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半クラッチとは?怖い理由と正しい使い方|使っていい場面・ダメな場面

教習所でエンストするイメージ MT車(マニュアル車)
教習所でエンストするイメージ
この記事は約6分で読めます。
この記事で分かること
  • 半クラッチとは何か(0%・100%との違い)
  • なぜ半クラッチが怖く感じるのか、その正体
  • 半クラッチを使っていい場面・使ってはいけない場面
  • エンストや車への負担を減らす考え方

「半クラッチ=怖い操作」ではありません。正しく理解すれば、発進や低速走行がぐっと楽になります。

マニュアル車を運転しようとすると、最初に現れる壁が「発進時の半クラッチ」です。半クラッチとは何か分からず「エンストしそうで怖い」と感じる人は非常に多いようです。特に教習中や免許取得直後は、クラッチ操作に強い苦手意識を持ちがちです。この記事では、半クラッチとは何か、なぜ怖く感じるのか、そして使っていい場面・使ってはいけない場面を整理して解説します。

そもそも、クラッチペダルとは何?

車に疎い方、初めて車に触れる方であっても、アクセルペダルとブレーキペダルというのは聞いたことがあるはずですし、「進むペダル」「止まるペダル」と役目まで分かるのが普通です。ところが、MT車にだけ存在するクラッチペダルは、そのような知名度がありません。何のために存在するの?と疑問を抱く方は多いでしょう。これは、エンジンの回転を、タイヤに伝える割合を0〜100%まで選ぶためのペダルです。100%というのは、クラッチペダルから足を離した状態。0%というのは、クラッチペダルをいっぱいに踏んだ状態。この、100%か0%か、という2つがクラッチペダルの使い道の大半を占めます。

エンジンの回転なんて、ずっとタイヤに伝わってればいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。でも考えてみてください。走っている時はいいですが、速度が落ちてきて、もうすぐ止まろうとする時。タイヤがとてもゆっくりになると、100%繋がっているエンジンもとてもゆっくりになる。このまま速度が落ちると、タイヤが停止するのと同時に、エンジンも止まってしまいます。なぜなら繋がりが100%だからです。これを、エンストと呼びます。信号停止のたびにエンストして、毎回エンジンスタートしてから発進していたら、エンジンを起動するためのバッテリーの負荷が多過ぎて、すぐバッテリー上がりになってしまいます。これを防ぐために、クラッチペダルというのがある訳です。

タイヤがゆっくり転がる低い回転になっても、クラッチペダルを踏んで繋がりを0%にすれば、エンジンは止まることなく回転を続けることができる訳です。このように信号停止時などにクラッチペダルを踏めば、繫りが0%の間、エンジンは静かに回転し続けます。これをアイドリングといいます。ちなみに、AT(2ペダル車)では機械が自動的に、低速域になるとクラッチを操作して繋がりを切るため、エンストすることはありません。

半クラッチとは何か

半クラッチとは、クラッチペダルを完全に踏み切った状態(0%)でも、完全に戻した状態(100%)でもない、中間の状態のことです。つまり、0%と100%の中間にある「つながりかけの状態」を、まとめて半クラッチと呼びます。この状態では、エンジンの回転が一部だけタイヤに伝わり、車はゆっくり動き出します。発進時や低速時に使われる操作です。教習所では、クラッチ操作は、踏むときはスパッと。半クラッチを使うときは丁寧に。このように教わることが多いです。しかし半クラッチには先述のとおり、0%から100%まで幅広くあり、遊び領域を抜かしても、半クラッチ領域は結構広いです。ここの使い方が肝になりますので、しっかり身につけたい方は、当サイトのトップページの記事をご覧ください。

なぜ半クラッチは怖いのか

半クラッチが怖く感じる一番の理由は「エンストするのではないか」という不安です。教習所では感覚的な説明が多く、「この辺で止めて」と言われても、その「この辺」が分かりにくいため、不安が残りやすくなります。また、半クラッチを長く使うと車に負担がかかると聞き、余計に混乱する人も少なくありません。一度エンストを経験すれば分かりますが、動いていたはずのエンジンが静かになっていき、車体が悲鳴をあげるかのようにブルブル震えてくるので、体感的にすごく「やらかした感」があるのがエンストです。加えて、メーターパネルには、エンジン警告灯や油圧警告灯など、たくさんの警告灯が点灯するので、運転に慣れない心を抉ってくるかのような、失敗として心に残ってしまうのがエンストだと思います。半クラッチ操作をしていると、エンストしないまでも、先ほど述べたような車の挙動になることがあるので、それが更なる恐怖感を醸し出してきます。

半クラッチを使っていい場面

  • 発進のとき
  • 坂道発進のとき
  • 駐車場で低速走行するとき
  • 渋滞でストップ&ゴーを繰り返す時

半クラッチを使ってよいのは、ここに挙げたような超低速走行時です。これらの場面では、車をスムーズに動かすために半クラッチが必要になります。目的は「車を動かすこと」であり、長時間維持することではありません。また、信号待ちなどで停止する際も、クラッチを踏まないとエンストしてしまいます。これは先述の通り、タイヤとエンジンを100%繋げた状態では、タイヤの停止イコール、エンジンの停止を意味するからです。また、よくある誤解ですが、ギアチェンジの際は基本的に半クラッチは必要ありません。発進の際はどうしても半クラッチが必要になりますが、2速よりも上のギアにおいては、ギアチェンジに必要なエンジン回転に合っていれば、駆動系に負担は掛かりませんので、半クラッチは不要です。

ただし、初心者のうちは、どうしてもエンジン回転が合わずに、クラッチを繋ぐたびに車体に不快な衝撃が走る場合があります。この場合は、僅かに半クラッチをつかい(クラッチを繋ぐ操作をゆっくりにする程度)、衝撃を和らげた方がいいです。理由は、シフトチェンジ時に車体が衝撃を受ける場合、駆動系(トランスミッション、シャフト等)にダメージが入りますが、半クラッチで対応する場合はクラッチ板が吸収することになります。クラッチ板は消耗品ですので、こちらが消耗した方がまだ良いからです。いずれにしろ、ギアチェンジ時に必要となる回転数を学ぶことが先決になりますので、当サイトの教材などを参照しながら体感的に必要回転数が分かるようになりましょう。

半クラッチを使ってはいけない場面

  • 走行中ずっと半クラッチを使い続けること
  • カーブ中にクラッチを切ったままにすること
  • 惰性で走るために半クラッチを使うこと

これらの操作は、避けるべきです。これらはエンジンブレーキが効かず、車の挙動が不安定になり危険です。特に、右左折の際に、エンストが怖いからという理由でクラッチペダルを切ったままにする方がいますが、これは癖がついてしまう前にやめましょう。正しい右左折の方法は当サイト上でも詳しく解説しています。また、ギアチェンジの際にクラッチペダルを操作する場合は、半クラッチを使わずに、スパッとペダルを奥まで踏み込む。パッとペダルから足を離す。これで大丈夫です。つまり、通常走行中は0%と100%しか使いません。走行中に、中途半端にクラッチペダルを踏むと、無駄にクラッチ板が摩耗することになります。

半クラッチは目的ではなく通過点

半クラッチは「使い続ける操作」ではなく、「発進や低速から通常走行に移るための通過点」です。車が動き出したら、速やかに(しかし、なめらかに)クラッチをつなぎ、アクセル操作とエンジン回転で速度をコントロールすることが大切です。半クラッチを正しく理解すれば、エンストへの恐怖は自然と減っていきます。この辺の発進操作の詳細については、当サイトのトップページをまずご覧ください。

半クラッチが理解できたら、次に迷いやすいのが「発進時のアクセル操作」や「シフトアップ時の回転数」です。これらは半クラッチとセットで考えることで、エンストやギクシャク感が一気に減ります。

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