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シフトミスとは?ガリガリ、ギア鳴りの原因は?ダメージは?

MT車シフトノブのイメージMT車(マニュアル車)
MT車シフトノブのイメージ
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「シフトミス」が車両の故障を誘発する

MT車に乗る方なら「エンスト」と並んで、一度はやってしまうであろうミスが「シフトミス」です。シフトミスにも種類がいくつかありますが、いずれも車両本体を痛める可能性が高く、なるべく避けたいものです。シフト操作中において、ミスが起こり得るタイミング別に、シフトミスの種類を挙げてみました。

クラッチの踏み忘れ

AT(オートマ)車からの乗り換えの方に希に見られるシフトミスです。2ペダルMT車(いわゆるギアチェンジだけは手で操作するタイプ)に乗っていた方にもよく見られるミスです。

ギアチェンジをしようとしてシフトに手を掛けて、クラッチペダルを踏まずにギアをN(ニュートラル)方向に動かそうとしてしまうものです。こうすると、ギアが鳴ってしまいます。大抵はこのギア鳴りにびっくりして、手を戻すなりクラッチを踏むなりして何とかなりますが、ギア鳴りが長く続くとギアそのものの破損や寿命の低下につながります。ちなみに、クラッチを踏み忘れても、エンジン回転や車体の荷重などの条件が合っていればギアがNに抜けることがあります。

ギアの入れ間違い

シフトミスで最も多いのが、このギアの入れ間違いです。2速に入れるつもりが4速だった。1速で発進するつもりが3速だった、などというのが定番です。このようなギアの入れ間違いをすると、まずエンジン音で気づかされることになります。

例えば、1速からシフトアップして2速に入れるつもりが4速に入ってしまったとします。ここでクラッチをつなぐと、エンジン回転が急に大幅に低くなるためエンジン音が低くなります。速度が遅ければ、4速で走るために最低限必要なエンジン回転(アイドリング回転である500~800回転程度)を下回ってしまい、エンジンがエンストしそうな感じで息つぎを起こしてしまいます。

逆にシフトダウンの際に、より低いギアに間違えて入れてしまうとエンジン回転が大幅に高まってしまい、うなり声を上げるようなエンジン音になります。大抵の場合はこのエンジン音にびっくりしてシフトミスをしたことにすぐ気づきます。最悪の場合は、エンジンがレッドゾーン(これ以上エンジン回転を上げると危険だという範囲)に到達する場合もあります(オーバーレブといいます)。このギアの入れ間違いによるシフトミスは、ギア(トランスミッション)そのものよりも、エンジンに負担を掛けることが多いので注意しましょう。

もしギアの入れ間違いによるシフトミスをしてしまったら、まず慌てずにクラッチペダルを踏むことです。クラッチペダルを踏んでいる間は惰性で走行できますから後続車にも大きな迷惑にはなりません。落ち着いて、入れるべき正しいギアに入れなおして、半クラッチでつなぎます。もしギアに入れ直すことに時間が掛かってしまった場合は、エンジン回転が落ちてしまっているので、もとのギア(シフトチェンジする前のギア)に入れてクラッチをつなぎます。そしてもう一度状況に応じてシフトチェンジすれば良いでしょう。

ギアの入り不足

シフトレバーで次のギアの位置まで持っていき、クラッチをつないだはずが、アクセルを踏むと「フォーン」と空ぶかししてしまうミスです。つまり、ギアを入れたつもりが入っておらず、Nのままだったということです。

このミスの原因は、ギアの入り不足です。ギアはその構造上(車種にもよりますが)、ギアを奥まで入れる間に多少の「ひっかかり」があります。ここで止めてしまうと、実際にはギアが入っていない状態のままになってしまいます。このミスでは特に車体へのダメージはありませんが、一瞬のパニックから次の大きなミスを引き起こしてしまう可能性があります。ギアはしっかりと奥まで入れるように習慣付けておきましょう。

クラッチ戻しのミス

まず、シフト操作に入る前に、クラッチペダルを踏む量が不十分だと、ギアが入らなかったりギア鳴りを起こしてしまうことがあります。教習所で教わるとおり、クラッチペダルはスパッと奥まで踏むようにしましょう。また、シフト操作中にハンドルや他のことに気を取られて、徐々に踏み具合が甘くなってしまうこともあります。しっかりと奥まで踏んだままキープします。

シフト操作を終え、いざクラッチペダルをつなごうとするときに、タイミングを誤るミスもあります。早くシフト操作を終えたいがために、ギアが入るか入らないかというタイミングでクラッチペダルをつなごうとすると、やはりギアがぶつかってギア鳴りしてしまうことがあります。このように、クラッチの踏みが不十分だとギアを消耗させることに繋がってしまいます。しっかりとギアを入れたことを確認してから、クラッチペダルを戻し始めるようにしましょう。

シフト操作は速さよりも丁寧さ

以上、シフトミスについて見てきましたが、クラッチ操作、シフト操作ともに「確実性」が何よりも大切です。MT車に慣れてくると、ギアチェンジの楽しさからか、シフトチェンジの「速さ」を求めようとする方がいます。特に信号待ちからのスタートなどで、AT車と並んで発進し、並走するとギアチェンジの際にワンテンポ遅れることを嫌って、シフトアップの操作が雑になる方が見受けられます。これでは、せっかくのギアボックスを痛めることにもつながってしまいます。

ギアチェンジの際は「確実性」が最も大切だと肝に命じてください。確実性を大切にしながらも、AT車より速くスムーズに走行することは可能です。ギアをこじらせる癖がついてしまっている方は、ぜひ「MT車攻略マニュアル」を読んで改善しましょう。

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