トップページへ

エンストしにくいMT車~カローラスポーツ

車の運転のコツ » 02車の運転が苦手な人 » 022MT車(マニュアル車) » エンストしにくいMT車~カローラスポーツ


以前当サイトでもご紹介した、トヨタの「エンストしないMT車」こと”iMT”が、ついに日本国内でもお目見えとなりました。新型のカローラスポーツに搭載され、カローラブランドの復権を狙うカギだと考えているようです。以下に記事をご紹介します。


●エンストしにくいMT車ートヨタ ~カローラスポーツ 若者や女性に拡販~

トヨタ自動車は、8月に発売する新型車「カローラスポーツ」の「インテリジェントマニュアルトランスミッション(iMT)」搭載車でカローラの顧客層拡大を狙う。国内向けトヨタ車で初採用となるiMTは電子制御で発進時や変速時のエンジン回転数を最適化するもの。”エンストしにくいMT車”として若者や女性に3ペダルドライブによる車を操る楽しさをアピールする。課題とするカローラの顧客層の若返りと新規顧客の開拓につなげる。

★シンクロを電子制御化
6速MTのiMTは、1.2リットル直噴ターボエンジンのガソリン車に標準装備される。これまでに欧州で「ハイラックス」や「C-HR」に採用している。ドライブモードセレクトの「スポーツモード」を選ぶとドライバーの変速動作を検出してスムーズな変速を支援する。素早いクラッチ操作でも変速ショックは少ない。発進時は1速に入れてクラッチ操作のみでの発進が可能で、従来のMT車で敬遠理由に挙がるエンストを防止できる。

近年は国内で販売された乗用車の9割強がAT車で、普通免許(一種)を「AT限定」で取得する人も年々増えている。そうした背景の中でMT車の販売規模は決して大きくは見込めないが、あるカローラ店の新車部長は「iMT搭載車を若者や女性にスポーティモデルの入門車として積極的に試乗を呼び掛けたい」と拡販に意気込む。新技術でMT車ならではの主体的に車を操る楽しさを伝え、「若者のクルマ離れに歯止めをかけ、生涯顧客づくりにつなげたい」(同)との思いもある。

MT車に興味はあっても購入を躊躇ユーザーや、過去にMT車を所有していた30~40代の現ATユーザーからの代替なども期待する。

パワートレーンは26日に発売した1.8リットルハイブリッド車(HV)と1.2リットルターボのCVT車を含めて3種類。24日時点で約3700台を受注した。カローラ店の関係者によると「プリウス」や「アクア」からの代替が目立つという。国内販売を終えた「オーリス」ユーザーなど他チャンネルからの顧客獲得も狙う。カローラ店では26日の発表会翌日から主要店舗に試乗車を配備。「従来の新型車はなかった異例の早期配備体制」(販促担当者)でカローラ復権に向けたトヨタの強い意気込みをうかがわせる。

日刊自動車新聞 2018年6月30日


 

本記事で指摘されている通り、現在は市販車の9割強がAT車(を含む2ペダル車)。免許取得者の過半数がAT限定という状況です。そして、この流れこそが、いわゆる「若者のクルマ離れ」を生み出し、結果として自動車メーカーを大きく苦境に陥れた原因でもあります。

なぜMT車と若者のクルマ離れが関係しているのか。これは、若者にとっての「クルマの位置づけ」が変わってきたことが大きいのです。

90年代以前、当時の若者がクルマに熱狂していた理由は、クルマが「攻略すべき対象」であったからです。当時のクルマは現在のクルマの常識からすると「素」の状態であり、電子制御もなければ自動化された仕組みもほとんどない、機械的なマシンでした。そして、F1などのモータースポーツを頂点にして、うまく操ることができる人はヒーローであり、より良い車をより上手に運転したい、という欲求が、若者とクルマとを強く結びつけていたと言えるでしょう。両手両足を使って、車を意のままに操れるようになりたい、という人々にとって、MTの操作はその中心的な存在でもありました。MTというトランスミッションは、初心者が乗ればエンストしてしまうし、上級者が乗れば現代のコンピューター制御された車に勝る走行品質をたたき出します。つまり「乗り手への依存度」が非常に高いのがMTという仕組みである訳です。

一方で、現在は状況が一変しています。エンジンそのものは元より、補器類などすべてが電子制御されて、破たんが起きないような道具となっています。中でもATの普及は大きな変化を生み、両手両足が必要だった操作系は、片手片足でも操作できる簡便なものとなりました。エンストやシフトショックという「ミス」は起こり得ません。さらにブレーキの踏力をアシストしたり、ステアリングを過剰なまでにアシストする電動化、最終的には無人でも操作できるほどの操作系の制御技術が進みました。「乗り手への依存」は極端に低くなっていると言えます。

要するに、この数十年の間にクルマは「攻略すべき対象」から「動いてさえいればよい道具」へと変貌した訳です。この変貌において、MTからATへと中心が移行していったことが大きく影響していた訳です。多くの人が「クルマの運転が退屈」だと答えるようになったことも、ペダルの踏み間違い事故が頻発するようになったことも、泥酔状態の人間や子供でも違法に運転できてしまう状態になったことも、AT車(2ペダル車)が普及したことが大きく関わっています。

この数年間、徐々にMT車が見直される機運が高まってきていました。マツダ車がすべての車種にMT車を設定していることや、MTを前面に押し出したスズキ・アルトワークスの登場などのその一例です。そこへ来て、今回の大ブランドである「カローラ」に新開発のMTが登場したことは非常に明るいニュースだと言えるのではないでしょうか。テクノロジーとしては、現代の電動化技術と、機械的なMTとをの間で、うまく折り合いをつけたものだと思います。MTの免許を保有している方、免許取得直後の方は、ぜひ一度販売店で試乗してみて頂きたいと思います。

このページ『エンストしにくいMT車~カローラスポーツ』をメールで送る

« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ