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電動キックボードの危険性

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都市部で近年、急激に見掛けるようになった電動キックボード。新しい乗り物ですが、見た目以上に速度が出るため、既存の交通とのトラブルが既に発生しているようです。特に、車を運転する立場から見た場合の危険性を、しっかり把握しておく必要がありそうです。

まず、電動キックボードとは、従来からあるキックボード、またはキックスクーター等と呼ばれていたものの進化形だと考えられます。

従来のものは子供用の小さいものを中心に、片足をボード部分に乗せて、もう片方の足で漕ぐというもので、歩行者よりも速く、自転車よりも遅いという程度のものが主でした。折り畳み式で非常に軽く、その利便性から通勤に使う人も見受けられました。速度もさほど出ず、動力源は人力であるため、あくまで歩行者に近い扱いであったのが従来です。

現在、徐々に広まっているのは、形状は従来のものを踏襲しつつも大型になってバッテリーを搭載し、モーターでタイヤを動かすというものです。共通点はそのくらいで、実際に市場に出回っているのは様々な種類があり、バッテリーの性能もモーターの性能も、またタイヤの性能やブレーキの性能も様々です。そして、道交法の改正を見据えた、灯火類を備えたものから、まったく道交法に適合しないものまで、まさに百花繚乱といった様相です。

多く見受けられるのは、レンタルの電動キックボードで、都市部のレンタルステーションで借りて、乗り捨ても可能となっているサービスの車両です。これらは、道交法にも適合し、ヘルメット装着も促して安全対策を行ってはいます。しかし、まだ十分であるとは言えないのが現状のようです。レンタルという性質上、不馴れな利用者が多く、都市部の道路を走行するための基礎知識、および安全意識が低い様子が見てとれます。

同じ道路を走行する自動車側としては当然、新たな交通手段を脅威としてみるだけでなく、その特徴を知って事故を起こさないようにする必要があります。ここで、特徴と危険性をまとめてみましょう。


★電動キックボードの危険性(車から見た場合)
1)サイズの割には速度が速い。
2)転倒時に怪我の度合いが大きくなりやすい。
3)音がほとんどせず無音に近い。
4)走行安定性、運動性能が低い。
5)初心者や安全意識の低い使用者が多い。


1)電動キックボードは実際に手にすると非常に重くしっかりした印象があります。しかし、外形は原付バイクに比べると非常に華奢で、車のドライバーからの視認性は非常に悪いです。印象としては歩行者が高速で動いているように感じます。その割には、原付バイクに近い速度が出ます。サイドミラーや目視で後方確認するのはもちろん、歩行者用の横断歩道を渡る車両もありますので、要注意です。

2)電動キックボードは、転倒しやすい乗り物だと言えます。原付バイクと違って、立ち乗りが基本となるため、重心が高くなるのがその理由です。さらに荷物を持つ場合、バックパックを利用する人が多いですが、それも重心を高くする一因です。そして、体が剥き出しという点はバイクと同じですが、バイクのように衣服や装備をきちんとしている人は少ない印象です。そして、横に転倒する場合は座っているバイクよりも立ち姿からの転倒になるため、怪我のリスクが高まります。そして、立ち姿勢のまま倒れると、道路側に大きくはみ出しますので、後続車が接触してしまうリスクも高いです。また割合は少ないですが、正面から転倒した場合は即死亡事故につながります。

3)原付バイクと違いエンジン音がしません。これはモーター走行車の特徴で、車でもEVやプリウスなどで歩行者に気づいてもらえず危険を感じた方も多いでしょう。車では電子音を鳴らして歩行者に注意を促す仕組みもありますが、電動キックボードにはありません。無音で原付バイクほどの速さで走る訳ですから、その危険性はイメージしておいた方がよいでしょう。

4)電動キックボードは車両としての運動性能は原付バイクに大きく劣ります。その原因は主にタイヤの大きさにあります。四輪であろうが二輪であろうが、どんな乗り物であってもタイヤで走行する乗り物である以上、運動性はすべてタイヤの性能に依存します。今後のタイヤメーカーの動向による部分ではありますが、現時点では心許ないものです。また、ブレーキ性能もメーカーによっては、ただタイヤにバーを押し付けるだけの簡易的過ぎるものもあります(きちんとしたディスクブレーキのものもあります)。現状での電動キックボードは、出せる速度と、外形や重心位置、そしてタイヤやブレーキの設計がアンバランスだと言わざるを得ません。

5)レンタル利用の場合に顕著ですが、気軽に乗れる従来の動力無しのキックスケーターの延長のようなイメージで乗るケースが多いようです。すると当然ながら、バイクに乗るような服装ではなく、街を歩くような服装で、街歩きするような意識で幹線道路を走ってしまうケースが出てきます。車のドライバーからみるとこれは脅威で、予測不可能な動きをするものと思って運転するしかありません。

以上のように、既に大きく危険性が叫ばれている中で、国はさらに電動キックボードを普及させる政策に出そうです。これから固まるはずの道交法の行方と共に、今後の動きに注目しましょう。最後に、電動キックボードの事故のニュースを引用します。


⚫電動キックボードで初の死亡事故

東京都中央区で25日夜、会社役員の男性(52)=東京都港区=が電動キックボードを運転中に転倒し、死亡する事故があった。

 警視庁が26日発表した。同庁によると、電動キックボードが絡む事故で死亡者が出るのは初めてという。

 月島署によると、事故があったのは25日午後10時45分ごろ。男性が中央区勝どき6丁目のマンション駐車場内で電動キックボードを運転中、方向転換して走り出そうとした際に車止めに衝突。前から倒れて頭を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。飲酒運転の可能性があるという。

 男性が乗っていた電動キックボードは、国の実証実験の一環で、認可を受けた事業者から貸し出されたものだった。キックボードは本来、道路交通法上の「原付き」という扱いになりヘルメットの着用が義務づけられるが、実証実験の場合はトラクターなどと同様の「小型特殊自動車」に分類され、特例でヘルメットの着用が任意となる。男性はヘルメットを着用していなかったという。(岩田恵実)



※なお、電動キックボードそのものを否定する意図はありません。仕組みとしてはシンプルで
量産性も高く、乗る楽しさもあるため、クローズドな専用コースで楽しむものであれば受け入れられ易いと考えます。車やバイク、自転車、歩行者が行き交う公道での走行を進めようとする政策は否定的に見ています。

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