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シフトダウンとは?

スピードメータ、タコメーターイメージAT車とMT車
スピードメータ、タコメーターイメージ
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シフトダウンって何?どんな操作?

シフトダウンとは何か?と聞かれて、首をかしげてしまう方は結構多くいます。

教習中の方だけではなく、免許を取得してしばらく経っている方でも、知らない方は多いのです。実際にメディアに携わる方も、次のような実例を挙げています。

驚いたのが、20代から40代前半のスタッフ(引用者注:TV局スタッフのこと)の殆どが「ニュートラル」、「エンジンブレーキ」「シフトダウン」という言葉の意味が理解出来ていない、という事でした。「トランスミッション」という言葉は全員が「殆ど聞いた事が無い」という状況です。

TBS安東弘樹アナウンサー連載コラム

シフトダウンとは、そもそも何か。何のために必要なのか。このページで解説していきたいと思います。

シフトダウンに関する疑問まとめ

シフトダウンとは?

シフトダウンとは、ギアを1段下のギア(1段低いギア)に下げることを言います。例えば、現在4速で市街地を走行している場合、3速に切り替えることをシフトダウン(動作を示す英語としてダウンシフトという場合もあります)と言います。

シフトダウンと逆の動作はシフトアップといい、一般的に1速で発進後、徐々にスピードが上がるに従って、2速、3速、4速というふうに順番に上がっていくのがシフトアップです。

AT車には関係ないんでしょ?

AT車では、シフトダウンもシフトアップもすべて車が自動的に行います。そのため、ドライバーはあまり意識しませんが、シフトダウン操作は行われています。シフトアップ、もしくはシフトダウンするタイミングは、その車種に施されたセッティングにより異なります。

一般的なトルクコンバーター式AT車の場合は、アクセルを緩めたり、足を離したりするとシフトアップされやすく、逆にアクセルペダルを深く踏むとシフトダウンされやすいようになっています。また、信号停止などで速度が一定以上に落ちると、自動的に低いギアに切り替わります。

いつシフトダウンが必要なの?

シフトダウンが必要なのは、主に今よりもパワーが必要な場合、もしくはエンジンブレーキを強く利かせたい場合です。例えば、追い越し車線に出て前走車を追い越す場合や、坂道を上っていく場合などが該当します。また、下り坂などで、エンジンブレーキを活用したい場合、より強いエンジンブレーキを利かせるためには低いギアが有効であるため、事前にシフトダウンする必要があります。

何のためにシフトダウンが必要なの?

各ギアの力と速度の相関イメージ
各ギアの力と速度の相関イメージ

シフトダウンをすると、一段低いギアに変速されますから、速度よりもパワーを重視したシフトとなります。これによって、瞬発力が高まるため、追い越しや坂道での登坂がスムーズになります。例えるならば、高いギアは「マラソンランナー」で、低いギアは「短距離ランナー」。一段低いギアにシフトダウンすれば、瞬間的に加速する力が得られます。

具体的にどんな操作をするの?

シフトダウンする場合の操作は、MT車とAT車で異なります。MT車の場合は、クラッチペダルとチェンジレバーを操作して、1段低いギアへと変速します。そして、クラッチペダルをつないだ時点(ペダルから足を離す直前)で、低いギアで駆動され始めます。

AT車の場合は、ブレーキを踏んで速度が十分に落ちれば自動的に低いギアに変速されます。速度とは関係なく任意にシフトダウンしたい場合は、アクセルペダルを強く踏み込みます(キックダウンという)。もしくは、シフトレバーを操作して一段低いギアポジションに合わせます。Dレンジで走行中ならば、3もしくは2といったポジションに合わせることで、シフトダウンができます。

シフトダウンは難しいの?

AT車の場合は、シフトダウンは難しくありません。というよりも実態は、大半のAT車ユーザーが、シフトダウンという言葉も概念も知らずに、意識することなく運転しています。

確かに、シフトダウンを意識しなくても運転はできてしまいますが、その結果、高速道路などで無駄な渋滞を引き起こす原因にもなっています。高速道路では、緩い上り坂が続く区間で渋滞が発生しやすいのですが、この原因はAT車が緩い上り坂であるため自動的にはシフトダウンされず、登坂に必要なパワーが失われて、ずるずると速度が落ちていく為であると考えられています。アクセルを踏みこんでも、速度が徐々に落ちてしまうため、等速で走っている後続車はブレーキを踏まなくてはならず、渋滞へと変わってしまいます。AT車でも、緩やかな登坂路では手動でシフトダウンするようにすれば、速度が低下することはありません。

一方MT車では、シフトダウンは回転合わせが難しい点となります。基本的にMT車では、変速後のギアに合ったエンジン回転になっていないと「シフトショック」といって、車体に不快な揺れが発生します。この揺れは、クラッチをつないだ瞬間に発生しますが、回転がきちんと合っていれば発生しません。シフトアップの際は、シフトチェンジ中にアクセルぺダルから足を離すため、エンジン回転が落ちてきて、回転は自然と合い易くなっています。ところが、シフトダウンでは回転を意識していないとうまく合わず、不快な揺れとなり同乗者を酔わせることにつながり兼ねません。ただし、これは集中的なトレーニングによって、矯正可能です。

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