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右左折時の操作手順(MT車)

MT車シフトノブイメージAT車とMT車
MT車シフトノブのイメージ
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左折の時、マニュアルの操作に戸惑ってしまいます

運転教材を購入された方から寄せられた運転操作のご質問より、「右左折時の操作手順」についてご紹介します。はじめに、質問内容と回答を要約すると、このような形です。

Q
左折時はクラッチペダルを踏んだままで良いのでしょうか?
A

パターンによって異なりますので、詳しく解説します。

左折時に迷うギアの段数やクラッチの操作はどうしたらいい?

では実際に頂いたメールを引用してご紹介します。

以前、MT車攻略本を購入しました、○○と申します。

右左折時の操作について質問させて頂きたいと思い、メールを致しました。
右左折時の操作は、

①右左折に入る前までにフットブレーキで十分減速。
②(フットブレーキを踏んだまま)クラッチを踏み2速にシフトダウン。
③半クラッチで完全に繋いだ後、フットブレーキを緩める。
(ペダルを離す順番は、クラッチ→フットブレーキ)
④フットブレーキの上に軽く足を置いたまま左折
⑤曲がり切った後、アクセルを踏み加速

という手順で良いのでしょうか?

教習所に通っていた時、指導員の方から「左折時はクラッチを切って曲がり、交差点を通過してから加速するように!」という風に言われました。実際の道路上での操作では、このやり方は間違っているのでしょうか?

インターネット上でも以下の様な運転操作のやり方が書いてありました。
・2速に入れクラッチを切って曲がり交差点を通過してから加速するやり方
・2速の半クラッチのまま左折し、交差点を通過してから加速するやり方
がありました。

私は、クラッチを切って曲がろうとするとエンジンブレーキが効かず、車体が不安定になり危険であると思います。怖くてできるものではありません。正しい、運転操作はどのような感じなのでしょうか?

読者からの受信メールを引用

左折時のギア、クラッチの操作手順はコレ

ここからは、Shift-UP Clubからの回答メールになります。

こちらはShift-UP Clubです。
このたびはご連絡を頂きまして、まことに有り難うございました。

頂きました「右左折時の操作」についてお答えいたします。
頂いたメールではまず、下記のように右左折時の操作手順をお書き頂きました。

  1. 右左折に入る前までにフットブレーキで十分減速。
  2. (フットブレーキを踏んだまま)クラッチを踏み2速にシフトダウン。
  3. 半クラッチで完全に繋いだ後、フットブレーキを緩める。(ペダルを離す順番は、クラッチ→フットブレーキ)
  4. フットブレーキの上に軽く足を置いたまま左折
  5. 曲がり切った後、アクセルを踏み加速

そして、教習所に通っていた時に指導員の方から言われたことを要約すると、下記のように教わったということですね?

「左折時はクラッチペダルを踏んだ状態で曲がり、曲がり終わってからクラッチをつないで(クラッチペダルから足を離して)加速していく」

それでは、まず下記のように整理してみましょう。
「右左折」とご記載頂きましたが、右折は停止したり微速走行になったり操作が一定しませんので、分かりやすく「左折操作」として考えてみます。

MT車の左折操作3つのパターン
  • パターン1
    2速に入れクラッチを切って曲がり、交差点を通過してから加速するやり方

    →曲がっている間クラッチペダルは踏んだ状態
    良い点・曲がっている途中エンストはしない
    悪い点・エンジンブレーキが利かない、惰性走行のためアクセルで速度や車体の動きを調節できない

  • パターン2
    2速の半クラッチのまま左折し、交差点を通過してから加速するやり方

    →曲がっている間クラッチペダルは半クラッチを保った状態
    良い点・曲がっている途中エンストはしない、減速(変速)ショックが出にくい
    悪い点・クラッチが磨耗する、左足操作がシビア(安定しにくい)

  • パターン3
    2速へのシフトダウンを終えてから、交差点を通過し加速するやり方

    →曲がっている間はクラッチペダルから足を離した状態
    良い点・クラッチペダル、フットブレーキ、アクセルの全ペダル操作が可能
    悪い点・速度が(停止する程)低くなりすぎるとエンストする

上記の中で言えば、教習所で指導員の方に教わった方法は(1)ということになります。

では、Shift-UP Clubでお勧めする、MT車での左折手順をお伝えします。それは、ズバリ(3)の方法です。つまり、左折前にシフトダウン操作は終えておく、ということです。

理由を説明しましょう。それぞれの操作における「良い点」「悪い点」は上記で示したとおりですが、交差点を左折する最中は歩行者や自転車、さらには後方からくるバイク、左折した先の車列など、注意する箇所がたくさんあります。そんな中で臨機応変に加速、減速、ハンドル操作するには、アクセル、ブレーキ、エンジンブレーキをいつでも操作できる(有効な)状態にしておくのがベターです。(※エンジンブレーキは、アクセルペダルを緩めるだけで減速できる現象です) 左折のハンドル操作に入る前にシフトダウン操作を終えて(クラッチペダルから足を離した状態)おけば、いつでもエンジンブレーキ、アクセルともに利かせることができます。

(3)の操作における悪い点である「速度が低くなりすぎるとエンストする」というものですが、ギアが2速であれば、車が停止するほどの低速にならない限りエンストはしません。エンストしそうになると、エンジン音が苦しそうにバタついたり、車体が揺れてきたりすることで分かるはずです。またタコメーターを見れば、アイドリング回転(エンジンをかけただけの状態。アクセルを踏まないときの回転数。通常は600~800回転程度)よりも下の回転数を指していればエンストする直前だということが分かります。そうなったときに初めてクラッチペダルを踏めば、エンストは回避できます。そして、慌てずにギアを1速にしてから発進すればよいのです。車が僅かでも動いていれば、1速で発進する際の半クラッチはさほど神経を使わなくてもスムーズにつながります。

以上の理由からShift-UP Clubでは、(3)の左折方法をお勧めしています。

Shift-UP Clubからの回答メールを引用

引用は以上となります。

さて、左折前にシフトダウンすると言っても、その際の操作も気になるでしょう。ブレーキを踏みながらシフトダウン(半クラッチ操作)するのかどうか。つまり、ペダルを離す順序は「クラッチペダル」→「ブレーキペダル」なのか、それとも逆なのか。こちらは、Shift-UP Clubの運転教材や会員向けサイトなどで解説していますので、ご興味のある方はお問合せください。

MT車、AT車共通の左折の手順

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