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自動車はWindowsパソコンではない

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一部ではすでに有名なコメントであるようですが、非常に的を射た表現であったので、引用してご紹介します。




コンピュータ博覧会(COMDEX)でビルゲイツがコンピュータ産業と自動車産業と比較した。 
「もしゼネラルモータースがわれわれのような技術をもっているのなら、 
消費者は25ドルの車でガロン1000マイルの低燃費を実現できただろう」 

ビルゲイツの発言に関して、ゼネラルモータースは機関紙を通じて次のようなコメントで反論した。 

我々の自動車は- 
・日に2回も理由もなくクラッシュしない 
・新しい道路ができるたびに買い換える必要はない 
・突然締め出され、それでも何とかしようとするとき 
 「ドアノブを引きながら、キーを回して、同時にカーアンテナを引き出せ」などということを要求しない 
・エアバックが開くまさにその時「本当に作動して良いですか?」などと質問しない 
・買った人にサービスで道路地図帳をつけことはあるが、それを要らないと言われても車の性能は変わらない 
・そのうえ道路地図帳がついてくるからといって司法省から訴えられることもない 
・一から運転方法を勉強しなければならない新車などない 
・エンジンを切るのに「スタートボタン」を押すなどという馬鹿げた設計にはしない



自動車の電動化が進み、コンピュータとの親和性が高くなるにつれて、自動車産業とコンピュータ産業の違いが注目されるケースが増えてきました。自動運転を目指すにあたり、データ処理、画像処理、AIといったコンピュータ産業の基幹的なパートが重視されてきたことがひとつ。さらに、GoogleやアップルといったIT大手が自動運転車の開発に名乗りを挙げたことが、この機運を決定的なものにしました。

そんな中で、商習慣の違いから、たびたび衝突が起こってきました。その中のやりとりのひとつが、上記に引用したコメントになります。

自動車産業とコンピュータ産業の、もっとも大きな違い。それは、「人命を扱った経験」です。自動車の開発においてメーカーは、常に事故の可能性を念頭におきながら、時には各国の政府と調整をしながら発生してしまった事故、起こりうる事故について向き合ってきた歴史があります。人間の力を大きく上回る力を持つ機械を製造する責任として、移動の便利と隣り合わせの人身事故を研究してきた経験があるわけです。一方でコンピュータ産業は、直接人命に関わる事故を扱った経験は、相対的に乏しいと言えます。実際にはハードウェアメーカーなどが、電気を扱う上で人身事故に対処してきた経験はあるはずですが、自動車産業のそれに比べると、大幅な開きがあるのは明らかです。まして、ソフトウェアメーカーに至っては、人命に関わる部署があることすら珍しいのではないでしょうか。

このような差がある中で、上述したGoogleやアップルなどのIT企業の実車開発はここへきて鈍くなってきました。人命を左右するというリスクの大きさが、割りに合わないと考え始めているのかも知れません。

こうした事情を考えると、自動車の電動化やネットワーク化は、自動車産業を中心に進めてもらいたいところです。もしくは、事故と向き合ってきた経験、またその危機感を共有できる形で開発が進むことを期待したいと思います。

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