としては、男性を認識したのであれば、歩道の車道寄りに自転車を移動させるかもしくは一時停止して男性の歩行者が通りすぎるのを待つべきだったと考えられます。

ーー前方から進行してくる自転車を認識したうえで回避せず接触した場合、歩行者の暴行罪は成立するのでしょうか

一方、自転車を避けようとしなかった男性に暴行罪が成立するかですが、男性としては女性が停止すると考えている以上、不法な有形力を行使する意図が認められませんので暴行罪の故意を欠き、暴行罪は成立しないと考えられます。

仮に男性が暴行罪に問われるとすれば、男性が、女性を転倒させるような強い害意をもって意図的に自転車に体当たりをしていったような極めて例外的なケースに限られると思われます。
引用元;弁護士ドットコム 2020年5月18日

 

 


上記は、危険な走行をしていた女性がわざわざ被害者を追いかけ回したという稀有な例ではありますが、電動自転車が歩道を高速走行するという例はよく見られます。

これは、ひとつにはもともと電動ではないママチャリで、歩道を走ることが習慣になっていたからという点。もうひとつは、歩道ならば交通強者だが、車道ならば交通弱者になってしまうため、心理的な怖さがあって歩道を好むという点などが理由として考えられます。

しかし、電動自転車は、スポーツタイプの自転車に迫る速度で走ることができることや、バッテリーを備えているため車体の重量が非常に重いことによって、万一衝突した場合の衝撃が、他のどの自転車よりも大きくなってしまう点が怖いのです。実際過去には、女子高生が電動自転車でスマホと飲み物を持ちながら走行し、歩行者に接触して死なせるという重大事故も発生しています。

電動自転車が普及したのは、自転車を漕ぐ重さがつらい、という主婦層を中心とした声からスタートしたという背景があります。確かに、子供を乗せて、荷物を乗せた状態で最初のひと漕ぎを繰り出すのは強い脚力が必要で、電動自転車はそのサポートとして適しています。しかし、多くの場面においては、電動である必要は、実は無いのです。多段ギアを備えた自転車であれば、電動でなくとも、ほぼ同じ機能を果たすことができます。

走り出す最初のひと漕ぎは、もっとも軽いギアで。ある程度速度が出てきたらひとつ重いギアへチェンジ。坂道や段差では、ひとつ軽いギアにして、乗り越えたら再びひとつ重いギアへ。停車するときは、もっとも軽いギアに戻します。これを繰り返すことで、電動自転車とほぼ同じ機能を持ちます。また、車体が電動自転車よりも遥かに軽いため安全です。唯一電動自転車でないと厳しいのは、上り坂が延々と続くような道路です。ギア付自転車では一番軽くしても、一定の負荷が足にかかり続けますので、電動自転車の軽さには劣ります。

このように、ギア付自転車を普及させた上で、車道の走行を徹底すれば、安全性は大幅に向上するはずです。これは欧州の状況に近いものです。このようにならない理由は、ひとつには自転車メーカーへの忖度。電動自転車の方が利益率が高く、広告訴求もしやすので、利益が出にくいギア付自転車を普及させにくいという経済的理由です。もうひとつは、ギア付自転車の活用法がまったく認知されていない点です。実際街中ではギアのついたママチャリをよく見かけますが、ほとんどの人が走行中にギア操作をしていません。ギアを固定して走っている人が多く、主に重いギア、つまり一番大きいギアにしている人が多いように見受けられます。固定ギアにしてしまう場合、一番軽いギアだと発進は軽いものの、速度があまり出ずに足を忙しく動かさないといけないからでしょう。こうした乗り方では、いかにも宝の持ち腐れです。

電動自転車は山間部などでは便利ですが、都市部でははっきり言って必要ありません。電気を消費するため、環境にも良いとは言えないでしょう。車体も軽くて、蹴力も調節できるギア付自転車を普及させ、その操作手順の普及と、自転車ナビレーンの走行ルールも周知していくことが、現在の危険な自転車通行状況を改善する一案だと考えられます。

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